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第74回全日本大学野球選手権大会の視聴方法!テレビ放送/配信情報を解説!

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大学野球界最高峰の舞台が、今年も日本野球の聖地で開催されます。

1952年(昭和27年)に創設され、73年の歴史を誇る全日本大学野球選手権大会は、プロ野球を目指す選手たちにとって最も重要な登竜門の一つです。

全国27の連盟代表校が激戦を繰り広げる第74回全日本大学野球選手権大会について、詳細な視聴方法から大会の魅力まで徹底解説します。

目次

第74回全日本大学野球選手権大会の概要

大学野球界の頂点を決める第74回全日本大学野球選手権大会は、2025年6月9日から15日まで7日間の熱戦が繰り広げられます。

アマチュア野球の聖地の明治神宮野球場と東京ドームの2会場です。

今大会は負けたら終わりのトーナメント方式で開催され、1回戦・2回戦は明治神宮野球場と東京ドームの両会場で実施されますが、準々決勝以降は明治神宮野球場に舞台を移して日本一が決定されます。

開催期間2025年6月9日(月)~6月15日(日) ※雨天順延あり
開会式2025年6月8日(日)14:30~ 明治神宮会館
会場明治神宮野球場、東京ドーム(6/9~6/11のみ)
出場校27校(全国27連盟の代表)
主催全日本大学野球連盟、読売新聞社

今大会の抽選会は5月8日(木)15:00~に名取ビル内会議室で行われ、中京大学主将が選手宣誓を行います。

始球式には第24回大会優勝校・駒澤大学出身の中畑清氏が登場予定です。

大会は前回大会優勝・準優勝連盟が第1シード、前回大会ベスト4と過去10大会で優勝校を最も多く輩出した連盟が第2シードとして配置されるシード制が採用されており、より実力のある大学同士の対戦が後半戦で実現される仕組みになっています。

歴代優勝回数では法政大学が8回で最多優勝を誇り、駒澤大学が6回、明治大学と青山学院大学が6回と続いています。

第74回全日本大学野球選手権大会の視聴方法

第74回全日本大学野球選手権大会は、J SPORTSオンデマンド、J SPORTS、ABEMA de J SPORTS、NHKBSで視聴できます。

全試合の生配信・生中継が実施され、決勝戦はNHK BSでも放送されます。

J SPORTSオンデマンド

J SPORTSオンデマンド

J SPORTSオンデマンドは、スマートフォン・PC・タブレットなどでいつでもどこでも視聴できるインターネット配信サービスです。

全試合ライブ配信と見逃し配信に対応しています。

J SPORTSオンデマンドの料金プラン

J SPORTSオンデマンドの料金プランは「総合パック」と「ジャンルパック」の2種類から選択できます。

パック名月額料金(税込)U25割(税込)特徴
野球パック2,580円1,290円広島東洋カープ、横浜DeNAベイスターズの試合を全試合配信など
総合パック2,980円1,490円野球、サッカー、ラグビーなどの様々なスポーツを配信
※本記事の内容は、2025年7月時点の情報に基づいています。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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13歳以上25歳以下のお客様が対象で、総合パックおよびジャンルパックに適用されます。

J SPORTSオンデマンドの登録方法

  1. J SPORTSオンデマンド公式サイトにアクセス
  2. J SPORTS IDのアカウントを作成
  3. 希望のパックを選択し、決済情報を入力
  4. 支払い方法(クレジットカード、キャリア決済、楽天ペイ)を選択
  5. 登録完了後、すぐに視聴可能

J SPORTS

J SPORTSは、スカパー!やケーブルテレビ経由で自宅のテレビで視聴できます。

全試合生中継・録画放送に対応しています。

スカパーで視聴する場合の料金

項目料金(税込)
基本料429円/月
J SPORTS 1チャンネル1,430円/月
J SPORTS 4チャンネル2,944円/月

※セット契約やセレクトパックなど、複数の契約方法があります。

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決勝戦のみNHK BSで生中継されます。

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第74回全日本大学野球選手権 

期間2025年6月9日(月)から7日間 ※雨天順延
(開会式:6月8日(日) 14:30 明治神宮会館)
会場明治神宮野球場、東京ドーム(6/9-11のみ)
出場大学当連盟加盟27連盟の代表27チーム
大会方式ノックアウト方式のトーナメント戦
放送・配信J SPORTSオンデマンド J SPORTS ABEMA de J SPORTS NHKBS

第74回全日本大学野球選手権大会の出場校

2025年大会の出場校は全国27連盟から選出された27校です。

今回は初出場となる聖カタリナ大学と久留米工業大学の2校が注目されます。

また、大阪商業大学は出場辞退となりました。

地区連盟代表校出場回数
北海道学生野球連盟東京農業大学北海道オホーツク6大会連続21回目
札幌学生野球連盟北海学園大学4年ぶり21回目
北東北大学野球連盟青森大学17年ぶり11回目
仙台六大学野球連盟東北福祉大学3年ぶり37回目
南東北大学野球連盟東日本国際大学4大会連続18回目
千葉県大学野球連盟城西国際大学6年ぶり3回目
関甲新学生野球連盟上武大学2大会連続20回目
東京新大学野球連盟創価大学2年ぶり25回目
東京六大学野球連盟早稲田大学2年連続16回目
東都大学野球連盟青山学院大学3大会連続8回目
首都大学野球連盟東海大学3年ぶり40回目
神奈川大学野球連盟神奈川大学3年ぶり28回目
愛知大学野球連盟中京大学2大会連続21回目
東海地区大学野球連盟日本大学国際関係学部7年ぶり5回目
北陸大学野球連盟福井工業大学3大会連続46回目
関西学生野球連盟近畿大学2年ぶり32回目
関西六大学野球連盟大阪商業大学 ※出場辞退8大会連続15回目
阪神大学野球連盟大阪産業大学21年ぶり2回目
近畿学生野球連盟奈良学園大学7年ぶり22回目
京滋大学野球連盟佛教大学2大会連続24回目
広島六大学野球連盟近畿大学工学部3年ぶり31回目
中国地区大学野球連盟東亜大学4年ぶり12回目
四国地区大学野球連盟聖カタリナ大学初出場
九州六大学野球連盟西南学院大学2年ぶり8回目
福岡六大学野球連盟九州産業大学3大会連続24回目
九州地区大学野球連盟久留米工業大学初出場
南部九州大学野球連盟東海大学九州キャンパス2大会連続13回目

特に注目すべき出場校は、17年ぶりの出場となる青森大学、21年ぶりの復活を果たした大阪産業大学、そして前回優勝校として3大会連続8回目の出場となる青山学院大学です。

福井工業大学は3大会連続46回目と最多出場回数を誇り、東北福祉大学も37回目の出場を果たしています。

第74回全日本大学野球選手権大会の試合日程 ※随時更新

決勝戦

日時対戦カード開催球場
6/15(日)
14:00
東北福祉大
vs
福井工業大
明治神宮野球場

第74回全日本大学野球選手権大会のよくある質問

出場資格は?

全国27連盟の春季リーグ戦優勝校など、各地区の代表校が出場資格を持ちます。

各連盟の規定に基づき、学生野球資格を有する選手で構成されたチームが対象です。

出場枠は27校で、九州地区は南九州と北九州の2枠に分かれています。

2024年の優勝は?

2024年(第73回大会)は青山学院大学が2年連続6回目の優勝を果たしました。

青山学院大学は「第73回全日本大学野球選手権」と「第55回記念明治神宮野球大会」で優勝、「東都大学野球春・秋のリーグ戦」でも優勝し、史上5校目となる大学4冠を達成しました。

大会MVPは佐々木泰主将、首位打者賞は中田達也外野手が受賞しています。

第74回全日本大学野球選手権大会 試合結果と主な試合内容

1回戦 奈良学園大vs東海大九州

試合日6月9日
試合結果〇奈良学園大 3 – 1 東海大九州✕
勝利投手平野 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手江口 (0勝1敗0S)
本塁打東海大九州キャンパス:山下 1号(3回表ソロ)
奈良学園大:守 1号(9回裏2ラン)
バッテリー東海大九州キャンパス:江口 – 吉行
奈良学園大:八木、平野 – 守

戦評

◇第74回全日本大学野球選手権 奈良学園大3―1東海大九州(2025年6月9日 神宮)

全日本大学野球選手権が9日、神宮球場と東京ドームで開幕した。神宮球場での開幕試合は、奈良学園大が東海大九州をサヨナラ勝利で下し、2016年以来9年ぶりの初戦突破を決めた。

同点の9回1死二塁で「7番・捕手」の守優雅(4年)が左翼席へサヨナラ2ランを決めた。

「絶対に決めようと思っていました。うまく反応できましたし、風に乗ってくれました。勝てて本当に良かったです」

下関国際(山口)出身で、NPBスカウトも高く評価する強肩自慢の捕手。10日の2回戦は、前回大会王者の青学大との一戦。「日本一になるために倒さないといけない相手」と気持ちを引き締めた。

◇守 優雅(もり・まさみ)2004年(平16)2月9日生まれ、福岡市出身の21歳。小1からフェニックスクラブでソフトボールを始め、中学では福岡ペガサスに所属して投手を務める。下関国際(山口)では1年春に背番号5でベンチ入りし、1年秋から背番号2。3年春に甲子園初出場。奈良学園大では1年春からリーグ戦出場。1メートル78、84キロ。右投げ右打ち。

1回戦 東亜大vs創価大

試合日6月9日
試合結果〇東亜大11 – 0創価大✕
勝利投手藤井 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手山崎 (0勝1敗0S)
本塁打
バッテリー東亜大:藤井 – 池原
創価大:齋藤、山崎、上田、石田、田高 – 鈴木

戦評

「全日本大学野球選手権・1回戦、東亜大11-0創価大」(9日、東京ドーム)

今秋ドラフト1位候補の立石正広内野手(4年・高川学園)が主将を務める創価大が延長タイブレークの末に初戦で姿を消した。

両先発が好投し、九回までは緊迫した投手戦となった。立石は東亜大のスリークオーター右腕・藤井翔太投手(4年・嘉穂東)に対し内野安打1本を放つも4打数2三振。0-0の五回2死二、三塁の絶好機では変化球に空振り三振を喫した。

両軍無得点のまま延長に突入。八回から2番手で登板していたプロ注目の最速149キロ右腕・山崎太陽投手(4年・帝京第五)が、タイブレークの十回に野選で先制点を許すと、3本の適時打を献上し降板。後続の投手も負の流れを止められず、この回だけで4投手が登板し、まさかの11失点を喫した。

十回裏もマウンドに上がった藤井の前に無安打。創価大は昨秋の明治神宮大会で初の準優勝を果たしており主戦も多く残っていたが、無念の初戦敗退となった。

東亜大・藤井は10回140球を投じ3安打12三振で完封勝利と快投を見せた。

1回戦 上武大vs北海学園大

試合日6月9日
試合結果✕上武大4 – 5北海学園大〇
勝利投手髙谷 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手髙山 (0勝1敗0S)
本塁打北海学園大:井樫 1号(2回表ソロ)、柏原 1号(6回表2ラン)
上武大:岡村 1号(4回裏ソロ)
バッテリー北海学園大:工藤、木村、髙谷 – 新谷
上武大:井出、三村、山形、髙山 – 福田

戦評

◇報知新聞社後援 第74回全日本大学野球選手権▽1回戦 北海学園大5―4上武大(9日・神宮)

4年ぶり21度目出場の北海学園大(札幌学生)は、上武大(関甲新学生)を5―4で破り、今大会では1979年以来となる46年ぶりの勝利を挙げた。

2―4で迎えた6回表、代打・柏原翔太(3年=旭川実)が右翼線へ放った2ランで同点に。8回には相手の悪送球で勝ち越しに成功した。

プロ注目の159キロ右腕・工藤泰己(4年=北海)は先発したが、4回に先頭打者に4失点目となる右越本塁打を打たれて降板した。

1回戦 青森大vs東海大

試合日6月9日
試合結果✕青森大2 – 6東海大〇
勝利投手米田 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手坪田 (0勝1敗0S)
本塁打東海大:大塚 1号(1回表2ラン)
バッテリー東海大:米田、求、沼井、若山 – 柳、中森
青森大:坪田、小金井、藤澤、木村駿 – 鈴木颯大、中島

戦評

◆第74回全日本大学野球選手権 ▽1回戦 東海大6-2青森大(9日・東京ドーム)

3年ぶり40度目の出場となった東海大(首都大学)が青森大(北東北大学)に勝利し、初戦突破。2024年1月に就任した元巨人スカウト部長でOBの長谷川国利監督が、初の全国大会勝利を挙げた。

3番に座った主将で今秋ドラフト候補の大塚瑠晏(るあん)遊撃手(4年=東海大相模)が初回、右越えに先制2ランの活躍。第2、第3打席でも俊足を生かして内野安打をもぎ取り、ともに二盗を成功させるなど、ユニホームを真っ黒に躍動した。4打数3安打2打点と走攻守に輝いた。

史上5度目の優勝へ、縦じまの男たちがまずは第一歩を刻んだ。

1回戦 佛教大vs東農大北海道

試合日6月9日
試合結果〇佛教大8 – 5東農大北海道✕
勝利投手赤木 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手渡辺恵 (0勝1敗0S)
本塁打佛教大:小池 1号(2回表2ラン)、能登原 1号(4回表2ラン)
バッテリー佛教大:赤木、藤田、堀田 – 原
東農大オホーツク:渡辺恵、菊地、佐々木 – 北口

戦評

<全日本大学野球選手権:佛教大8-5東農大北海道オホーツク>◇9日◇1回戦◇神宮

佛教大が序盤のリードをものにして2大会連続の初戦突破を決めた。

序盤に一気に得点を重ねた。初回に能登原健生外野手(4年=神戸国際大付)が先制の2点適時二塁打を放つなど、4得点。2回に小池陸斗内野手(4年=和歌山商)の2ランで追加点を挙げる。さらに4回には能登原が2ランを放って7点リードに広げた。

先発でプロ注目の190センチ右腕、赤木晴哉投手(4年=天理)も好投。3回に押し出し死球で1点を失ったが、最少失点で切り抜ける。153キロもマークするなど、5回2安打1失点で降板。3年の全日本大学選手権、明治神宮大会に次いで3度目の全国マウンドで存在感を示した。

6回以降で4得点を奪われて、3点差まで詰め寄られたが、何とか振り切った。昨年に続いて2年連続での初戦突破。次戦は北海学園大と対戦する。

1回戦 福井工業大vs近畿大工学部

試合日6月9日
試合結果〇福井工業大4 – 2近畿大工学部✕
勝利投手土合 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手石津(0勝1敗0S)
本塁打近畿大工学部:行武 1号(3回表ソロ)、行武 2号(8回表ソロ)
福井工業大:髙松 1号(9回裏2ラン)
バッテリー近畿大工学部:伊藤、猪坂、石津 – 安野
福井工業大:藤川、土合 – 山川、鍛冶

戦評

<全日本大学野球選手権:福井工大4-2近大工学部>◇9日◇1回戦◇東京ドーム

劇的な幕切れに球場が沸いた。3大会連続46度目出場の福井工大(北陸)が、2大会連続で初戦突破。2-2の9回2死二塁の好機。指名打者で起用の4番・高松紳志外野手(4年=明徳義塾)が右翼スタンドに野球人生初となるサヨナラ弾をたたき込んだ。

「リーグ戦では、なかなかヒットが出ずに、チームに迷惑をかけたこともあったので、勝ちたいという気持ちが打球に乗ってくれました」と笑顔。頼れる主将がバットでも勝利へ導いた。

3打席目からバットを変えた。1打席目は左飛、2打席目は遊ゴロと凡退が続いていた。「『打たされる』という打席が続いたので、速い打球を打つために軽く長く、そのバットを短く持つ意識でした」と、84センチ900グラムのバットから、85センチ880グラムに変更。これが功を奏し、3打席目で遊撃手への内野安打。「ヒットが出たのでこのまま、このバットでいこう」と決断。これが、サヨナラ弾につながった。

2回戦では大産大(阪神)と対戦する。「この試合は自信につながったと思うので、追う展開になっても諦めない気持ちを大事にして、次も勝ちたいです」と意気込んだ。

1回戦 西南学院大vs聖カタリナ大

試合日6月10日
試合結果〇西南学院大13 – 3聖カタリナ大✕
勝利投手塚本 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手髙橋圭 (0勝1敗0S)
本塁打
バッテリー西南学院大:柳原、塚本 – 伊永
聖カタリナ大:髙橋圭、田中、岩川 – 福岡

戦評

<全日本大学野球選手権:西南学院大13-3聖カタリナ大>◇10日◇1回戦◇神宮

雨が降りしきる中、大勝で56年以来、69年ぶりの白星を手にした。西南学院大(九州6大学)が、初出場の聖カタリナ大(四国地区)に13-3のコールド勝ちを収めた。3-3の4回1死一、三塁の好機。3番・栗山雅也外野手(4年=東福岡)の右前適時打で勝ちこしに成功。「仲間がつないでくれたので、そのおかげでスイッチが入りました」と笑顔をみせた。

その後も勢い止まらず、5回には打者一巡の猛攻。この回だけで6安打7得点のビッグイニングで試合を決定づけた。チームは計16安打13得点。前回出場時の2年前には、天理大(阪神大学)に無安打無得点をされ、初戦敗退。東和樹監督(52)は「『まずはヒットを1本、打ちましょう』というところからでしたが、本当によく打ってくれました」とたたえた。

チームが大事する準備力が光った。「雨予報でしたが(試合は)あると思っていたので、スイッチを入れて試合を迎えられました」と栗山。チームは69年ぶりの勝利で初戦突破。「チーム内でも意識していたので本当にうれしいです」と口にした。

2回戦では日大国際関係学部(東海地区)と対戦する。過去7度の出場で最高成績は1回戦突破。まだ見ぬ景色を求めて戦う。

1回戦 近畿大vs神奈川大

試合日6月10日
試合結果〇近畿大8 – 0神奈川大✕
勝利投手野口 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手松平 (0勝1敗0S)
本塁打
バッテリー神奈川大:松平、本間、鈴木 – 岩本
近畿大:野口、宮原 – 岸本

戦評

<全日本大学野球選手権:近大8-0神奈川大>◇10日◇1回戦◇東京ドーム

学校創立100周年の近大が7回コールド勝ち。12安打8得点に無失点と快勝で初戦を突破した。

0-0の2回。2死三塁から岸本紘一捕手(3年=金光大阪)の中前打で先制すると、プロ注目の野手トリオが得点に貢献。2番勝田成内野手(4年=関大北陽)が2打席連続となる安打でつなぐと、満塁から3番野間翔一郎外野手(4年=大阪桐蔭)が押し出し四球を選ぶ。4番阪上翔也外野手(4年=神戸国際大付)も中堅超えに走者一掃の二塁打を放ち、リードを5点に広げる。

4回にも再び躍動。勝田が好機を広げて1死一、二塁から野間が初球を捉えて左翼フェンス上部直撃の適時二塁打。さらに二、三塁から阪上の二ゴロで三走の勝田が快足を生かして本塁へ生還した(記録は野選)。

勝田は3打数3安打2得点とチャンスメーク。野間は2安打2打点、阪上は1安打4打点とそろって全国の舞台で力を発揮した。同じくプロ注目左腕で先発の野口練投手(4年=星稜)は6回1安打無失点と好投。投打ががっちりとかみ合った。

主将も務める勝田は全方向に打ち分けての3安打。「初戦は緊張すると思ったので、まずは楽しもうと思いました。甘い球を見逃さずに積極的に振っていった結果いい方向に傾きました。プロに行きたいのでアピールしていい結果につながれば」とネット裏からチェックした12球団のスカウト陣に持ち味を発揮した。

近大は88、89年、97、98年と2度の連覇を誇る伝統校。記念すべき学校創立100周年の年に大勝で初戦を突破した。

光元一洋監督(50)は「このチームで結成した時から花を添えようなと話していた。いいスタートが切れた」と笑顔。勝田も「100周年ということでふがいない成績だとだめだと思っている。優勝してふさわしい結果で終わりたいと思っています」と頂点を見据えた。

1回戦 久留米工業大vs中京大

試合日6月10日
試合結果✕久留米工業大0 – 7中京大〇
勝利投手伊藤 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手林 (0勝1敗0S)
本塁打中京大:秋山 1号(3回裏ソロ)、金沢 1号(6回裏ソロ)
バッテリー久留米工業大:林、沖田 – 北野
中京大:伊藤、沢田 – 森瀬

戦評

<全日本大学野球選手権:中京大7-0久留米工大>◇10日◇1回戦◇東京ドーム

中京大が8回コールド勝ちで初戦を突破した。大学代表合宿にも選ばれている秋山俊外野手(4年=仙台育英)がソロ本塁打を含む3安打2打点とけん引した。

1-0の3回2死。甘く入ったスライダーを豪快にフルスイング。「打った瞬間、行ったと思った」と右翼席中段まで運ぶソロ本塁打となった。「打席の中でフルスイングで初球から振っていくのが持ち味。全国という舞台でもできたのでいい形につながった」と自信を深める1発となった。

5回の第3打席では逆方向の左中間に適時二塁打。4-0の8回には先頭で中前打を放ち、この回3得点でコールド勝ちへの足掛かりを作った。「初戦の入りが大事という中でコールドといういい形で終われて良かった」と快勝発進となった。

同学年のチームメートにプロ注目右腕の高木快大(はやと)投手(4年=栄徳)がいるが、「高木だけじゃなくて、秋山という名前も出していけばチームも強くなる。いいライバルになっている」と高め合う存在だ。昨年は全国8強止まり。目標の日本一へ、まずは最高のスタートを切った。

1回戦 東北福祉大vs九州産業大

試合日6月10日
試合結果〇東北福祉大4-2九州産業大✕
勝利投手櫻井頼 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手水﨑(0勝1敗0S)
本塁打東北福祉大:垪和 1号(3回表満塁)
九州産業大:中山 1号(4回裏ソロ)
バッテリー東北福祉大:櫻井頼、櫻井椿、猪俣 – 伊藤和
九州産業大:水﨑、髙野、佐藤、渡野、大嶋 – 尾形

戦評

<全日本大学野球選手権:東北福祉大4-2九産大>◇10日◇1回戦◇東京ドーム

東北福祉大(仙台6大学)が7年ぶりの「全国制覇」に向けて好スタートを切った。0-0の3回2死満塁の好機。垪和(はが)拓海内野手(4年=智弁学園)がフォークを捉え、左翼スタンドへたたきこんだ。満塁弾は公式戦初。「『思い切っていこう』と思った結果だったので最高です」と笑顔。この一発が6年ぶりの初戦突破に導いた。

先発のエース、桜井頼之介投手(4年=聖カタリナ学園)は121球の熱投。7回2/3を5安打9奪三振2失点。「大学では初の全国でふわふわした感覚をありましたが、イニングを重ねるごとに自分らしい投球ができました」と振り返った。大会屈指の好投手にNPBスカウト陣も注目。オリックス福良淳一ゼネラルマネジャー(GM)兼チーム編成部長も「右打者への内角もしっかり放れていて、良いピッチャーです」と絶賛した。

エースの降板後も投手陣が奮闘。8回2死一、二塁の場面に2番手で登板した桜井椿稀投手(1年=鶴岡東)が1点を許すも、逃げ切った。最後は猪俣駿太投手(3年=明秀日立)が3者凡退で締めくくり、初戦を飾った。


2回戦では昨年4強の東日本国際大(南東北)との“東北対決″に臨む。

2回戦 早稲田大vs東亜大

試合日6月10日
試合結果〇早稲田大12 – 2東亜大✕
勝利投手伊藤 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手藤井 (1勝1敗0S)
本塁打早稲田大:小澤 1号(4回裏2ラン)
バッテリー東亜大:藤井、司城、廣田、鞠子 – 池原
早稲田大:伊藤、髙橋煌 – 吉田

戦評

<全日本大学野球選手権:早大12-2東亜大>◇10日◇2回戦◇東京ドーム

前回大会準優勝の早大(東京6大学)が、6回コールド発進した。エース伊藤樹投手(4年=仙台育英)が初回にグラウンドに2度足を取られるアクシデントもあって先取点を与えるも、攻撃陣が奮起してすぐさま同点に追いついた。終わってみれば13安打12得点の猛攻を仕掛け、逆転勝利で初戦突破を決めた。

リーグ戦から好調を維持する主将が大きな1発を打ち上げた。小沢周平内野手(4年=健大高崎)は1点リードの4回2死二塁で変化球を捉え、右翼席中段まで運ぶ2ランを放った。リーグ戦から使う「魚雷バット」で伊藤樹を援護する追加点をもたらし「ライトフライだと思ったら、思ったより伸びましたね」と涼しげに笑った。

身長172センチ、体重74キロ。決して大柄ではないが、健大高崎(群馬)では通算52本塁打をマーク。高校時代と比べて長打よりも「つなぐ意識で」を心がけ、今季のリーグ戦では自己最高となる打率3割7分7厘と攻撃をけん引した。重圧のかかる全国舞台の初戦で、昔取ったきねづかが生きた。「飛ばす力は高校時代に身に付けたものなので、高校時代のものは生きています」と力を込めた。大勝発進に貢献した打線に、小宮山悟監督(59)も「今日は打線が機能したんでよかったです」とほめたたえた。

2回戦 東海大vs城西国際大

試合日6月11日
試合結果〇東海大8 – 1城西国際大✕
勝利投手庄田 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手晒谷 (0勝1敗0S)
本塁打城西国際大:藤本 1号(4回表ソロ)
東海大:兼松 1号(2回裏3ラン)
バッテリー城西国際大:晒谷、越智、西村 – 藤本
東海大:田近、庄田、庄司、若山 – 柳

戦評

<全日本大学野球選手権:城西国際大1-8東海大>◇11日◇2回戦◇東京ドーム

東海大が7回コールドで、19年以来6年ぶりに8強進出を決めた。

2回に8番兼松実杜(みっと)外野手(2年=東海大甲府)の3ランで先制すると、3回に笹田海風内野手(3年=東海大相模)の2点適時打で加点。4回は打者9人の猛攻で3点を入れて突き放した。

元巨人スカウト部長の長谷川国利監督(62)は、兼松について「あの1本で試合の流れを変えた。もともとクリーンアップを打つ力がある選手。先週から内容が良くなっていた」と目を細めた。

松実(みっと)という名前の由来は、キャッチャーミットから。父慎二さん(50)が捕手をやってほしくて名付けたというが「キャッチャーは小学校まで」と笑わせた。次戦も「恐怖の8番」として存在感を発揮する。

今秋ドラフト候補の大塚瑠晏(るあん)内野手(4年=東海大相模)も、2試合連続の猛打賞となる3安打1打点をマークした。ソフトバンク近藤の動画を参考に、今春から重心を低く振り抜くフォーム改造に取り組み、好調を維持している。

長谷川監督は「見事ですね。守備もショートに飛べばOKという感じで、チームの負担が少なくなっている」と、3度の守備機会を軽快にさばいた。

攻守に分厚い布陣で、5度目の優勝を目指す。準々決勝で対戦する早大には、今春の練習試合では2-5で逆転負けした。長谷川監督は「早稲田さんは相手のミスや隙を突く集中力がある。自分たちがミスしないことがカギになる」と引き締めた。

東京6大学への特別な思いもある。「私が学生だった40年以上前、松前総長から『東京6大学に負けないように頑張れ』と教育を受けて野球をやってきた」と振り返る。打倒早大へ一丸で挑む。

2回戦 大阪産業大vs福井工業大

試合日6月11日
試合結果✕大阪産業大0 – 3福井工業大〇
勝利投手永田 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手高橋 (0勝1敗0S)
本塁打福井工業大:野口 1号(2回表3ラン)
バッテリー福井工業大:中本、永田、齊藤、向嶋、土合 – 辻本、山川
大阪産業大:高橋、竹内、田中康 – 小出

戦評

<全日本大学野球選手権:福井工大3-0大産大>◇11日◇2回戦◇東京ドーム

福井工大(北陸)の野口恭平内野手(3年=日章学園)が、4年ぶりの8強入りへ導く1発を打ち上げた。2回1死一、二塁から右翼席に先制3ランをたたき込んだ。序盤に3点の援護をもらった投手陣は先発の中本伸太朗投手(2年=明徳義塾)ら5人の継投で完封リレーしてみせた。

目の前で起こったアクシデントにも、野口は動じなかった。2回無死一塁ではバントを試みた山田久敬内野手(3年=智弁和歌山)の顔面にボールが直撃。うつぶせになって倒れた山田はしばらく起き上がることができず、担架で運ばれる事態となった。球場内が騒然とする中で「アイツは必ず戻ってくる」と信じ、しばらくたって治療から戻ってきた山田を見たことで不安はなくなった。「俺が決めてやるんだ」。強い気持ちで甘く入った浮いたカーブを捉え、右翼スタンドに運んだ。ガッツポーズを作りながら、ダイヤモンドを心地よさそうに1周した。

1回戦の近大工学部戦では高松紳志外野手(4年=明徳義塾)の劇的なサヨナラ弾で勝利を収め、この日も値千金の1発が試合を決めた。町田公二郎監督は「ホームランは最高のでき」とほめたたえた。

2回戦 近畿大vs中京大

試合日6月11日
試合結果✕近畿大0 – 5中京大〇
勝利投手大矢 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手有方 (0勝1敗0S)
本塁打中京大:西谷 1号(7回裏ソロ)
バッテリー近畿大:有方、増田、北見、宮原 – 岸本、山﨑
中京大:大矢、磯部、沢田 – 森瀬

戦評

<全日本大学野球選手権:中京大5-0近大>◇11日◇2回戦◇東京ドーム

中京大(愛知)が、近大(関西学生)に完封勝利し、2大会連続の8強入りを果たした。

先発の大矢琉晟投手(4年=中京大中京)が7回3安打無失点と好投。初回から151キロをマークすると、その後も150キロ超えを連発。12安打で初戦を勝ち上がった近大打線を封じた。8回から登板した磯部祐吉投手(2年=享栄)は1回1/3を無安打。153キロを計測し、球場を沸かせた。最後は9回1死走者なしから登板した沢田涼太投手(4年=享栄)が試合を締めくくった。

打線も奮闘。プロ注目の秋山俊外野手(4年=仙台育英)が適時三塁打含む2安打。3-0の7回1死走者なしでは、1番・西谷光世外野手(2年=中京大中京)が左翼スタンドにたたきこみ、追加点を奪うなど、投打がかみ合った試合となった。

2回戦 奈良学園大vs青山学院大

試合日6月12日
試合結果✕奈良学園大0 – 5青山学院大〇
勝利投手中西 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手矢川 (0勝1敗0S)
本塁打青山学院大:山口 1号(1回表ソロ)、渡部 1号(3回表2ラン)
バッテリー青山学院大:中西、渡辺、布施 – 渡部
奈良学園大:矢川、平野、近藤、城田 – 守

戦評

<全日本大学野球選手権:青学大5-0奈良学園大>◇12日◇2回戦◇神宮

大会史上初の3連覇を狙う青学大が奈良学園大(近畿)を下し、準々決勝進出を決めた。

今秋ドラフト上位候補のエース・中西聖輝投手(4年、智弁和歌山)が7回1安打無失点。許した安打は一回のみで、二回以降は一人の走者も出さない完全投球で勝利に貢献した。

2度の試合順延にも動じず、エースとしての役割を全うした。10日に予定されていた初戦が雨天により2度順延。ようやく初戦を迎えた王者・青学大のエース・中西が貫禄を見せた。一回に2番打者に左前打を浴び、味方の失策も絡んで2死二、三塁のピンチを迎えるが、ここをニゴロで切り抜けると、二回以降は圧巻の内容だった。

2回戦 北海学園大vs佛教大

試合日6月12日
試合結果〇北海学園大7 – 1佛教大✕
勝利投手工藤 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手合木 (0勝1敗0S)
本塁打
バッテリー佛教大:合木、赤木、堀場 – 原
北海学園大:工藤、長内、堀川、髙谷 – 新谷

戦評

<全日本大学野球選手権:北海学園大7-1佛教大>◇12日◇2回戦◇神宮

北海学園大(札幌学生)が67年ぶりの1大会2勝で8強入りを決めた。

初回から4イニング連続得点で流れを引き寄せ、先発の工藤泰己投手(4年=北海)が5回1失点と好投。6回からは3人のリリーフ陣でゼロを刻んで大差を付けた。

2安打7得点の打線をけん引したのは、2番の下向航(こう)外野手(4年=浦河)だ。スタメンのうち唯一の公立校出身ながら、4安打1打点2盗塁。「打撃コーチからとにかく胸を開かず、両目で見るようにと常に言われて、ずっと意識してバッティング練習からしてきたことが結果につながりました」と喜んだ。

2回戦 日本大国際関係学部vs西南学院大

試合日6月12日
試合結果✕日本大国際関係学部6 – 14西南学院大〇
勝利投手井村 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手林 (0勝1敗0S)
本塁打
バッテリー西南学院大:津田、塚本、井村、小金丸 – 伊永
日本大国際関係学部:竹内、佐藤、髙田、林、石黒、根本、大杉、真田 – 土橋

戦評

<全日本大学野球選手権:西南学院大14-6日大国際関係学部>◇12日◇2回戦◇神宮

69年ぶりの勝利を挙げた西南学院大(九州六大学)は日大国際関係学部(東海)に逆転勝ち。最大5点差をひっくり返して、同大初となる1大会2勝目を挙げた。

西南学院大は初回に1回戦で3打点の栗山雅也主将(4年・東福岡)が2死から二塁打でチャンスメーク。4番の矢野智也(3年・筑陽学園)が左翼への適時二塁打を放って幸先よく先制した。

4回に佐藤輝拓(3年・東筑)の中前適時打などで2点を奪取。3点を追う8回は無死満塁の好機をつくり奥村玲王(4年・八代)の右前適時打などで1点差に追い上げ、なおも無死満塁で合田侑聖(4年・海星)が中前へ勝ち越し打を放つなど、一挙8得点を挙げた。9回にも1点を追加した。

2回戦 東日本国際大vs東北福祉大

試合日6月12日
試合結果✕東日本国際大0 – 4東北福祉大〇
勝利投手堀越 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手阿字 (0勝1敗0S)
本塁打
バッテリー東北福祉大:堀越、櫻井頼 – 伊藤和
東日本国際大:阿字、谷地、岡本、永井 – 三井

<全日本大学野球選手権:東北福祉大4-0東日本国際大>◇12日◇2回戦◇神宮

東北福祉大が8強入りを決めた。

最速164キロ右腕・堀越啓太投手(4年、花咲徳栄高)が先発し、東日本国際大打線相手に150キロ前後の直球にスライダーなどを交え、6回5安打3四死球10三振無失点に抑えた。

「ゼロでいけたのはよかったけど、内容を見返したら、ボールが先行したり球数が多かったりだったので、まだまだ成長できるところがあるかなという内容でした」 山路哲生監督は「きょう勝つにはベストと考えて堀越を先発にした。初回にピンチを招いたし、4点目がなかなか取れず嫌な流れになりそうだった」と辛口採点だった。

準々決勝 北海学園大vs青山学院大

試合日6月13日
試合結果✕北海学園大0 – 5青山学院大〇
勝利投手ヴァデルナ (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手木村 (0勝1敗0S)
本塁打青山学院大:小田 1号(7回表2ラン)
バッテリー青山学院大:ヴァデルナ、鈴木 – 渡部
北海学園大:木村、髙谷 – 新谷、鈴木

戦評

<全日本大学野球選手権:青山学院大5-0北海学園大>◇13日◇準々決勝◇神宮

青学大(東都)が北海学園大(札幌)に勝利し準決勝進出を決めた。

4回2死三塁から中山凱内野手(1年=専大松戸)が中前適時打を放ち先制。5回にも1点を加え、2点リードで迎えた7回には1死三塁から相手投手の暴投で1点。なおも1死一塁から、ドラフト候補に挙がる小田康一郎内野手(4年=中京)が左越え2ランを放ち勝利を決定づけた。

好打者の勘がさえた。小田は「ホームランを狙っていい場面かと思った」と、2球目の変化球をわざとフルスイング。「真っすぐがきてくれ」と、狙い通りの球を捉え、神宮で初めて、という逆方向へ打球を飛ばした。「昨日のバッティングが引っ張りでタイミングがつかめていなかったので、今日は逆方向へアプローチしました」。

準々決勝 東北福祉大vs西南学院大

試合日6月13日
試合結果〇東北福祉大8 – 3西南学院大✕
勝利投手大森 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手津田 (0勝1敗0S)
本塁打西南学院大:新保 1号(2回裏2ラン)、松本 1号(3回裏2ラン)、小島 1号(6回裏ソロ)
バッテリー西南学院大:津田、井村、塚本、白石 – 伊永、青柳
東北福祉大:大森、櫻井椿、滝口、猪俣 – 伊藤和

戦評

<全日本大学野球選手権:東北福祉大8 - 3西南学院大>◇13日◇準々決勝◇神宮

前日の熱闘からわずか13時間47分後の試合も、東北福祉大(仙台6大学)が優勝した18年以来、7年ぶりの4強入りを果たした。

先発の大森幹大投手(4年=東海大相模)が5回まで無安打無失点。6回に安打を許して降板も、大学初となる全国のマウンドで試合をつくった。

 打線は2回無死一塁、新保茉良内野手(4年=瀬戸内)の右中間への2ランで先制に成功。3回にも3点を追加し、試合の主導権を握った。5-1の6回には、代打の小島慎也内野手(3年=帝京)が中越えソロ本塁打。チームは3本塁打を含む11安打で試合を制した。

準々決勝 早稲田大vs東海大

試合日6月13日
試合結果✕早稲田大3 – 12東海大〇
勝利投手米田 (2勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手宮城 (0勝1敗0S)
本塁打東海大:砂子田 1号(8回表満塁)
バッテリー東海大:米田、庄田、庄司 – 柳
早稲田大:宮城、越井、髙橋煌、安田、田和 – 吉田

戦評

<全日本大学野球選手権:東海大12 - 3早稲田大>◇13日◇準々決勝◇神宮

東海大が8回コールドで早大を破り、19年以来6年ぶり4強進出を決めた。

一時2点差まで詰め寄られたが、7回に4番柳元珍(4年=八王子)の2点打などで3点を加点。8回には代打・砂子田陽士(1年=八戸学院光星)の満塁本塁打で4点を入れて圧倒した。

元巨人スカウト部長の長谷川国利監督(62)は試合前に、打倒早大への思いを口にしていた。「私が学生だった40年以上前、松前総長から『東京6大学に負けないように頑張れ』と教育を受けて野球をやってきた」と振り返る。今春の練習試合は2-5で逆転負けした。長谷川監督は「早稲田さんは相手のミスや隙を突く集中力がある。自分たちがミスしないことがカギになる」と話していた。その言葉通り、最後まで集中力を切らさず、相手にスキを与えなかった。

準々決勝 中京大vs福井工業大

試合日6月13日
試合結果✕中京大1 – 2福井工業大〇
勝利投手藤川 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手磯部 (0勝1敗0S)
本塁打
バッテリー福井工業大:藤川、土合 – 山川、鍛冶
中京大:磯部、沢田、伊藤 – 森瀬

戦評

<全日本大学野球選手権:福井工業大2 - 1中京大>◇13日◇準々決勝◇神宮

福井工大が4年ぶりの4強進出を決めた。

4番高松紳志外野手(4年=明徳義塾)が同点の8回2死満塁から勝ち越し打を放った。初戦の近大工学部(広島6大学)戦でも同点の9回2死二塁からサヨナラ2ランをマークしたラッキーボーイ。大会前には「昨年、能登半島地震が発生し、多くの方が被災された。北陸の代表として多くの方に勇気を与えられるよう全力プレーで頑張ります」とコメントした。

準決勝 青山学院大vs東北福祉大

試合日6月14日
試合結果✕青山学院大5 – 8東北福祉大〇
勝利投手猪俣 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手中西 (1勝1敗0S)
本塁打東北福祉大:佐藤 1号(6回表2ラン)
バッテリー東北福祉大:櫻井頼、滝口、猪俣 – 伊藤和
青山学院大:中西、渡辺、鈴木 – 渡部

戦評

<全日本大学野球選手権:東北福祉大8-5青学大>◇14日◇準決勝◇神宮

7年ぶりの優勝を狙う東北福祉大(仙台6大学)が、史上初の3連覇を狙った青学大(東都)を逆転勝ちで下した。

力強いスイングで積極的に振りにいく強力打線で青学大を圧倒。佐藤悠太外野手(3年=報徳学園)が中越え2ラン本塁打を含む4安打3打点を挙げるなど、14安打8得点で青学大の好投手を攻略した。初優勝を狙う福井工大(北陸)は東海大(首都)に競り勝ち、4年ぶりの決勝進出を決めた。

想像もしていない景色だった。東北福祉大の佐藤は高々と上がった打球に「入ったな」と確信した。3安打1打点して迎えた6回の第4打席。2死二塁で内に甘く入った直球を見逃さず、バックスクリーンにたたきこんだ。「引いたら負けという攻めの気持ちが、いい結果につながりました」と振り返った。

一度は諦めかけた野球人生だった。野球を始めた頃から投手がメイン。だが高2の秋、右肘のけがをかばいながら投げたことで、右肩も故障。これが、佐藤の野球人生を大きく変えた。「バッティング投手でも全くストライクが入らなくなって」。イップスに陥り、大半をBチームで過ごした。「ここが限界か」。高校野球で終わることを考えた。

だが、当時の部長に野手への転向を勧められ、約8年の投手生活に別れを告げた。この決断が功を奏し、大学で花開いた。「ヒットやホームランを打つのがすごく楽しくて」。高校では味わえなかった感情だった。前向きな気持ちで第2の野球人生を切り開いた。

大会屈指の好投手もお構いなし。ドラフト上位候補の青学大・中西からは長打を含む3安打。「架空のすごいピッチャーを想像して、速い球や、すごいスライダーを打つという、いいイメージを持ってきました」。これが現実となった。7年ぶりの日本一まで、あと1勝。「ここまで来たら気持ちだと思うので、チーム全員で助け合いながら勝ちたいです」。頂点は、すぐそこだ。

準決勝 東海大vs福井工業大

試合日6月14日
試合結果✕東海大5 – 6福井工業大〇
勝利投手向嶋 (1勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手求 (0勝1敗0S)
本塁打福井工業大:髙松 2号(2回表ソロ)
東海大:大塚 2号(3回裏ソロ)、笹田 1号(8回裏ソロ)
バッテリー福井工業大:中本、向嶋、土合 – 辻本、山川
東海大:求、庄田、若山、米田 – 柳

戦評

<全日本大学野球選手権:福井工大6-5東海大>◇14日◇準決勝◇神宮

初優勝を狙う福井工大(北陸)が東海大(首都)に競り勝ち、4年ぶりの決勝進出を決めた。

福井工大にとって、ビハインドはむしろ有利な展開だった。0-2の2回、先頭の高松紳志外野手(4年=明徳義塾)が右越え本塁打。初戦のサヨナラ弾に続く、今大会2本目で逆転の口火を切った。ここまで4試合中、3試合が逆転勝ち。「『追う展開になっても』という意識はありましたし、逆に追われる方が怖かったです」。ここまでの戦いぶりが自信につながっていた。

今年のチームスローガンは「気」。主将も務める高松が考えた。「スター選手がいない中で勝つことを考えた時に、最後は気持ちだと思ったので、気持ちの強さ、根気強さを大事にしようと思いました」。これをしっかりと体現。諦めない気持ちの強さが生んだ勝利で、決勝へと駒を進めた。「決勝で勝たないと意味がないという言葉もあったので、部員133人、全員でつかみとりたいです」と初の頂点へ力をこめた。

▽福井工大・町田公二郎監督(元広島、阪神で活躍し、大学野球の監督として初優勝へ向け)「(優勝は)最後の結果。でも勝ちたいですね。常に言ってきた準備の大切さを大事にしながらいい試合展開にしたい」

決勝戦 東北福祉大vs福井工業大

試合日6月15日
試合結果〇東北福祉大8 – 1福井工業大✕
勝利投手櫻井頼(2勝0敗0S)
セーブ
敗戦投手藤川(1勝1敗0S)
本塁打東北福祉大:松本 2号(7回表ソロ)、小島 2号(8回表ソロ)
バッテリー東北福祉大:櫻井頼 – 伊藤和
福井工業大:藤川、永田、向嶋、齊藤 – 山川

戦評

<全日本大学野球選手権:東北福祉大8-1福井工大>◇15日◇決勝◇神宮

東北福祉大(仙台6大学)が、7年ぶり4度目の王者に輝いた。翌日16日に59歳の誕生日を迎える山路哲生監督(58)に「日本一」をプレゼントした。

2回に先制。3回にも守備の乱れで1点を追加し、なおも2死二、三塁の好機。新保茉良内野手(4年=瀬戸内)の中前適時打などで、さらに2点を追加。4回にも追加点を挙げ、6点リードを奪った。

6-1の7回には、松本大輝外野手(2年=智弁学園)が右中間に今大会2号目のソロ本塁打。終盤に入っても攻撃の手は緩めることはなかった。

前日の青学大(東都)との準決勝に続いて先発したエース桜井頼之介投手(4年=聖カタリナ学園)が1失点完投。「自分の役割はチームを勝たせることなので、達成できてよかったです」と笑顔。仲間に向けては「ありがとうの一言です」と話した。注目投手が名を連ねる投手陣を率いてきたエースが、全国の頂点へ導いた。

日本一の東北福祉大・山路哲生監督「頼もしい選手たち」決勝で投打に圧勝のナインを称賛

◆報知新聞社後援 第74回全日本大学野球選手権▽決勝 東北福祉大8―1福井工大(15日・神宮)

東北福祉大(仙台六大学)が福井工大(北陸大学)に15安打8得点で大勝し、2018年以来7年ぶり4度目の優勝を決めた。14日の準決勝で史上初の3連覇を狙った青学大(東都大学)を8-5で撃破した勢いそのままに、大学日本一の座へと上り詰めた。

山路哲生監督は優勝インタビューで「頼もしい選手たちでした。ここまで打てるとは思わなかったが、選手達が毎回毎回、あきらめずに得点できた」とナインをたたえた。

先発したプロ注目の最速151キロを誇る今秋ドラフト候補右腕・桜井頼之介(4年=聖カタリナ学園)が118球を投げ、7安打1失点で完投するなど、投打に圧倒。指揮官はナインに「東北福祉のプライドを持ってもらいたい。上を向いて野球をやろう」と呼びかけ、強豪が見事に復活。大学球界の頂点に立った。

東北福祉大のプロ注目右腕・桜井頼之介が胴上げ投手に「自分の名前の通り、頼られる選手に」

◆報知新聞社後援 第74回全日本大学野球選手権▽決勝 東北福祉大8―1福井工大(15日・神宮)

東北福祉大(仙台六大学)が福井工大(北陸大学)に15安打8得点で大勝し、2018年以来7年ぶり4度目の優勝を決めた。14日の準決勝で史上初の3連覇を狙った青学大(東都大学)を8-5で撃破した勢いそのままに、大学日本一の座へと上り詰めた。

先発したプロ注目の最速151キロを誇る今秋ドラフト候補右腕・桜井頼之介(4年=聖カタリナ学園)が118球を投げ、7安打1失点で完投勝利。胴上げ投手に輝いた。スライダーを武器に凡打の山を築き、最終回にも150キロを計測するなど、無尽蔵のスタミナも光った。

「自分の役割はチームを勝たせること。それだけを意識したい」とエース。大学日本代表候補にも挙がる右腕は「自分の名前の通り、頼られる選手になっていきたい」と、さらなる成長を誓った。

北陸勢初の悲願ならず…福井工大は準優勝 投手陣が打ち込まれ5回終了で6失点

<全日本大学野球選手権:福井工大1-8東北福祉大>◇決勝◇15日◇神宮

北陸勢初の悲願は持ち越しとなった。4年ぶり2度目の決勝に進んだ福井工大(北陸)の初優勝は、東北福祉大(仙台6大学)に阻まれた。

先発の藤川泰斗投手(3年=西城陽)が3回途中4失点で打ち込まれ、2番手の永田陽大投手(2年=球磨工業)も1回2失点と振るわなかった。3番手の向嶋大輔投手(3年=福井工大福井)が引き継ぎ落ち着いたが、5回終了時点で被安打11、6失点。難しい展開を余儀なくされ、7回、8回にもソロ本塁打を浴びて突き放された。

打線は相手エース桜井に5回まで無得点。6回1死二塁から池辺由伸内野手(3年=明徳義塾)の右翼線適時二塁打など意地を見せたが、試合をひっくり返すまでには至らなかった。

今大会は北陸勢初の頂点を懸け、全国の猛者たちを劇的な戦いで破り決勝へと駒を進めた。

4番高松紳志外野手(4年=明徳義塾)は初戦の近大工学部戦でサヨナラ2ラン、準々決勝の中京大戦では勝ち越し内野安打、さらに準決勝の東海大戦では逆転の口火を切るソロ本塁打をマーク。打のキーマンが輝けば、投げる方では初戦から抑えを任された土合章太投手(3年=北陸)が準決勝までの4試合全てに登板。鉄壁の防御で2度目の決勝に導いた。

思うような展開とはならなかったが「27個目のアウトを取ってゲームセットと言うまで」と町田公二郎監督(55)が掲げる信念を最後まで貫き通した。4年ぶりの準優勝。胸を張って福井に帰る。

第74回全日本大学野球選手権大会 表彰選手

最高殊勲選手賞佐藤 悠太(東北福祉大)
最優秀投手賞櫻井 頼之介(東北福祉大) 
23回、2勝、防御率 1.96
首位打者賞笹田 海風(東海大) 
15打数 8安打 打率.533 
(ベスト4のチームで、規定打席数は試合数×4)
敢闘賞高松 紳志(福井工業大)
特別賞西南学院大学

第74回全日本大学野球選手権大会 おすすめ情報一覧

侍ジャパン井端弘和監督 今秋ドラフト候補の創価大・立石について「将来が楽しみ」

侍ジャパンの井端弘和監督(50)が全日本大学選手権が開催されている神宮を訪れ、大学野球関係者にあいさつを行った。

今秋ドラフト候補の創価大・立石について「大学ジャパンに入ると思うんですけど、体は大きいですし、長打は打てるし、右方向に打てるし、今年からセカンドだし、将来が楽しみかなと思います」と期待を寄せた。今年7月の大学日本代表合宿(平塚)にも視察に訪れる予定。「まだ誰が入るかわからないので、あそこイコール、8割方プロに入っている選手が多いかなと思う。その先が楽しみ」と話した。

自身が亜大時代に出場した第46回全日本大学選手権は、決勝で近大に0-2で敗れた。「勝っていれば思い出ですけど、負けているんで。当時は東都代表は勝たないといけないというがあって。決勝で負けたので、どちらかというと苦い思い出かなと思います」振り返った。

全日本大学野球連盟の内藤雅之常務理事にあいさつした。「侍は、大学から代表が始まって、高校、U12、U15と続きます。最初が大学なので、良い試合をしてもらえたらと思います」とエールを送った。

北海学園大の最速159キロ右腕・工藤 4回途中4失点でKO 150キロ超え連発で場内どよめきも

「全日本大学野球選手権・1回戦、北海学園大-上武大」(9日、神宮球場)

北海学園大で今秋ドラフト候補の最速159キロ右腕・工藤泰己投手(4年・北海)が先発するも3回0/3を4安打4失点でKOとなった。

初回に2死二、三塁から変化球をたたきつける暴投で先制点を許すと、二回は四球から1死二、三塁を招いて中犠飛と適時打で2失点。四回は先頭に変化球を捉えられる右越えソロを浴びてマウンドを降りた。球場内のスピードガンはこの日最速155キロをマークし、コンスタントに150キロ越えを計測するも上武打線を抑えることはできず。うつむいたまま駆け足でベンチへと下がった。

巨人・吉村禎章編成本部長らが創価大・立石正広を視察 水野雄仁編成本部長代理「いろんな面で見ていきたい」

◆第74回全日本大学野球選手権 ▽1回戦 東亜大11-0創価大=延長10回タイブレーク=(9日・東京ドーム)

創価大(東京新大学)が東亜大(中国地区大学)に延長10回タイブレークの末、敗退。初戦で散った。

今秋ドラフト1位候補の立石正広内野手(4年=高川学園)は「3番・二塁」でスタメン出場。内野安打1本の4打数1安打に終わり、敗戦の責任を背負った。

「お互いに点が入らず、守備のチーム同士ということもあり、先に崩れた方が負けると思っていた。先に崩れて、自分たちが負けた」

ネット裏では各球団の編成トップ級も視察し、クロスチェック。巨人は吉村禎章編成本部長、水野雄仁編成本部長代理スカウト担当らが見守った。水野編成本部長代理は「元気にやってくれればいい。じっくり秋のリーグ戦も見ていかなきゃいけない。セカンドの守備もうまくこなしている。いろんな面で見ていきたい」と継続して視察する意向を示した。

大学選手権で必見の右腕!最速159キロ北の剛腕/抜群のバネと制球力誇る絶対的エース

秋に行われるドラフト会議に向けて、年間400試合以上のアマチュア野球を観戦し、ドラフト中継番組では解説も務めるベースボールライター西尾典文さんが、有望なアマチュア選手をレポートします。

今回は6月9日に開幕する全日本大学野球選手権で注目の本格派投手2人を取り上げます。

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福井工大 担架で搬送された選手がプレー続行 頭部付近への死球で一時騒然も スタンドから拍手 先制点呼び込む

「全日本大学野球選手権・2回戦、福井工大3-0大産大」(11日、東京ドーム)

福井工大・山田久敬内野手(3年・智弁和歌山)が死球を受けて担架に乗せられベンチへ下がる場面があった。

二回無死一塁の場面でバントを試みたが、すっぽ抜けた投球が顔付近に直撃し、ホーム上に倒れ込み動くことができず。担架が運び込まれ、目隠しの青いシートで囲われる形でベンチへと下がった。

状態が心配されたが、しばらくしてベンチから戻ってきた山田。一塁へ走って向かい、プレイを続行した。直後の1死一、二塁で、野口恭平内野手(3年・日章学園)が右越え3ラン。アクシデントがあった中で、大きな先制点を奪った。

試合終了までプレーした山田は「フェイスガードのあたりにボールが抜けてきました」と少し赤くなった右頰を指さした。死球直後から意識はハッキリしていたといい「動けたんですけど、頭付近だったので『動くな』と。全然行こうとしてました」。ベンチ裏で脳振とうの症状がないかなどを確認した後にプレーを続行した。

試合中にアクシデントが起こった際、患者に対する周囲からの刺激を減らすことや、処置に集中しやすい環境を整えるために目隠しのシートが使用されることがある。山田は「そこまで大げさにしなくても思いました」と苦笑いしたものの、選手の安全を優先した迅速な処置が行われていたことがうかがえる。

チームは準々決勝に進出。山田は「野口はめちゃくちゃ練習している選手なので、打ってくれてうれしかった。まず2つ勝てたことは良かったので、次も勝てるように準備したい」と意気込みを示した。

中京大・秋山に阪神スカウト10人態勢で熱視線 打率8割超!筒井スカウト「トップクラス」

「全日本大学野球選手権・2回戦、中京大5-0近大」(11日、東京ドーム)

2回戦3試合が行われ、中京大が近大を5-0で下し、2年連続の8強入りを果たした。阪神スカウトが10人態勢で視察する中、今秋ドラフト候補の秋山俊外野手(4年・仙台育英)が2安打1打点を記録して、今大会打率8割超えをマーク。東海大は城西国際大に8-1で七回コールド勝ち、福井工大は3-0で大産大を破った。

虎スカウト陣の熱い視線の先に中京大・秋山がいた。力感のない構えから、シャープなスイングを繰り出す姿が逸材であることを物語る。全国舞台で一躍、ドラフト注目株に名乗りを上げた。

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青学大・中西聖輝をスカウト陣絶賛 ヤクルト小川GM「投手の資質備わっている。評価高い」

<全日本大学野球選手権:青学大5-0奈良学園大>◇12日◇1回戦◇神宮

史上初の3連覇に挑む青学大(東都大学野球)の今秋のドラフト候補に挙がるエース、中西聖輝投手(4年=智弁和歌山)が7回1安打、8奪三振と好投した。

1点先制して迎えた1回。1死から、初球の真っすぐを左前打され走者を背負うと「これで緊張が溶けた」と、一気にギアを上げた。150キロ、143キロの真っすぐで、後続を打ち取り波に乗った。「初回はアドレナリンが出て。球が少し上ずっていたので修正した」と、2回には得意のフォークで3者空振り三振。真っすぐに、フォーク、スライダーにチェンジアップと精度の高い変化球で「偏らせないのが僕の投球」と、相手打者に的を絞らせず。低めに丁寧に投げ込み、無四球投球。3回に左越え3ランを放った女房役の渡部海捕手(3年=智弁和歌山)は「(今日の中西は)ほぼ完璧な内容で抑えられた」と振り返った。

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東北福祉大が先制 日米プロスカウト注目の堀越啓太は150キロ越え連発 6回10K無失点

非公式ながら最速164キロを誇り日米のプロスカウトが注目する、東北福祉大(仙台6大学)の堀越啓太投手(4年=花咲徳栄)が、全国初先発で6回112球の熱投を見せた。5安打10奪三振で無失点。立ち上がりの初球から8球連続で150キロ超え。1回は計26球中、18球が大台を超えた。先頭打者の5球目には154キロを計測。大学1年だった22年の同大会でも154キロをマークし、話題を呼んだ。

3回には1死一、三塁のピンチを招くも、相手の3番打者を空振り三振。4番打者は151キロで三ゴロに仕留めて、無失点で切り抜けた。

打線も3回に先制。1死二塁で、1番・辻村大我外野手(3年=龍谷大平安)の左前適時打で先制。四球を挟む4連打で3点を挙げ、ドラフト候補に名を連ねる東日本国際大(南東北)の先発、阿字悠真投手(4年=滋賀学園)をマウンドから引きずり下ろした。

東北福祉大・堀越 出た156キロ!初球から150キロ超連発 6回0封10K 阪神スカウト「プロでも使えるレベル」

「全日本大学野球選手権・2回戦、東北福祉大4-0東日本国際大」(12日、神宮球場)

2回戦4試合が行われ、東北福祉大も準々決勝に進出した。

大舞台で自慢の剛腕を披露した。今秋ドラフト1位候補の最速157キロ右腕・堀越啓太投手(4年・花咲徳栄)が今大会初登板で先発し、6回5安打無失点と好投した。

初回先頭の初球から8球連続で150キロ超え。1死一、三塁とするも2者連続三振を奪い、シャウトした。球数100球を超えた六回も150キロを計測し、スライダーなども駆使して10奪三振。ネット裏のスカウトのスピードガンではこの日最速156キロを記録した。

試合終了時間は午後10時を回るも、阪神は竹内球団副本部長らが最後まで残って視察。葛西スカウトは「スケール感がある。変化球も決まっているものはプロでも使えるレベル」と高評価した。

「0で抑えられたことはよかった。まだまだ成長できる」と堀越。全国の猛者を剛球で圧倒する。

早大、大会初のコールド負け…8強で姿消す 東海大に12失点で8回無念 小宮山監督「試合前の準備不足」

◇第74回全日本大学野球選手権大会第5日 準々決勝 早大3―12東海大(2025年6月13日 神宮)

4失策がすべて失点につながって、屈辱の12失点。16度目の出場で初のコールド負けを喫した。

「後手後手に回って思うようにならなかった。試合前の準備不足ということ」試合後、いつも通り会見場に現れた小宮山悟監督は淡々と話したが、はらわたは煮えくりかえっていた。三塁手の送球エラー、その後に適時打を浴びるなど自分の庭で信じられないミス。小沢周平主将も「準備不足、技術不足です。秋への課題がわかりました」と悔しさをかみ殺して話した。

昨年決勝で敗れた青学大へのリベンジも果たせず8強で終幕。「夏(の合宿)はパワハラ案件にならない程度に鍛え上げます。ヘドを吐くまで練習しろって話です」と指揮官は最後まで怒りは消えなかった。

「まさか…」東京六大学の名門のコールド負けにネットざわつく「なんでリーグ戦は優勝できたの」「東京六大学100周年にコールド負けですか」

◇13日 第74回全日本大学野球選手権準々決勝 早大3―12東海大(8回コールド)=神宮球場

東京六大学の名門、早大が東海大に大敗した。東京六大学の代表で初のコールド負けにネットもざわついた。

早大は3回に2点の先制を許し、序盤から追う展開が続いた。1―5の6回に徳丸の2点適時二塁打などで反撃ムードをつくったが、守りが乱れて終盤に大量失点。東海大打線に16安打を浴び、4失策も絡んで3―5から7回に3点、8回に4点を失った。今大会は決勝を除き、5回以降10点差、7回以降7点差でコールドになる。

4度の優勝誇る早大の衝撃的なコールド負けにX(旧ツイッター)では「まさか早稲田がコールド負けとは…」「コールド負けですか なんでリーグ戦は優勝できたのだろう」「早稲田コールド負けか…今の六大学の実力なのかもね。秋は頑張って欲しいもの」「早稲田、東京六大学野球連盟100周年の記念の年に本拠地神宮球場で4失策でコールド負けですか」などのコメントが相次いだ。