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WBC 2026 ルール解説|MLB規則との違いと大会独自ルール

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2026年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、選手の健康保護と国際大会としての試合の公平性を担保するため、MLBや日本プロ野球(NPB)とは異なる独自のルールを数多く採用しています。

特に、投手のコンディションを考慮した厳格な球数制限や登板間隔の規定は、WBCの戦術を特徴づける最も重要な要素です。

2026年大会では、これまでの独自ルールに加え、MLBで2023年から導入された「ピッチクロック」「ベースサイズの拡大」「牽制球の制限」といった新ルールが適用されます。

試合時間の短縮と、よりスピーディーで攻撃的なプレーが促進される見込みです。

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WBCの基本ルール

WBCは、MLBとMLB選手会が主催する国際大会であり、ルールはMLB規則を基本としながらも、シーズン開幕前の選手の状態に配慮した多くの独自規定が設けられています。

大会の円滑な運営と、参加選手の故障リスクを最小限に抑えるための工夫が随所に見られます。

WBC独自のタイブレーク制度

試合時間の長期化を防ぐため、延長戦にはタイブレーク制度が採用されます。

9回を終了して同点の場合、延長10回以降は無死二塁の状況から攻撃を開始します。二塁走者には、イニングの先頭打者の前の打順の選手が立ちます。

得点機会を人為的に創出し、早期の試合決着を促すルールです。NPBでも二軍で試験導入が進められていますが、WBCでは国際大会の標準ルールとして定着しています。前回2023年大会では、2017年の2次ラウンドでノーアウト1、2塁からスタートしていましたが、今大会はノーアウト2塁に変更されました。

走者の数が減ったため、先攻側がバントで進塁するケースは減る見通しです。先頭打者が強打者の場合は、申告敬遠されるケースも考えられます。MLBでは2022年レギュラーシーズンで2430試合を行い、タイブレークまで持ち込まれたのは216試合で約9%でした。

同じ確率でタイブレークが発生すると仮定すると、全47試合のうち4試合がタイブレークとなります。

投手の球数制限ルール

WBCで最も特徴的なルールが、投手の肩や肘を保護するための厳格な球数制限です。

制限は制限はラウンドごとに段階的に緩和されます。

球数制限の詳細

ラウンド1試合の球数上限
1次ラウンド65球まで
準々決勝80球まで
準決勝・決勝95球まで

制限球数に達した場合でも、打者の打席が完了するまでは投球を継続できます。

登板間隔の規定

投球数必要な休養期間
50球以上中4日以上
30球以上中1日以上
2試合連続登板中1日以上

登板間隔にも厳しい規定が設けられています。50球以上を投げた場合は中4日を空ける必要があり、30球以上を投げた場合または2試合連続で登板した場合は中1日を空けなければなりません。

MLBと同様に「ワンポイントリリーフ」は禁止されており、登板した投手は最低でも打者3人と対戦するか、イニングを終了させなければ交代できません。NPBで一般的な先発投手が100球前後を投げるスタイルは不可能となり、「第2先発」といった継投策が極めて重要になります。

各国首脳陣が必ず意識して臨まなければならないルールであり、先発できる投手をブルペンに何人スタンバイさせられるかは重要なポイントとなります。侍ジャパンが過去4大会ですべてベスト4に進出できている一因は、シーズン中は先発を任されている有力な投手を複数ブルペンに控えさせ、第2の先発として起用できる層の厚さです。

打線が2巡、3巡と回るたびに先発の成績は悪化する傾向にあるため、先発を早く降板させられる選手層の厚さには別のメリットももたらします。

近年のMLBではリリーフ投手が先発し、後ろを本来先発できる投手がロングリリーフ、あるいは先発が打者9人に投げたところで別の先発がもう1巡を担当するような継投シーンも増えています。

球数制限に関しては、プールBで戦う日本の1次ラウンド最終戦が行われる3月12日に初戦を迎え、11日間で決勝まで7試合を戦い抜くプールC、Dのチームほど細心な起用を求められます。

メジャーリーガー中心の各国メンバーを見ると、アメリカやベネズエラ、メキシコは先発やロングリリーフが比較的多く、ドミニカ共和国やプエルトリコは少数精鋭の先発に本職がリリーフを多く揃えた構成になっています。

選手登録のルール

各チームの登録選手は30人で、投手14人以上、捕手2人以上の登録が義務付けられています。

投手の負担をさらに軽減するため「指名投手枠(Designated Pitcher Pool)」という制度が存在します。

最大10人の投手を事前に指名投手として登録でき、1次ラウンド終了後と準々決勝終了後に、それぞれ2人までの枠の投手と入れ替えが可能です。一度ロースターから外れた選手は、再登録できません。

チームは大会の進行状況や投手の疲労度に応じて、柔軟に投手陣を再編成できます。

コールドゲームのルール

大会の過密日程を考慮し、1次ラウンドに限りコールドゲームが適用されます。5回終了時点で15点差以上、7回終了時点で10点差以上の条件を満たした場合、時点で試合終了となります。

準々決勝以降のノックアウトステージではコールドゲームは適用されず、最後まで勝敗が争われます。

2026年大会での新ルール

2026年大会からは、MLBで近年導入された新ルールがWBCでも採用される見込みであり、国際大会のスタンダードが大きく変わります。

WBCを主催するMLBが、自らのリーグのルールを国際基準として浸透させたいという意向の表れです。

2026年大会で導入される主な新ルール

新ルール内容違反時のペナルティ
ピッチクロック投手は走者なしで15秒以内
走者ありで18秒以内に投球動作を開始
投手違反:1ボール
ピッチクロック(打者)打者は残り8秒までに打席での準備を完了打者違反:1ストライク
ベースサイズ拡大一辺が15インチ(約38.1cm)から
18インチ(約45.7cm)に拡大
牽制球の制限1打者につきプレートを外す行為(牽制含む)を2回まで3回目で走者をアウトにできなければボーク
ピッチコム捕手と投手の間でサインを電子的に伝達する機器を導入

ピッチクロックは試合時間短縮を目的とし、投球間の時間を制限するルールです。投手は走者がいない場合は15秒、いる場合は18秒以内に投球動作を開始しなければならず、違反すると1ボールが宣告されます。打者も残り8秒までに打席での準備を完了する必要があり、違反すると1ストライクが科されます。

NPBでは未導入のため、日本チームの選手にとっては迅速な適応が課題。MLBの公式データによれば、2023年の導入初年度、試合時間は平均で約24分も短縮されました。指先の感覚を重視し、1球ごとにロジンバッグを触るルーティンを持つ日本人投手にとって、呼吸の制限は死活問題となり得ます。

ベースサイズの拡大により、塁間の距離がわずかに短縮されます。盗塁の企図数増加や内野安打の増加が期待され、機動力を重視するチームにとっては追い風となる可能性も。

牽制球の制限では、投手は1打者につき、プレートを外す行為(牽制を含む)を2回までに制限されます。3回目の牽制で走者をアウトにできなければボークが宣告され、走者は進塁します。クイックモーションに自信を持つ日本人バッテリーといえど、牽制が2回までに制限される心理的プレッシャーは計り知れないでしょう。

ピッチコムは、捕手と投手の間でサインを電子的に伝達する機器です。サイン盗み防止に加え、サイン交換の時間を短縮する効果があります。

WBCとMLBのルールの違い

WBCはMLBが主催するため、基本ルールはMLBに準拠していますが、大会の性質上、いくつかの重要な違いが存在します。

2026年大会からは多くのルールが統一される方向ですが、依然として差異は残ります。

項目WBCMLB
主催WBCI(MLBとMLB選手会)MLB
公式球ローリングス社製MLB公式球ローリングス社製MLB公式球
球数制限あり(1次R: 65球、準々決勝: 80球、準決勝以降: 95球)なし(慣例的に100球前後が目安)
登板間隔厳格な規定あり(50球以上で中4日など)規定なし(通常は中4〜5日)
延長戦10回からタイブレーク(無死二塁)10回からタイブレーク(無死二塁)
引き分けなしなし
コールドあり(1次ラウンドのみ)なし
ビデオ判定準々決勝まで1回、準決勝以降2回(失敗で権利消滅)1回(成功すれば権利継続)
新ルール2026年からピッチクロック、ベース拡大などを導入2023年から導入済み

WBCではMLBと同じローリングス社製のボールが使用されますが、NPBのミズノ社製ボールに慣れた日本選手にとって大きな課題となります。

MLB球は革のなめし工程が異なり、表面が滑らかで乾燥しています。NPBのミズノ社製が「しっとり」手に吸い付くのに対し、MLB球は「ツルツル滑る」と表現されます。

縫い目も低く、指にかかる抵抗が少ないため、フォークボールやスライダーのキレに直接影響します。投手はボールへの適応に時間を要し、制球に苦しむケースや、指にマメができやすくなります。

WBCとNPBのルールの違い

WBCとNPBのルールを比較すると、国際大会と国内リーグの思想の違いが明確になります。

NPBが1シーズンを通したペナントレースを前提としているのに対し、WBCは短期決戦であり、かつ選手の保護を最優先事項としています。

項目WBCNPB
公式球ローリングス社製(MLB仕様)ミズノ社製
球数制限あり(ラウンド毎に65〜95球)なし
延長戦10回からタイブレーク12回まで(引き分けあり)
DH制度全試合で採用パ・リーグのみ採用(セ・リーグは不採用)
ワンポイント禁止あり(最低打者3人対戦)なし
ピッチクロック2026年から導入未導入(二軍で試験導入中)
ベース拡大2026年から導入未導入
牽制制限2026年から導入未導入

NPBでは当たり前の「延長12回引き分け」や「ワンポイントリリーフ」がWBCには存在しません。全試合でDH制が採用されるため、NPBのセ・リーグに所属する投手は打席に立つ機会がありません。

2023年大会からは、先発投手が降板後もDHとして出場を続けられる「大谷ルール」も正式採用されています。選手選考や試合中の采配に大きな影響を与えます。

WBC独自ルールの戦略的な影響

WBC特有のルールは、各チームに独自の戦術を要求します。

登板間隔の規定も複雑なため、トーナメントを勝ち進むことを見越した計画的な投手運用が監督には求められそうです。

1次ラウンドの順位決定方法も戦術に影響を及ぼします。勝率で並んだ場合は、当該チーム間の対戦成績、失点率、防御率の順で順位が決まるため、たとえ負け試合であっても大量失点を避けるのが肝要です。コールド負けは、失点率を悪化させるため、ラウンド突破に致命的な影響を与えかねません。

2026年から導入される新ルールは、特にNPBの選手にとって大きな挑戦となります。ピッチクロックへの対応は、投打ともに自身のテンポやリズムを調整する必要があります。ベース拡大と牽制制限は、走塁の重要性を一層高め、これまで以上に盗塁やエンドランといった機動力を絡めた攻撃が有効となりそうです。

新ルールにいかに早く適応できるかが、侍ジャパンの連覇に向けた重要な要素となるでしょう。

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