サッカー

ハットトリックとは?意味・由来と成立条件、最速記録を解説

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「ハットトリック」はサッカー観戦でよく耳にする言葉ですが、その意味や由来を正確に知っている人は意外と少ないかもしれません。

本記事ではハットトリックの意味・語源・成立条件をわかりやすく解説するとともに、世界・日本の最速記録や、歴史に残る衝撃的なハットトリックをまとめます。

ハットトリックとは?

ハットトリックとは、1人の選手が同じ試合で同種のプレーを3回達成することです。

サッカーでは、1人の選手が1試合で3得点することを指します。4得点以上を挙げた場合も、3点目を決めた時点でハットトリック達成となります。

意味

サッカーにおけるハットトリックは、1人の選手が1試合で3得点以上を記録することを意味します。

試合中に3点を挙げた選手はヒーローとして扱われ、スタジアムでは拍手や歓声でたたえられます。3ゴールが必ずしも連続している必要はなく、チームが引き分けや敗戦となった場合でも、個人記録としてのハットトリックは成立します。

由来

ハットトリックの語源は、サッカーではなくクリケットにあります。1858年、イングランドの選手H.H.スティーブンソンが、シェフィールドで行われた試合で3球連続してウィケットを奪いました。

この快挙をたたえるために寄付金が集められ、そのお金で帽子が贈られたことから「ハットトリック」という言葉が生まれたとされています。その後、サッカーやアイスホッケーなど、ほかのスポーツにも広まりました。

成立条件

サッカーでのハットトリックが成立する条件は以下のとおりです。

条件詳細
得点数同じ試合で1人が3得点する
4得点以上3点目の時点でハットトリック成立
連続性3得点が連続している必要はない
出場方法先発・途中出場を問わない
オウンゴール得点者本人のゴールではないためカウントされない
延長戦延長戦での得点もカウントされる
PK戦試合終了後のPK戦で決めたゴールはカウントされない

途中出場からのハットトリックも正式に記録されており、後述するJリーグ最速の記録もベンチスタートからの達成です。

パーフェクト・ハットトリックとは?
右足・左足・ヘディングのすべてで1点ずつを挙げたハットトリックは「パーフェクト・ハットトリック」と呼ばれることがあります。

得点する順番は問いません。競技規則上の正式な記録区分ではありませんが、メディアやファンの間で広く使われる呼称です。

ハットトリックの派生

1試合で6得点を挙げることは「ダブルハットトリック」、9得点を挙げることは「トリプルハットトリック」と呼ばれることがあります。

ただし、いずれも競技規則で定められた正式な記録名称ではなく、3得点を1組として表した通称です。

ダブルハットトリック

1試合で6得点を挙げることを「ダブルハットトリック」と呼びます。日本では、2005年のJ1・J2入れ替え戦でヴァンフォーレ甲府のバレーが柏レイソル戦で6得点を記録しました。

国際試合では、2001年にオーストラリア代表のアーチー・トンプソンがアメリカ領サモア戦で13得点を挙げています。

トリプルハットトリック

1試合で9得点を挙げることを「トリプルハットトリック」と呼びます。

前述のアーチー・トンプソンの13得点は、3得点を1組として数えれば4回分のハットトリックを含む記録です。

ハットトリックに関する記録

ハットトリックにはさまざまな記録が存在します。世界最速・日本国内・Jリーグなどの観点で紹介します。

男子国際試合における最速ハットトリック

男子国際試合における世界最速ハットトリックの記録は、日本代表の中山雅史が保持しています。

2000年2月16日に行われたアジアカップ2000予選の日本対ブルネイ戦で、中山は1分・2分・3分15秒に得点してハットトリックを達成しました。それまでの記録だった1938年のジョージ・ホール(イングランド)の3分30秒を62年ぶりに更新した快挙で、ギネス世界記録にも認定されています。

ハットトリックの最速記録はカテゴリーによって異なります。プレミアリーグではサディオ・マネが2分56秒、ワールドカップ本大会ではラースロー・キスが7分42秒という記録があります。

カテゴリー選手公表記録備考
男子国際試合最速中山 雅史(日本)3分15秒2000年2月16日、vsブルネイ
従来の国際試合記録ジョージ・ホール(イングランド)3分30秒1938年
プレミアリーグ最速サディオ・マネ2分56秒
男子W杯本大会最速ラースロー・キス(ハンガリー)7分42秒

※最速記録は大会・記録機関によって計測方法が異なります。中山雅史の3分15秒は試合開始から3点目まで、マネとキスの記録は第1得点から第3得点までの時間です。

現役主要選手のハットトリック数

複数の民間集計では、クラブと代表の公式戦を合わせてロナウド66回、メッシ61回とされています(2026年7月時点)。

ただし、親善試合を含めるかなど集計基準によって数字が異なるため、記録を紹介する際は基準を明記する必要があります。

選手ハットトリック数(概算)備考
クリスティアーノ・ロナウド66回(2026年7月時点)クラブ・代表の公式戦合算
リオネル・メッシ61回(2026年7月時点)クラブ・代表の公式戦合算

男子W杯本大会ではロナウドが2018年に33歳130日でハットトリックを達成していましたが、2026年大会でメッシが38歳357日で達成して男子W杯史上最年長記録を更新しています。

選手記録
リオネル・メッシ男子W杯史上最年長ハットトリック、38歳357日(2026年大会)
クリスティアーノ・ロナウド従来の記録、33歳130日(2018年大会)

日本代表の国際Aマッチにおける初のハットトリック

日本代表が国際Aマッチで初めてハットトリックを記録したのは1930年5月25日のフィリピン戦で、若林竹雄が4ゴールを挙げてハットトリックを達成しました。

項目詳細
達成者若林 竹雄
日付1930年5月25日
対戦相手フィリピン代表
得点数4得点(試合中にハットトリック達成)

J1で途中出場から最速のハットトリック

J1で、ピッチに立ってから最も短時間でハットトリックを完成させたのは、セレッソ大阪の眞中靖夫です。

2001年7月14日の柏レイソル戦で、眞中は68分に途中出場し、72分・73分・75分に得点しました。途中出場からハットトリック完成までの時間は7分でJ1最速記録です。第1得点から第3得点までは公式の分表記で3分でした。

記録内容
出場から完成まで7分(68分出場、75分完成)
得点時刻72分、73分、75分
第1得点から第3得点3分

世界の衝撃的なハットトリック

サッカーの歴史に残る、語り継がれるハットトリックを4つ紹介します。

中山雅史

出典:Jリーグ公式チャンネル

日本サッカー史に燦然と輝く中山雅史は、ハットトリックの記録を2つ保持しています。1つは前述の男子国際試合最速ハットトリック(3分15秒)、もう1つは1998年のJリーグで達成した4試合連続ハットトリックです。

中山は1998年4月15日から29日にかけてジュビロ磐田の一員として4試合連続でハットトリックを達成し、合計16得点(5得点・4得点・4得点・3得点)を記録しました。

ギネス世界記録では、国内トップディビジョンにおける4試合連続ハットトリックとして掲載されています。

攻撃的なプレースタイルと類まれなゴールへの嗅覚で「ゴン」の愛称で親しまれた中山は、日本代表の1998年フランスW杯出場にも貢献しました。国内外でのハットトリック記録は、日本サッカー界において今も特別な輝きを放っています。

ペレ

出典:ASIAN KUNG-FU FOOTBALL

「サッカーの王様」と呼ばれるブラジルのペレは、1958年スウェーデンW杯準決勝のフランス戦でハットトリックを達成しました。

当時17歳244日という若さで成し遂げたこの記録は、男子W杯史上最年少ハットトリックとして現在も破られていません。

わずか17歳でW杯の大舞台に立ち、しかも準決勝という大一番でハットトリックを達成したペレの怪物的な才能は、世界中に衝撃を与えました。ブラジルはこの大会で優勝し、ペレはその主役として世界にその名を知らしめました。

項目詳細
選手ペレ(ブラジル)
試合1958年W杯 準決勝 ブラジル vs フランス
達成時の年齢17歳244日(男子W杯史上最年少ハットトリック)

ジェフ・ハースト

出典:LordHeath1972

1966年イングランドW杯決勝、イングランド対西ドイツ戦でジェフ・ハーストが達成したハットトリックは、男子W杯決勝での史上初のハットトリックとして記録されています。

この記録は長く唯一のものでしたが、2022年カタールW杯決勝でフランスのキリアン・エムバペが3得点を挙げ、男子W杯決勝での史上2人目となりました。イングランドは4-2で西ドイツを下し、母国での初優勝を果たしました。

特に議論を呼んだのが、延長前半に生まれたイングランドの3点目、ハースト自身の2点目です。シュートはクロスバーに当たってゴールライン付近へ落ち、審判団はゴールと判定しました。

ボールが完全にラインを越えていたかについては現在も見解が分かれています。ハーストはその後、試合終了間際にもう1点を加えてハットトリックを完成させました。

項目詳細
選手ジェフ・ハースト(イングランド)
試合1966年W杯 決勝 イングランド vs 西ドイツ
試合結果イングランド 4-2 西ドイツ(延長)
意義男子W杯決勝史上初のハットトリック(男子W杯決勝で史上2人目はエムバペ、2022年)

クリスティアーノ・ロナウド

出典:Ronassi

2018年ロシアW杯グループステージ、ポルトガル対スペイン戦でのクリスティアーノ・ロナウドのハットトリックは、その劇的な幕切れでサッカー史に刻まれました。

試合は3-3の引き分けとなりましたが、ロナウドは88分に直接フリーキックを沈めて同点に追いつき、ハットトリックを完成させました。

4分のPKで先制し、44分にはエリア外から放ったシュートがGKデ・ヘアの手をはじいてゴールとなり2点目。3得点はいずれも右足によるものでパーフェクト・ハットトリックではありませんが、PK・オープンプレー・直接フリーキックと異なる形から得点し、試合終了間際に同点へ追いついた劇的なハットトリックでした。

項目詳細
選手クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
試合2018年W杯 グループステージ ポルトガル vs スペイン
試合結果3-3(引き分け)
得点内容4分(PK)、44分(シュート+GKはじく)、88分(直接FK)