ラグビー

ラグビーのルールを初心者向けに解説!得点・反則・ポジションの基本

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ラグビーは楕円形のボールを使い、15人対15人で戦う球技です。激しいタックルや肉弾戦のイメージが強い一方、独特の用語やルールが多く「観ても何が起きているのかわからない」と感じる方も少なくありません。

ラグビー観戦では、まず3つの基本を押さえるだけでも試合の流れを追いやすくなります。複雑そうに見える反則も、その理由がわかれば意外とシンプルです。

この記事では、ラグビーの基本ルールから得点方法、ポジション、スクラムやラックなどの代表的なプレー、よく見る反則まで初心者向けにまとめました。

ラグビーの試合形式

まず試合の基本的な形式を確認しておきましょう。ラグビーには15人制・7人制など複数の形式がありますが、ワールドカップや国内最高峰のリーグワンなどで行われるのは15人制(ラグビーユニオン)です。

  • チーム人数:15人対15人(控え選手最大8人)
  • 試合時間:前半40分+後半40分の計80分(ハーフタイムは15分以内)
  • フィールドサイズ:最大横70m×縦100m(トライラインからトライラインまで)、トライゾーンは最大22m

原則として、80分を過ぎてもプレーが継続している場合はボールがデッドになるまで試合が続きます。時間内に与えられたペナルティやラインアウトなど、一部は80分を過ぎても再開できます。終了間際の攻防が白熱しやすい理由のひとつです。

ラグビーの基本ルール

ラグビー観戦を始めるなら、まず次の3つを覚えておくと試合が理解しやすくなります。

① ボールを前にパスしてはいけない

ラグビーでは、ボールを手でパスするとき横か後ろへしか投げられません

ボールが相手ゴール側(前方)へ飛ぶパスは「スローフォワード」という反則です。走りながら後ろへ投げても、ボールの軌跡が前に見えることがあるため、判定が難しい場面も多い反則です。

この制約があるため、チームは横・後方にパスをつなぎながら攻撃を組み立てます。前に進むには、ボールを持った選手が自分で走るか、キックを活用するしかありません。

② ボールを前に落としてはいけない(ノックフォワード)

ボールを手や腕に当てて前方へ落とす行為を「ノックフォワード(旧称:ノックオン)」と呼び、反則になります。パスをキャッチしようとして弾いた場合や、タックルを受けてボールを前に落とした場合が典型例です。

自分が落としたボールが地面や他の選手に触れる前に自分でキャッチし直せた場合は反則になりません。ただし後方への場合と違い、ほんのわずかでも前方へ向かったと判断されれば反則です。

③ ボールより前にいる選手はプレーに参加できない(オフサイド)

ラグビーでは、味方のボールキャリアより前方(相手ゴール側)にいる選手は、原則としてプレーに参加できません。この状態を「オフサイド」と呼びます。オフサイドの位置にいるだけでは直ちに反則とはなりませんが、そこからボールをプレーしたり相手のプレーを妨害したりするとペナルティの対象になります。

試合中に「なぜあの選手は動けないのか」と思う場面の多くは、このオフサイドの制約によるものです。オフサイドの選手は、最後にボールをプレーした味方より後方へ戻るなどして、オンサイドになるまではプレーに参加できません

試合でよく見るプレー

ラグビー観戦でよく目にする「スクラム」「ラインアウト」「ラック・モール」はそれぞれ役割が異なります。セットプレー(スクラム・ラインアウト)はプレーの再開方法、ラックとモールはプレー中に自然発生する攻防です。

スクラム

スクラムは、ノックフォワードやスローフォワードなどの反則が起きた場合や、ラックなどでボールがプレーできなくなった場合に行う再開方法です。両チームのフォワード8人ずつが低い姿勢で互いに組み合い、足元に投入されたボールの争奪を行います。

フッカーはスクラム最前列の中央に位置し、足でボールを後方へ送り出す役割を担います。チーム全体で相手を押し込むことができればボールを有利に確保しやすくなるため、フォワード陣の体格・技術・連携が問われる局面です。

ラインアウト

ラインアウトは、ボールがタッチライン(サイドライン)の外に出たときに行う再開方法です。原則として最後にボールへ触れてタッチへ出したチームの相手側がラインの外からボールを投げ入れます。

ただし、ペナルティキックをタッチへ蹴り出した場合など、蹴った側が投入権を持つ例外もあります。

現代のラグビーでは、ラインアウト時に味方の選手を高く持ち上げる「リフティング」が一般的です。高さを出した選手がボールをキャッチし、自チームのボールとして確保します。コールサイン(合図)による連携が重要で、どの選手を何番目に並べるかという戦術的な要素も大きい場面です。

ラック・モール

ラックとモールはいずれも複数の選手が密集してボールを争うプレーです。大きな違いはボールが地面にあるか(ラック)、選手が保持したまま立っているか(モール)という点です。

ラックはタックル後などにボールが地面にある状態で、両チームから少なくとも1人ずつの選手が立ったまま接触し、ボールの支配を争うフェーズです。ラックが形成されると、参加している選手は原則として手でボールを扱えません。ボールを自陣側へ確保した後は、スクラムハーフなどが取り出して次の攻撃へとつなぎます。

モールは、ボールキャリアが倒れずに立ったまま、両チームから少なくとも1人ずつの選手がバインドして密集している状態です。タックル後だけでなく、ラインアウト後に形成されることも多くあります。モールでは集団が一体となって前進できるため、トライライン付近での得点機に多く用いられます。

プレー発生状況ボールの位置主な目的
スクラム反則・プレー不能地面(スクラム内)プレーの再開
ラインアウトボールがタッチラインの外へ空中(投げ入れ)プレーの再開
ラックタックル後など・ボールが地面に地面ボール争奪
モールタックル後・ラインアウト後など選手の手中ボール保持・前進

ラグビーの得点に関するルール

ラグビーには、トライ・コンバージョンキック・ペナルティゴール・ドロップゴールの4つの通常の得点方法に加え、反則によって与えられるペナルティトライがあります。

出現頻度は低めですが、ドロップゴールはプレー中にドロップキックでゴールを狙う得点方法です。

得点方法点数条件
トライ5点相手のトライゾーンにボールをグラウンディング
コンバージョンキック2点トライ後のキックがゴールを通過
ペナルティゴール3点相手の反則後のキックがゴールを通過
ドロップゴール3点プレー中のドロップキックがゴールを通過
ペナルティトライ7点相手の不正なプレーがなければトライになったとき
またはより有利な位置でトライできた可能性が高いとレフリーが判断した場合

トライ(5点)

トライは、相手チームのトライゾーン(旧称:インゴールエリア)の地面にボールをグラウンディングすることで5点を獲得します。ボールを持っている場合は、ボールを地面に触れさせればよく、必ずしも強く押しつける必要はありません。

なお、相手の不正なプレーがなければトライになった、またはより有利な位置でトライできた可能性が高いとレフリーが判断した場合は「ペナルティトライ」が与えられ、7点が加算されます。この場合コンバージョンキックは行いません。

コンバージョンキック(2点)

トライ後は、コンバージョンキックを1回行う権利が与えられます。ゴールポストのクロスバーを越え、2本のアップライトの間をボールが通過すれば2点です。

キック位置は、トライした地点を通るタッチラインと平行な線上から選択可能。トライの5点と合わせれば合計7点となります。

ペナルティゴール(3点)

相手チームの反則によってペナルティを得た場合、反則を受けた側はゴールを狙うことができます。キックが成功すると3点を獲得します。

試合終盤の接戦ではペナルティゴールの3点が勝敗を左右することも多く、ゴールを狙うかタッチへ蹴るかスクラムを選ぶかがチームの判断どころです。

ラグビーのポジション一覧

15人制ラグビーの選手は、スクラムやラインアウトを主な仕事とする「フォワード(FW)」8人と、パスやキックで攻撃を組み立てる「バックス(BK)」7人に分かれます。背番号1〜8がフォワード、9〜15がバックスです。

背番号ポジション主な役割
1・3プロップスクラム最前列を支える土台。1番は左プロップ、3番は右プロップ
2フッカースクラムでボールを足でかき出す。ラインアウトではボールを投入するスロワーを務めることが多い
4・5ロックスクラムの第2列で前の選手を押す。ラインアウトではジャンパーとしてボールを取る
6・7フランカーラックやモールでボールを争奪し、タックルなどボール周辺で激しく動き回る
8ナンバーエイトスクラム最後尾。FWとBKをつなぐ役割を担い、突破力も求められる
9スクラムハーフスクラムやラックからボールを取り出し、攻撃につなぐ役割
10スタンドオフ(フライハーフ)攻撃全体を指揮。パス・キック・ランを使い分けてチームをコントロールする
11・14ウィング両サイドに位置し、スピードを生かしてトライを狙う
12・13センター攻守の中心。相手の防御を突破しつつ、タックルでも存在感を発揮する
15フルバック最後尾でチームを守る。相手のキックを処理し、好機には攻撃にも加わる

スタンドオフはJRFUの日本語名称で、World Rugby公式英語表記では「Fly-half(フライハーフ)」とも呼ばれます。テレビ解説では両方の呼び方が使われます。

覚えておきたい主な反則

ラグビーでは、反則や違反の内容によって試合の再開方法が異なります。ノックフォワードやスローフォワードでは主にスクラム、より重大な反則ではペナルティキックとなるのが基本です。このほか、フリーキックで再開するケースもあります。

ノックフォワード(旧称:ノックオン)

ノックフォワードとは、選手がボールを落としたり手・腕に当てたりしてボールが前方へ進み、自分で再びキャッチする前に地面や他の選手に触れることです。日本ラグビーフットボール協会は2025年から「ノックオン」を「ノックフォワード」に改称しており、World Rugbyの現行英語規則でも「Knock forward」と表記されています。

ただし、ボールが一瞬前方にこぼれても、地面や他の選手に触れる前に自分でキャッチし直せた場合は反則になりません。通常の再開は相手ボールのスクラムです。なお、故意のノックフォワードはペナルティとなる場合があります。

スローフォワード

ボールを前方に向かってパスする行為で、通常は相手ボールのスクラムで再開します。判定の基準は「ボールが最終的にどこへ飛んだか」ではなく、「パスした選手の腕が前方へ動いたかどうか」です。

選手が前へ走りながら後方へパスすると、勢いによってボール自体は前へ進んで見えることがあります。ただし、ボールを放す際にパスする選手の腕が前方へ動いていなければ、スローフォワードにはなりません。なお、故意にボールを前方へ投げたりパスしたりした場合は、ペナルティとなります。

オフサイド

プレーに参加できない位置(オフサイドポジション)から積極的にプレーした場合に取られる反則で、ペナルティキックが与えられます。

ラグビーにはさまざまなオフサイドラインがありますが、基本の考え方は「味方のボールキャリアや最後にボールをプレーした味方より前方にいる状態でプレーしてはいけない」というものです。

スクラム・ラック・モール・ラインアウト中にも各プレー固有のオフサイドラインが設定されており、そこから外れると反則になります。試合中に笛が鳴っても理由がわかりにくいときは、オフサイドである可能性が高いです。

再開方法は?

ノックフォワード・スローフォワードは、原則として反則を受けた側がボールを投入するスクラムで再開されます。一方、オフサイドなどペナルティに当たる反則の場合は、反則を受けた側がペナルティキックを選択できます(ゴールを狙う・タッチへ蹴る・スクラムを選ぶなど)。

反則の種類主な内容再開方法
ノックフォワードボールを前方に落とす相手チームのスクラム(原則)
スローフォワードボールを前方にパスする相手チームのスクラム(原則)
オフサイドプレーできない位置からプレーペナルティキック
ノットリリースタックルされた選手がボールを離さないペナルティキック
ハイタックル規定された高さを超える、または頭部接触を伴う危険なタックルペナルティキック(状況によりカード)

アドバンテージとは?

反則が起きてもレフリーがすぐに笛を吹かず、試合をそのまま続ける場面があります。これが「アドバンテージ」と呼ばれるルールです。反則を受けた側が有利な状況でプレーを続けている間、レフリーは「利益を得た(アドバンテージが終わった)」と判断するまで試合を続行させます。

今ノックフォワードしたのに、なぜ試合が続いているのか」と感じる場面の多くがこのアドバンテージです。アドバンテージが成立しなかった場合は反則の地点に戻り、元の反則に対する再開方法(スクラムやペナルティキック)が適用されます。

※本記事はWorld Rugby競技規則およびJRFU(日本ラグビーフットボール協会)の2025〜2026年版規則・用語変更を参照しています。大会・カテゴリによって細部が異なる場合があります。