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オフサイドとは?サッカーのルールをわかりやすく図解つきで解説【初心者向け】

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「オフサイド」はサッカー観戦をはじめたばかりの方が最初につまずきやすいルールのひとつです。

試合中に突然笛が鳴り、ゴールが取り消されて困惑した経験がある方も多いのではないでしょうか。

本記事では、オフサイドの基本ルールから判定条件・例外・VAR・ベンゲル案まで、初心者向けにわかりやすく解説します。この記事を読めば、試合中に「あ、今オフサイドだな」と自分で判断できるようになります。

オフサイドとは?一言でわかる基本ルール

オフサイドとは、攻撃側の選手が相手陣内で守備側の最後から2番目の選手よりもゴールに近い位置でボールを受けた場合に取られる反則です。

もう少し噛み砕くと、「相手のゴールキーパー(GK)ともう1人のディフェンダーの前にいる状態でパスを受けること」がオフサイドに当たります。守備側には通常GKが控えているため、実際には「相手の最終ディフェンダー(GKを除く一番後ろのフィールドプレーヤー)より前でボールを受ける」と理解しておくと直感的にわかりやすいです。

オフサイドが設けられた理由・背景

オフサイドルールの歴史は古く、サッカーの原型が生まれた19世紀のイギリスまで遡ります。当時はゴール前に味方選手を待機させておく「ゴール前張り付き戦術」が横行し、試合がつまらなくなるという問題がありました。

そこでオフサイドルールが設けられ、攻撃側が単純にゴール前に人数を置くだけで得点できない仕組みが作られました。

現在のルールは1925年に大きく改正され、「最後から2番目の相手選手」という基準が確立されました(それ以前は「最後から3番目」という基準が使われていた時期もありました)。このルールによって攻撃と守備のかけ引きが生まれ、「オフサイドトラップ(守備陣が一斉に前進してオフサイドを誘う戦術)」など、サッカー戦術の発展にも大きく貢献しています。

オフサイドが成立する2つの条件

オフサイドが反則として成立するには、以下の2つの条件をすべて満たす必要があります。ひとつでも欠ければオフサイドにはなりません。

条件内容
①オフサイドポジションにいること相手陣内でボールおよび最後から2番目の相手選手よりゴールに近い位置にいる
②プレーに関与していることボールに触れる・相手に干渉する・位置から利益を得るのいずれかに該当する

①オフサイドポジションにいること

「オフサイドポジション」とは、相手陣内(ハーフウェーライン上は含まない)において、ゴールを決められる体のいずれかの部位が、ボールおよび最後から2番目の相手選手よりもゴールに近い位置にある状態を指します。

判定の基準となる「体の部位」は、頭・胴体・足など得点に関与できる部位に限られます。腕や手は判定に含まれません(詳しくはFAQで後述)。

また、「最後から2番目の相手選手」は通常フィールドプレーヤーの最終ラインを指しますが、GKが相手陣内に上がっている場合など、GKが「最後から2番目」になるケースもあります。相手全体の後ろから2番目の選手が基準である点に注意が必要です。

「最後から2番目の相手選手と同じ位置(ライン上)」はオフサイドポジションではありません。相手より明確に前(ゴール寄り)にいる場合のみオフサイドポジションとなります。

オフサイドポジションは「味方がボールを蹴った瞬間」で判定される

オフサイドの位置はボールを「受けた瞬間」ではなく、味方が「ボールを蹴った(プレーした)瞬間」の位置で判定されます。これはルールの中でも特に誤解されやすいポイントです。

たとえば、味方がパスを出した瞬間は相手ディフェンダーの後ろにいた(オンサイド)が、ボールが飛んでくる間に走り込んでオフサイドポジションに入ってボールを受けた場合——この場合は「パスを出した瞬間はオンサイドだった」ためオフサイドにはなりません。

逆に、パスを出した瞬間にオフサイドポジションにいれば、その後ボールを受けるために戻ってきてもオフサイドが成立します。

②プレーに関与していること

オフサイドポジションにいるだけでは反則にはなりません。その選手が「プレーに関与」したと判断された場合に初めて反則となります。

「プレーに関与」の3パターンとは

パターン内容具体例
①プレーに干渉するボールに触れてプレーに参加するオフサイドポジションでパスを受けてシュートを打つ
②相手に干渉する相手の視線・動き・プレーを妨げるGKの視線を遮る位置に立ちシュートが入る
③利益を得るオフサイドポジションを利用してこぼれ球を拾うポストや相手GK・DFに当たって跳ね返ったボールをオフサイドポジションで受ける

①は最もわかりやすいケースです。②と③は判断が難しく、現場の主審や映像を確認するVARの判定が分かれることもあります。特に③の「こぼれ球」については、跳ね返りが「偶然」か「意図的なセーブ」かによって扱いが変わる場合があります。

オフサイドにならないケース

スローイン・ゴールキック・コーナーキックからのプレー

以下のセットプレーから直接ボールを受ける場合は、オフサイドポジションにいてもオフサイドになりません。

プレーオフサイド適用
スローイン適用なし
ゴールキック適用なし
コーナーキック適用なし

これらは守備が整っていない状況やボールがライン外から戻ってくる場面であるため、特例として除外されています。コーナーキックでゴール前に選手が密集しても反則にならないのはこのルールによるものです。

自陣(ハーフウェーライン上・後方)にいるとき

オフサイドは相手陣内(ハーフウェーラインより前)でのみ適用されます。自陣にいる選手はどれだけ後方にいる相手選手よりゴールに近くても(相手陣内に入っていない限り)オフサイドにはなりません。

ハーフウェーライン上にいる場合もオフサイドポジションには該当しません。

相手より後ろ・同じ位置にいるとき

最後から2番目の相手選手と同じラインにいる場合(体の判定部位が同一ライン上)はオフサイドではありません。また、それより自陣側(ゴールから遠い側)にいれば当然オフサイドにはなりません。

「少しでも前にいるとオフサイド」であり「同じ位置はセーフ」というのが現行ルールです。

オフサイドを取られた後はどうなる?

オフサイドが宣告された場合、守備側チームに間接フリーキック(IFK)が与えられます。直接フリーキックではなく「間接」である点に注意が必要で、間接フリーキックはキックした後に別の選手が触れないとゴールが認められません。

フリーキックの位置は、オフサイドを犯した選手がいた場所(または反則が起きた位置)から行われます。ゴール前でのオフサイドの場合はゴール近くからの守備側のフリーキックとなり、攻撃側にとっては大きなチャンスを失うことになります。

なお、オフサイドの反則があった場合でも、主審が「アドバンテージ(プレーを続けた方が守備側に有利)」と判断した場合はプレーをそのまま続けさせることができます。ただしオフサイドでアドバンテージが適用されるケースは稀です。

VAR・半自動オフサイド技術(SAOT)とは

近年のサッカーでは、オフサイドの判定精度を上げるための技術が急速に進化しています。

VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は、試合映像を複数カメラで記録し、オフサイドなどの判定に疑義がある場面を映像で確認する仕組みです。主審がオフサイドを見逃した場合やVARが「明らかな誤り」と判断した場合に介入し、判定を覆すことがあります。

VARの導入によってオフサイドの見逃しは大幅に減少しましたが、映像確認に時間がかかりゲームが中断するという課題も指摘されています。

SAOT(半自動オフサイド技術 / Semi-Automated Offside Technology)は、2022年カタールワールドカップから本格導入された最新システムです。スタジアムに設置された複数の追跡カメラと、ボールに内蔵されたセンサーを組み合わせ、選手の体の各部位(最大29ポイント)の位置をリアルタイムで3D計測します。

これによりオフサイドの判定が数秒〜十数秒で完了するようになり、VARによる長い映像確認の時間が大幅に短縮されました。

オフサイドのルールは変わる?ベンゲル案を解説

FIFAチーフ・オブ・グローバル・フットボール・ディベロップメントのアーセン・ベンゲル(元アーセナル監督)は、現行のオフサイドルールの改定を提唱しています。「ベンゲル案」と呼ばれるこの提案は、世界中のサッカーファンや関係者の間で大きな議論を呼んでいます。

現行ルールとの違い

現行ルールでは、攻撃側の選手の体の一部(腕・手を除く)が最後から2番目の相手選手よりも1ミリでもゴール寄りにあればオフサイドと判定されます。VARとSAOTの普及により、肩や爪先数センチの差でゴールが取り消されるケースが続出し、攻撃側に不利という批判が高まっています。

ベンゲル案は「攻撃側の得点できる体のどこか1か所でも守備側の最後から2番目の選手と同じラインまたは後ろにあればオンサイドとする」という内容です。現行は「体のいずれかの部位が少しでも前に出たらオフサイド」ですが、ベンゲル案では「体のどこかが後ろにかかっていればオンサイド」と攻撃側に大きくアドバンテージを与える内容になっています。

現行ルールベンゲル案
判定基準体の一部でも相手より前にいればオフサイド体のどこかが相手と同じか後ろにあればオンサイド
数センチの差オフサイドになるオンサイドになる
有利になる側守備側攻撃側

試験導入

国際サッカー評議会(IFAB)はベンゲル案をベースとした新オフサイドルールについて、FIFA主導の試験導入を承認しました。カナダ・プレミアリーグ(CPL)が世界初のプロリーグとして2026年シーズンに試験運用を行う予定で、データ収集と分析が進められています。

トップリーグや国際大会への本格導入が検討されるかどうかは、試験結果をもとに判断される見通しです。

導入のメリット・デメリット

メリットデメリット
数センチの差でゴールが取り消されるシーンが減る守備側が戦術的に不利になる可能性がある
攻撃的なサッカーが増え試合が面白くなるオフサイドトラップが機能しにくくなる
VARの確認時間をさらに短縮できる現行ルールに慣れた選手・監督の混乱が予想される
判定の「わかりやすさ」が向上する大量得点が増え、ゲームバランスが崩れる懸念がある

オフサイドに関するよくある質問(FAQ)

オフサイドについてよく寄せられる疑問を、Q&A形式でまとめました。

オフサイドはGK(キーパー)も人数に数える?

はい、GKもオフサイドの基準となる「最後から2番目の相手選手」の人数に含まれます。

通常の場面ではGKが最後の1人(ゴールライン手前)、その前にフィールドプレーヤーのDFが1人並んでいる状況が「最後から2番目のDF=オフサイドラインの基準」となります。

GKが自陣を離れて前に上がっている場合(コーナーキックなど)は、GKが最後から2番目の選手になることもあり、オフサイドラインがより前に設定されます。

手や腕はオフサイドの判定に含まれる?

含まれません。オフサイドの判定に使われる体の部位は「得点に関与できる部分」に限られており、手・腕はこれに該当しません。

腕が相手より前に出ていてもオフサイドにはならず、頭・胴体・足などの部位のみで判定されます。この点はFIFAのルールブック(競技規則)にも明記されています。

オフサイドポジションにいるだけで反則になる?

なりません。オフサイドポジションにいること自体は反則ではなく、そこからプレーに関与(ボールに触れる・相手を妨害する・こぼれ球を拾うなど)した場合にのみ反則となります。

たとえばオフサイドポジションにいる選手を無視して別の選手がプレーを続ける場合は、そのままプレーが続きます。

ドリブルで持ち込んだ場合もオフサイドになる?

なりません。自分でドリブルしてボールを運んでいる場合は、オフサイドポジションへ入ったとしても反則にはなりません。オフサイドはあくまでも「味方からのパス(プレー)を受けた際」の概念です。

自分でボールを持って走り込む場合は相手DFと1対1の状況でも合法です。