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開幕投手の決め方とは?決定の基準や決まる時期などもまとめて解説

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「開幕投手」は、シーズン最初の試合となる開幕戦に先発する投手のことです。

チームの「顔」ともいえる特別なポジションで、毎年春になると「今年の開幕投手は誰か」が大きな話題になります。ただ、そもそも誰がどのような基準で決めるのかを正確に知っている方は多くないかもしれません。

この記事では、開幕投手の仕組み・選考基準・発表時期と、2026年度の12球団一覧、プロ野球史に残る印象的なエピソードをあわせて解説します。

開幕投手とは

開幕投手とは、レギュラーシーズン初戦の開幕戦に先発する投手のことです。

一般的にはチームで最も信頼を置かれる投手が任されますが、監督の意図やチームへのメッセージが込められることも多く、ルーキーや復帰を期す選手が抜擢されるケースもあります。ここでは、開幕投手に関する基本的な仕組みを解説します。

決めるのは各チームの監督

開幕投手を誰にするかについて、NPB共通の選考基準はありません。通常は各球団の監督を中心とする首脳陣が、投手の実績や状態、ローテーションなどを考慮して決定します。

年明けやキャンプ前の早い段階で本人に伝えるケースもあれば、開幕直前まで公表しないケースもあります。監督の采配哲学や選手へのメッセージが色濃く出るのも開幕投手指名の特徴です。

開幕投手を決める基準

開幕投手の選考に公式な基準はありませんが、監督が判断する際に重視されるポイントはある程度共通しています。主な要素は以下のとおりです。

基準内容
チーム内での実績・信頼前年の成績やチームにおけるエース格としての評価
キャンプ・オープン戦での状態開幕前の練習試合での投球内容や体のしあがり具合
対戦相手との相性開幕カードの相手チームや打線との相性
ローテーション上の調整開幕後の登板間隔を考慮した先発ローテーションの組み方
精神的な強さ注目度の高い場面での安定感と経験

必ずしもチームの「エース」と呼ばれる選手が指名されるわけではありません。オープン戦で突出した成績を残したルーキーや、長期離脱からの復帰を期す選手が選ばれることもあります。

監督の意図が強く反映される指名であるため、その決定がそのままニュースになるケースも少なくありません。

開幕投手が決まる時期

開幕投手を内部で決定する時期と、公に発表する時期は必ずしも同じではありません。発表時期は球団によって異なり、2月のキャンプ期間中から3月のオープン戦期間中に公表されるケースがあります。

時期発表のパターン
2月(キャンプ中)監督が早々に指名を発表するケース。選手への動機づけや準備期間の確保が目的となることが多い
3月(オープン戦中)実戦での状態を確認してから発表するケース
開幕直前開幕前日など、直前まで公表しないケース

2026年度の開幕投手一覧

2026年シーズンは3月27日にセ・パ同時開幕しました。12球団のうち6人が初めて開幕投手を務め、巨人の竹丸和幸とロッテの毛利海大の2人は新人ながら大役を任されました。以下は2026年度の12球団の開幕投手一覧です。

セ・リーグ

セ・リーグでは、2025年ドラフト1位の巨人・竹丸和幸投手が、球団では1962年の城之内邦雄以来64年ぶりとなる新人開幕投手を務めました。

阪神を相手に6回1失点と好投して勝利投手となり、巨人の新人としては球団史上初となる開幕戦勝利を記録しました。また、竹丸と毛利が同じ開幕日にそろって新人として勝利投手となったのは史上初の出来事でした。

球団開幕投手回数
読売ジャイアンツ竹丸 和幸
阪神タイガース村上 頌樹2年連続2度目
横浜DeNAベイスターズ東 克樹3年連続4度目
東京ヤクルトスワローズ吉村 貢司郎
広島東洋カープ床田 寛樹
中日ドラゴンズ柳 裕也2年ぶり2度目

パ・リーグ

パ・リーグでは、千葉ロッテマリーンズの毛利海大投手(2025年ドラフト2位)が76年ぶりの新人開幕投手として話題になりました。福岡ソフトバンクホークスの上沢直之投手は5年ぶり3度目の大役を任されています。

球団開幕投手回数
福岡ソフトバンクホークス上沢 直之5年ぶり3度目
北海道日本ハムファイターズ伊藤 大海2年ぶり2度目
オリックス・バファローズ宮城 大弥3年連続3度目
東北楽天ゴールデンイーグルス荘司 康誠
埼玉西武ライオンズ渡邉 勇太朗
千葉ロッテマリーンズ毛利 海大

開幕投手に関するエピソード

開幕投手の指名は、時に大きなサプライズや予想外のドラマを生むことがあります。ここでは、プロ野球の歴史に残る印象的なエピソードを4つ紹介します。

3年間一軍ゼロからの指名!

出典:【公式】落合博満のオレ流チャンネル

2004年の中日ドラゴンズ開幕投手に指名されたのは、移籍後の3年間で一軍登板がなかった川崎憲次郎投手でした。

川崎投手はヤクルトスワローズ時代に最多勝など複数のタイトルを獲得したエース格でしたが、中日移籍後は故障により一軍復帰がかなわない日々が続いていました。そこに新監督として就任した落合博満監督がキャンプインを前に川崎投手へ電話をかけ、「2004年の開幕投手はお前でいくから」と直接告げたのです。

実に1,274日ぶりの一軍マウンドとなった開幕戦では、1回1/3を投げ5失点で降板しました。しかし中日が終盤に逆転勝利を収めたため、川崎投手は敗戦投手を免れました。

試合前にまさかの失踪!?

1950年、国鉄スワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)の創設初年度、開幕投手に指名された古谷法夫投手が試合前に失踪するという前代未聞の出来事が起きました。

1950年3月10日の大洋戦(下関)を前に、古谷投手は「病院に行ってくる」と宿舎を出たまま戻ってきませんでした。プレッシャーに耐えきれず逃げ出したとされています。

西垣徳雄監督は急きょ成田啓二投手を代役で先発させましたが、チームは大洋に敗れました。古谷投手は試合が5回を過ぎた頃に連絡を入れてきたため、球団から罰金3,000円が科されたと伝えられています。

ドラフト8位ルーキーの大抜擢!

出典:(パーソル パ・リーグTV公式)PacificLeagueTV

2022年、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督がドラフト8位のルーキー・北山亘基投手を開幕投手に大抜擢し、大きな話題を呼びました。

北山投手は京都産業大から2021年ドラフト8位で入団したばかりの1年目の投手でした。オープン戦での投球内容が評価されたとはいえ、下位指名のルーキーを開幕投手に指名するのは異例の起用です。

新庄監督はSNS上で指名を発表し、「乞うご期待」と添えて大きな注目を集めました。北山投手はその後リリーフとして1年間で55試合に登板し、2年目には先発に転向して成長を続けています。

WBC出場の田中将大に代わりルーキーが開幕投手!

出典:プロ野球チャンネル パ

2013年、東北楽天ゴールデンイーグルスでは、ドラフト2位ルーキーの則本昂大投手が開幕投手を務めました。エースの田中将大投手はWBC出場による疲労などを考慮して開幕戦を回避。

則本はオープン戦5試合で3勝0敗、防御率1.44と好成績を残しており、開幕投手に抜擢されました。新人の開幕投手はパ・リーグでは1958年の杉浦忠以来55年ぶり、ドラフト制導入後ではパ・リーグ初でした。

なお、田中はこの2013年シーズンに24勝0敗を記録し、則本も15勝8敗で新人王を獲得。両右腕は楽天初のリーグ優勝・日本一を支えました。