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全米プロゴルフ選手権2025の視聴方法!テレビ放送や配信サービス、日程、出場選手を解説!

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日本時間5月15日~5月19日の日程でPGAツアーメジャー大会第2戦「全米プロゴルフ選手権」が開催されます。1916年に始まって今年で107回目の開催になる歴史ある大会。世界中のツアーから156名の実力者が集まってプロゴルファーの世界1を決める大会です。

2024年大会はアメリカのザンダー・シャウフェレがブライソン・デシャンボーの追い上げをかわして1打差で優勝しました。
2025年大会にはザンダー・シャウフェレ始めブライソン・デシャンボーなど156名が出場。日本選手は松山英樹を筆頭に久常涼、金谷拓実、中島啓太が参戦予定です。

ここでは、全米プロゴルフ選手権の視聴方法やテレビ放送、配信サービスと併せて、試合日程、出場選手を解説します。

目次

全米プロゴルフ選手権の大会概要

全米プロゴルフ協会(PGA)の設立に合わせて開催された大会です。当初はマッチプレーで行われていましたが、1958年より72ホールのストロークプレーに変更、現在に至ります。ストロークプレーに変更後最多優勝はジャック・ニクラウスの5勝。それに続くのがタイガー・ウッズの4勝です。

2025年の大会はノースカロライナ州のクエイルホロークラブで8年振りに開催されますが、前回の2017年大会はジャスティン・トーマスが優勝しています。

開催日程
(日本時間)
2025年5月15日(木)~5月19日(月)
開催場所アメリカ・ノースカロライナ州クエイルホロークラブ 7,626ヤード・パー71(35・36)
賞金総額1,850万ドル 2024年実績1,850万$=26億8,250万円(1ドル145円換算)
FedExCupポイント750
放送・配信サービスゴルフネットワーク・U-NEXT

全米プロゴルフ選手権の視聴方法

全米プロゴルフ選手権は以下の放送や配信サービスで視聴できます。
  

日程ゴルフネットワーク・放送時間U-NEXT・配信時間
5月15日(木)
初日
20:15 配信開始|20:45 開演予定
【見逃し配信】
見逃し配信準備完了次第〜5月28日 23:59
5月16日(金)
初日/2日目
2:00~8:00(LIVE)
16:30~21:30(録画)
20:15 配信開始|20:45 開演予定
【見逃し配信】
見逃し配信準備完了次第〜5月29日 23:59
5月17日(土)
2日目/決勝
2:00~8:00(LIVE)
14:00~19:00(録画)
20:15 配信開始|20:45 開演予定
【見逃し配信】
見逃し配信準備完了次第〜5月30日 23:59
5月18日(日)
決勝/最終日
2:00~8:00(LIVE)
15:00~20:00(録画)
20:15 配信開始|20:45 開演予定
【見逃し配信】
見逃し配信準備完了次第〜5月31日 23:59
5月19日(月)
最終日
2:00~8:00(LIVE)
18:00~23:00(録画)
※5月22日(木)13:30~16:30(録画)
20:15 配信開始|20:45 開演予定
【見逃し配信】
見逃し配信準備完了次第〜5月31日 23:59

※放送・配信予定は変更になる場合がございます。

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全米プロゴルフ選手権に出場する注目選手

全米プロゴルフ選手権の定員は156名。開催前週の世界ランキングトップ100には何らかの資格で出場させるのが恒例です。したがって全ての選手が注目に値するのですが、ここでは特に注目したい3選手を紹介します。

松山英樹

1992年2月生まれ愛媛県出身の33歳。ご存知日本のエースプレーヤーです。2014年よりPGAツアーに参戦してここまでマスターズを含む11勝を挙げています。

2025年シーズンも初戦「The Sentry」で早々と優勝、4月までの出場10試合中8試合で決勝に進出して優勝1、トップ25が6試合とまずまずの成績を残しています。

全米プロゴルフ選手権には12回の出場で予選落ちなし。トップ25に6回入り、内2回はトップテンに入っています。2024年大会は35位に終わりましたが、前哨戦「Truist Championship」も5アンダー11位タイ発進と調子は良さそう。
メジャー2勝目の可能性もありそうです。

ローリー・マキロイ

北アイルランド出身の36歳です。ここまでPGAツアー優勝29回内メジャーでは5回勝っています。2025年マスターズの優勝で全メジャー制覇となり(2011年全米オープン、2014年全英オープン、2012年、2014年全米プロゴルフ選手権)史上6人目となる生涯グランドスラムを達成しました。

2025年シーズンは開幕から好調を維持。4月までで7戦して3勝、全ての試合でトップ25に入っています。マスターズに続くメジャー2連勝なるか、年間グランドスラムの可能性を残すか目が離せません。

久常涼

2002年9月生まれ岡山県出身の22歳です。2023年よりDP World Tour(ヨーロッパツアー)に参戦してポイントランキング17位になりルーキー・オブ・ザ・イヤーとPGA出場権を獲得。2024年シード権を獲得してPGAツアー参戦中です。

2025年シーズンは13試合に出場。5月9日時点のFedExCupポイントランキングは64位と2年連続シード圏内で踏ん張っています。2024年の全米プロゴルフ選手権ではトップと10打差11アンダーで18位タイと大健闘。
2025年大会はさらに上を目指し、優勝争いを演じてみたいところです。

全米プロゴルフ選手権に関するよくある質問

全米プロゴルフ選手権2025に対する基本的な質問を纏めてみました。

前年の優勝者は?

2024年大会はアメリカのザンダー・シャウフェレが優勝しました。初日62の9アンダーで抜け出すと、2日目68、3日目68とスコアを伸ばし最終日も65に纏めてブライソン・デシャンボーの猛追をかわしてのメジャー初優勝でした。

ザンダー・シャウフェレは東京オリンピック2020の金メダリスト。母親は日本育ちの台湾人です。2024年は全米プロゴルフ選手権の他にも全英オープンで優勝して、メジャー2勝を挙げています。

出場資格は?

出場資格は以下のとおりです。

  • 全米プロゴルフ選手権の歴代優勝者
  • 過去5回の全米オープン(2020~2024年)の優勝者
  • 過去5回のマスターズ選手権(2021~25年)の優勝者
  • 過去5回の全英オープン選手権(2019~2024年)の優勝者(2020年は中止)
  • 過去3回のプレーヤーズ選手権(2023~25年)の優勝者
  • 世界ゴルフ国際連盟ランキング4月28日時点のトップ3(アジアンツアー、日本ツアー、PGAツアー・オブ・オーストララシア、サンシャインツアーが対象)
  • 2024年シニアPGAチャンピオンシップの優勝者
  • 昨年の大会で15位タイ以内に入った選手
  • 全米プロゴルフ選手権ポイントランキング上位70位の選手
  • PGAプロフェッショナル選手権で上位20位に入った選手
  • 前回の全米プロゴルフ選手権以降のPGAツアー公認トーナメントの優勝者
  • 2023年の米国および欧州のライダーカップチームの世界ランキングトップ100以内の選手
  • DPワールドツアー(ヨーロッパツアー)のアジアンスイング4月27日時点のトップ3
  • 上記の要件を満たさない選手の特別招待
  • 156名に満たない場合の欠員は補欠選手リスト(公式賞金ランキング70位以下の選手)から補充されます。

全米プロゴルフ選手権の出場選手

全米プロゴルフ選手権の歴代優勝者
13名ザンダー・シャウフェレジミー・ウォーカーマルティン・カイマー
 ブルックス・ケプカジェイソン・デイパドレイグ・ハリントン
 ジャスティン・トーマスローリー・マキロイフィル・ミケルソン
 ジェイソン・ダフナーショーン・マイケルコリン・モリカワ
 キーガン・ブラッドリー  
 過去5回のマスターズ選手権(2021~25年)の優勝者
3名スコッティ・シェフラージョン・ラーム松山英樹
過去5回の全米オープン(2020~2024年)の優勝者
3名ブライソン・デシャンボーウィンダム・クラークマット・フィッツパトリック
過去5回の全英オープン選手権(2019~2024年)の優勝者
3名ブライアン・ハーマンキャメロン・スミスシェーン・ローリー
世界ゴルフ国際連盟ランキング4月28日時点のトップ3
3名ジョン・キャットリンダニエル・ヴァン・トンダー金谷拓実
2024年シニアPGAチャンピオンシップの優勝者
1名リチャード・ブランド  
昨年の大会で15位タイ以内に入った選手
9名ヴィクトール・ホブランドロバート・マッキンタイアアレックス・ノーレン
 トーマス・デトリーリー・ホッジスサヒット・シーガラ
 ジャスティン・ローズテイラー・ムーアディーン・バーメスター
PGAプロフェッショナル選手権で上位20位に入った選手
20名タイラー・コレットアンドレ・チーボブ・ソーワーズ
 ジェシー・ドロマージョン・サマーズボビー・ゲイツ
 ブライアン・バーグストルジャスティン・ヒックスグレッグ・コッホ
 マイケル・ブロックループ・テイラーティモシー・ワイズマン
 ディラン・ニューマントム・ジョンソンラーキン・グロス
 ブランドン・ビンガマンニック・イシーマイケル・カートルード
 ライアン・レナハンエリック・ステガー 
前回の全米プロゴルフ選手権以降のPGAツアー公認トーナメントの優勝者
26名デイビス・ライリーパットン・キジールマーベリック・マクニーリー
 キャメロン・デイビスケビン・ユーニック・テイラー
 デイビス・トンプソンマット・マッカーティセップ・ストラカ
 ハリー・ホールJTポストンハリス・イングリッシュ
 ニック・ダンラップニコ・エチャバリアルドヴィグ・アバーグ
 ジョナタン・ベガスオースティン・エクロートブライアン・キャンベル
 アーロン・ライラファエル・カンポスジョー・ハイスミス
 ラッセル・ヘンリーカール・ヴィリップスギャリック・ヒゴ
 ミン・ウー・リーライアン・フォックス 
全米プロゴルフ選手権ポイントランキング上位70位の選手
32名イム・ソンジェアクシャイ・バティアエリック・コール
 アンドリュー・ノヴァクトミー・フリートウッドサム・スティーブンス
 コーリー・コナーズダニエル・バーガーパトリック・ロジャース
 JJ・スポーンルーカス・グローバーマッケンジー・ヒューズ
 パトリック・カントレーアダム・スコットステファン・イェーガー
 サム・バーンズトム・キムジェイコブ・ブリッジマン
 トム・ホーゲマイケル・キムクリスティアン・ベザイデンハウト
 ベン・グリフィンテイラー・ペンドリスアダム・ハドウィン
 トニー・フィナウキム・シウシェイマス・パワー
 マックス・グレイザーマンデニー・マッカーシージョーダン・スピース
 アン・ビョンフンバド・コーリー 
2023年のライダーカップ選手で5月5日時点世界ランキング100位以内にいる選手
3名マックス・ホーマティレル・ハットンニコライ・ホイガード
DPワールドツアー(ヨーロッパツアー)のアジアンスイング4月27日時点のトップ3
3名中島啓太エウジェニオ・チャカラマルコ・ペンジ
特別招待選手
33名ローリー・カンターボー・ホスラースリストン・ローレンス
 ルーク・ドナルドダスティン・ジョンソンジャスティン・ロウアー
 リッキー・ファウラージョン・キーファーマックス・マグリービー
 セルヒオ・ガルシアクリス・カークトム・マッキビン
 ライアン・ジェラードカート・キタヤマキース・ミッチェル
 久常涼ジェイク・ナップラスムス・ニールガード・ピーターセン
 ラスムス・ホイガードデビッド・プイグホアキン・ニーマン
 パトリック・リードエルビス・スマイリーニクラス・ノルガード
 サミ・ヴァリマキエリック・ファン・ローイエントービョルン・オルセン
 マット・ウォレスゲイリー・ウッドランドジョン・パリー
 キャメロン・ヤングウィル・ザラトリスマチュー・パヴォン
上位70位以外から追加のプレーヤー
4名パトリック・フィッシュバーンリコ・ホーイマイケル・ソービョルンセン
 ビクター・ペレス  

全米プロゴルフ選手権2025 試合結果と試合内容

初日

【最終順位】

順位氏名(国籍)スコア
1位ジョナサン ベガス(ベネズエラ)ー7
2位タイライアン ジェラルド(アメリカ)ー5
2位タイキャメロン デービス(オーストラリア)ー5

【戦評】

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(15日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

今季メジャー第2戦が開幕し、「64」をマークしたツアー4勝のジョナサン・ベガス(ベネズエラ)が7アンダー単独首位でスタート。5アンダーの2位に、ツアー2勝のキャメロン・デービス(オーストラリア)、地元ノースカロライナ州出身でツアー未勝利のライアン・ジェラルドがつけた。

4アンダーの4位に、47歳のルーク・ドナルド、アーロン・ライ(ともにイングランド)、ライアン・フォックス(オーストラリア)、シュテファン・イエーガー(ドイツ)、アレックス・スモーリーの5人が続き、“伏兵”たちが上位に並んだ。

4人が出場する日本勢では、3アンダー「68」でプレーした久常涼が9位で最上位につけた。4バーディ、1ボギーの内容で、首位に4打差の好位置で2日目に入る。初出場の昨年大会は日本勢ベストの通算11アンダー18位だった。

2021年「マスターズ」以来のメジャー2勝目を狙う松山英樹は3バーディ、4ボギーの「72」でプレーし、前年覇者のザンダー・シャウフェレと並ぶ1オーバー60位。パーオン率38.89%(7/18)とスコアメークに苦しみ、2アンダーで折り返した後半インに3ボギーを喫してスコアを落とした。

金谷拓実は「75」で4オーバー112位、中島啓太は「76」で5オーバー125位と、予選通過ライン(70位タイ)の圏外で初日を終えた。

世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーは「69」で回り、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)、アダム・スコット(オーストラリア)らと同じ2アンダー20位。

当地で前回開催された2017年大会を制したジャスティン・トーマスは2オーバー73位。「マスターズ」からのメジャー連勝に挑むロリー・マキロイ(北アイルランド)は3オーバー98位。メジャー4大会制覇のキャリアグランドスラムがかかるジョーダン・スピースも5オーバーと出遅れた。

第2日

【最終順位】

順位氏名(国籍)スコア
1位ジョナサン ベガス(ベネズエラ)ー8
2位タイマチュー パボン(フランス)ー6
2位タイマシュー フィッツパトリック(イングランド)ー6
2位タイキム シウ(韓国)ー6

【戦評】

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(16日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

2打リードの単独首位から出たジョナサン・ベガス(ベネズエラ)が「70」でプレーし、通算8アンダーでその座をキープした。昨季に7年ぶりのツアー4勝目で復活した40歳が、メジャー初タイトルをかけて週末に入る。

通算6アンダーの2位に、後半6番(パー3)のホールインワンを含む「64」で60位から急浮上したキム・シウー(韓国)、マチュー・パボン(フランス)、マシュー・フィッツパトリック(イングランド)。通算5アンダーの5位に、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー、マックス・ホマが続く。シェフラーは20位から「68」と伸ばして浮上した。

9位から4打差を追った久常涼は3バーディ、3ボギーの「71」で回り、通算3アンダーの17位に後退した。順位は落としたが、首位に5打差の好位置に残って決勝ラウンドに進む。

4月「マスターズ」からのメジャー連勝がかかる世界ランク2位のロリー・マキロイ(北アイルランド)、同3位で前年覇者のザンダー・シャウフェレは、カットライン上の通算1オーバー62位で辛くも週末に残った。

60位から出た松山英樹は1バーディ、3ボギーの「73」とスコアを落とし、予選カットラインに2打届かない通算3オーバー84位で終了。追い上げはならず、出場13回目にして大会初の予選落ちを喫した。2020年「全米プロ」から続いていた連続メジャー予選通過も19試合で途切れた。

金谷拓実も112位から「70」と伸ばしたが通算3オーバー。中島啓太は125位から「71」で通算5オーバーの103位に終わり、ともに初の大会予選通過はならなかった。

優勝争いが期待された実力者たちも苦しい2日間に。メジャー4大会制覇がかかっていたジョーダン・スピース、前週の「トゥルーイスト選手権」で今季2勝目を挙げたセップ・ストラカ(オーストリア)は通算2オーバー。前回の当地開催だった17年優勝のジャスティン・トーマスは通算3オーバー。18、19年と連覇したブルックス・ケプカは通算9オーバーで姿を消した。

第3日

【最終順位】

順位氏名(国籍)スコア
1位スコッティー シェフラー
(アメリカ)
ー11
2位タイアレクサンデル ノーレン
(スウェーデン)
ー8
3位タイデービス ライリー(アメリカ)ー7
3位タイJ.T. ポストン(アメリカ)ー7

【戦評】

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 3日目(17日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

3打差5位から出た世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが1イーグル7バーディ、3ボギーの「65」をマークし、後続に3打差をつける通算11アンダー単独首位に躍り出た。前回出場の2週前「ザ・CJカップ」で待望のシーズン初優勝をあげて乗り込んだ6回目の「全米プロ」で、22年・24年の「マスターズ」制覇に続くメジャー3勝目に王手をかけた。

通算8アンダーの2位に「66」で17位から浮上したアレックス・ノレン(スウェーデン)。通算7アンダーの3位に、地元ノースカロライナ州出身のJ.T.ポストン、デービス・ライリーが続く。

通算6アンダーの5位に、首位から後退したジョナサン・ベガス(ベネズエラ)、ジョン・ラーム(スペイン)、キム・シウー(韓国)が並んだ。ラームは27位から「67」をマークし、23年「マスターズ」以来のメジャー3勝目へ望みをつないだ。

昨年大会2位のブライソン・デシャンボーは6打差の通算5アンダー8位で最終日へ。首位で迎えた16番でボギー、1打目を池にいれた17番(パー3)でダブルボギーと、終盤の難所“グリーンマイル”で3つスコアを落とした。

日本勢でただひとり決勝ラウンドに進んだ久常涼は、首位に5打差の17位からスタート。3バーディ、4ボギーの「72」とスコアを落とし、首位と9打差の通算2アンダー23位に後退した。前半に3バーディを奪い、首位に1打差まで詰め寄って迎えたバックナインで4ボギーと失速した。

世界ランク2位のロリー・マキロイ(北アイルランド)、同3位で前年覇者のザンダー・シャウフェレは通算2オーバー49位で最終日に入る。

最終日

【最終順位】

順位氏名(国籍)スコア
1位スコッティー シェフラー
(アメリカ)
ー11
2位タイハリス イングリッシュ(アメリカ)ー6
2位タイブライソン デシャンボー
(アメリカ)
ー6
2位タイデービス ライリー(アメリカ)ー6

【戦評】

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(18日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

3打リードの単独首位から出た世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが4バーディ、4ボギーの「71」でプレーし、後続に5打差をつける通算11アンダーで「全米プロ」初優勝を遂げた。22年、24年に制した「マスターズ」に続くメジャー3勝目。ツアー通算15勝目を、前回出場の2週前「ザ・CJカップ バイロン・ネルソン」に続く連勝で飾った。

シェフラーは前半アウトで3ボギー(1バーディ)をたたき、後続に1打差に詰められてサンデーバックナインへ。10番プレー中に一時は2組前のジョン・ラーム(スペイン)に並ばれた。その10番で3mのチャンスを決めて再び抜け出すと、以降は2バーディを重ね、2週前の8打差Vに続く独走でゴールテープを切った。

通算6アンダーで続いたブライソン・デシャンボーは昨年大会に続いての2位。同順位にフィールドベストの「65」をマークしたハリス・イングリッシュ、デービス・ライリーが並んだ。

5打差5位から中盤シェフラーに迫ったラームだったが、難所の上がり3ホール“グリーンマイル”で崩れた。16番でボギー、1打目をそれぞれ池とクリーク(小川)に入れた17番(パー3)、最終18番と連続ダブルボギーをたたいて「73」。通算4アンダーの8位に終わった。

日本勢でただひとり決勝ラウンドに残った久常涼は23位からスタート。1バーディ、2ボギー1ダブルボギーの「74」とスコアを落とし、通算1オーバーの37位に後退して4日間を終えた。

前年覇者で世界ランク3位のザンダー・シャウフェレは、49位から「68」と伸ばして通算1アンダー28位。「マスターズ」に続くメジャー連勝がかかっていたロリー・マキロイ(北アイルランド)は通算3オーバー47位だった。

開幕前に不適合ドライバーを変更 スコッティ・シェフラーはそれでも勝った

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(18日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

サンデーバックナインを迎えたとき、スコッティ・シェフラーはジョン・ラーム(スペイン)に首位で並ばれていた。それが、終わってみれば後続とは5打差。世界ランキング1位の実力に陰りはない。2022年と24年の「マスターズ」以来となるメジャー3勝目。大会直前に愛用クラブにトラブルがあっても、動じなかった。

大会を主催する全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)は開幕2日前、1Wのヘッドに関する適合検査を実施した。全米ゴルフ協会(USGA)によるランダムテストの対象となったフィールドの3分の1の選手の中にはシェフラーの名前もあり、ヘッドの反発係数が基準値を超えていたという。

ゴルフクラブは球数を多く打つことで規定にある適合ラインを超え、競技で使用不可とされることがある。「検査はPGAツアーでも定期的に行われる。僕のドライバーは今週、不適合になった。1年以上使っていたから、いつかはそうなると思っていた。練習量を考えると、ここまで長く持ってくれて運が良かった」。メジャーのティオフを目前に控えた段階で、テーラーメイドの「Qi10 ドライバー」を急きょスペアにスイッチしていた。

この最終ラウンドの前半、1Wに限らずショットが左に曲がりがちだったのは「僕の(スイングの)せいだと思うよ」と笑い飛ばす。バックナインに入ったところで修正が効き、10番(パー5)でラームを振り切るバーディ。第1打をグリーン右手前のバンカーに運んだ14番からの2連続バーディで勝負を“終わらせた”。最終18番をボギーにしても「71」で通算11アンダー。4日間合計11ホールでボギー以上を記録し、6回のバウンスバックに成功する力強さを発揮してワナメーカートロフィーを掲げた。

2022年2月の「WMフェニックスオープン」で初優勝を飾ってから3年94日でPGAツアー通算15勝目を挙げた。このハイペースを上回るのは1950年以降でタイガー・ウッズ(3年32日)、ジャック・ニクラス(3年45日)しかいない。

現在の不動の世界一は「ゴルフの好きなところは一人で練習に打ち込めるところだ」と真摯に自分の職と向き合う。今週の話題でもあったクラブ検査についても、よりクリアに、よりフェアに実施すべきという意見。「やるならばもっと正しく厳格にやったほうがいい。必要あらば毎週やったっていい。やらない理由の方がない」と語った。

クエイルホロークラブでのツアー競技は今回が初めて。当地で毎年行われてきたPGAツアー「ウェルズファーゴ選手権」(現トゥルーイスト選手権)を昨年、欠場したのはメレディス夫人の第一子出産を控えていたから。第一子の長男ベネットちゃんを抱き上げ、父として初めてつかんだメジャータイトルを喜んだ。

全米プロゴルフ選手権2025 おすすめ情報一覧

「全米プロゴルフ選手権」主な日本人成績

日本人選手の過去最高位は1988年大会(オークツリーGC)の中嶋常幸の3位。

松山英樹は2016年(バルタスロールGC)に4位、17年(クエイルホロークラブ)に5位でフィニッシュした。

「全米プロゴルフ選手権」主な記録集

18ホールの最少ストロークは2024年にザンダー・シャウフェレとシェーン・ローリー(アイルランド)が記録した「62」。

フィル・ミケルソンが2021年に50歳11カ月7日で最年長優勝を飾った。

「全米プロゴルフ選手権」主な歴代優勝者

2024年はザンダー・シャウフェレがメジャー初優勝を飾った。

大会最多勝利はマッチプレー時代(1916~1957年)のウォルター・ヘーゲンと、現行のストロークプレー(1958年~)でのジャック・ニクラスの通算5勝。

松山英樹ら日本勢4人出場 マキロイが過去4勝のコースでメジャー連勝へ

ロリー・マキロイ(北アイルランド)のキャリアグランドスラム達成から約1カ月、男子メジャーは「マスターズ」に続く第2戦が15日(木)に開幕する。全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)主催のプロゴルファー世界一決定戦。156人が勝者の証・ワナメーカートロフィー獲得をかけてティオフする。

2025年の会場はノースカロライナ州のクエイルホロークラブ。シャーロットの名門コースは昨年までPGAツアー「ウェルズファーゴ選手権」(現トゥルーイスト選手権)をホストしてきた。同大会でマキロイは通算4勝(2010、15、21、24年)。メジャー連勝に向けた好材料と言って間違いない。

大会連覇を目指すザンダー・シャウフェレは昨年、ケンタッキー州バルハラGCでメジャー初優勝を飾り、同年7月の「全英オープン」制覇にも繋げた。肋間筋の故障で1月から約2カ月の離脱を強いられた今季はマスターズで8位フィニッシュ。復調傾向にある。

世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーも2週前の「ザ・CJカップ」で今季初勝利を飾り、いよいよエンジンがかかってきた。クエイルホロークラブでの前回大会、2017年にメジャー初制覇に成功したジャスティン・トーマスは4月「RBCヘリテージ」で3年ぶりの復活優勝をマークしている。

その17年大会で最終日に逆転負けしたのが当時25歳の松山英樹だった。単独首位で迎えたサンデーバックナインで同じ組のトーマスに逆転負け。メジャー初制覇を逃して5位に終わり、ホールアウト後に涙を流した。マスターズチャンピオンの称号を手にしてリベンジマッチに挑む。日本勢は他に4回目の出場となる金谷拓実、昨年初出場で18位に入った久常涼、同じく2年連続出場の中島啓太がフィールド入りした。

LIVゴルフからは前年大会2位のブライソン・デシャンボー、全米プロ3勝(2018、19、23年)のブルックス・ケプカら16人が出場資格を得た。また、全米プロゴルフ協会に所属する2万9000人のクラブプロ(ティーチングプロなど)から、ことしも20人がツアープレーヤーと同じ大舞台に立つ。クエイルホロークラブの難所は16番からの上がり3ホール。通称“グリーンマイル”のその先に栄光がある。

マキロイ最有力、シェフラーが2番手 松山英樹は選外/全米プロV予想

5月12日、海外メジャー第2戦、全米プロゴルフ選手権(15~18日/米ノースカロライナ州/クエール・ホローC)の優勝予想が同ツアー公式サイトで発表となった。

優勝候補最有力に推されたのはローリー・マキロイ(北アイルランド)。今季はマスターズでキャリアグランドスラムを達成するなどすでに3勝を挙げ、無類の強さを誇っている。勢いそのままに2012年、2014年に続く大会3勝目を狙う。

優勝予想2番手はスコッティ・シェフラー(米)。2週前のザ・CJカップ バイロン・ネルソンを大会記録の通算31アンダーで制し、いい状態で大会に入ってくる。全米プロは過去5度出場し、2023年の2位タイを含むトップ10入り4度と好相性だ。

以下、3番手にクエール・ホロー開催の2017年を含む大会2勝のジャスティン・トーマス(米)、4番手に昨年単独2位のブライソン・デシャンボー(米)、5番手に前週2位タイと好調のシェーン・ロウリー(アイルランド)が続く。

そのほかの注目選手では、連覇がかかるザンダー・シャウフェレ(米)が6番手、前週優勝のセップ・ストラカ(オーストリア)が8番手、メジャー2勝のジョン・ラーム(スペイン)が9番手、2020年覇者のコリン・モリカワ(米)が11番手にランクインしている。

日本からは松山英樹、久常涼、金谷拓実、中島啓太が出場するが、15番手までのランキングには含まれなかった。

松山英樹は日本時間午前2時36分スタート 世界トップ3が同組/全米プロ組み合わせ

開幕2日前に予選ラウンドの組み合わせが発表された。メジャー2勝目を狙う松山英樹は初日午後1時36分(日本時間16日午前2時36分)に1番からティオフする。ウィンダム・クラーク、トム・キム(韓国)と同組になった。

久常涼が午前7時33分(同15日午後8時33分)にトム・ジョンソン、J.T.ポストンと1番からスタート。日本勢4人の先陣を切る。金谷拓実は午後2時31分(16日午前3時31分)、中島啓太は最終組で午後2時42分(午前3時42分)にともに1番から出る。

世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー、「マスターズ」でキャリアグランドスラムを達成した同2位のロリー・マキロイ(北アイルランド)、前年大会優勝の同3位ザンダー・シャウフェレが同じ組(日本時間15日午後9時22分、10番スタート)に入った。

前回当地で行われた2017年大会でメジャー初優勝を手にしたジャスティン・トーマスは、コリン・モリカワ、LIVゴルフ所属のダスティン・ジョンソンと回る。

<予選ラウンドの主な組み合わせ>
初日/2日目 カッコ内は日本時間、※は10番スタート
7:00(20:00)/12:25(1:25)※ ルーク・ドナルド、パドレイグ・ハリントン、マルティン・カイマー
7:33(20:33)/12:58(1:58)※ 久常涼、トム・ジョンソン、J.T.ポストン
7:38(20:38)※/13:03(2:03) ブルックス・ケプカ、シェーン・ローリー、リッキー・ファウラー
7:49(20:49)※/13:14(2:14) ジェイソン・デイ、フィル・ミケルソン、トミー・フリートウッド
8:22(21:22)※/13:47(2:47) ロリー・マキロイ、ザンダー・シャウフェレ、スコッティ・シェフラー
13:14(2:14)/7:49(20:49)※ コリン・モリカワ、ジャスティン・トーマス、ダスティン・ジョンソン
13:25(2:25)/8:00(21:00)※ ジョーダン・スピース、パトリック・リード、ルドビグ・オーベリ
13:36(2:36)/8:11(21:11)※ 松山英樹、ウィンダム・クラーク、トム・キム
13:47(2:47)/8:22(21:22)※ ゲーリー・ウッドランド、ビクトル・ホブラン、ブライソン・デシャンボー
14:31(3:31)/9:06(22:06)※ 金谷拓実、クリスティアン・ベゾイデンハウト、トム・マッキビン
14:42(3:42)/9:17(22:17)※ 中島啓太、ティモシー・ワイズマン、ボウ・ホスラー

マキロイから刺激いっぱい 次はスピースがグランドスラム挑戦

ここ数年との雰囲気の違いをジョーダン・スピースはしっかり感じ取っていた。キーワードは「キャリアグランドスラム」。4月の「マスターズ」でロリー・マキロイ(北アイルランド)が史上6人目の達成者となり、次の候補者として視線を一身に浴びている。

むしろスピース本人にとっては「全米プロでここ何年もそれについて聞かれなかったことは驚き」だという。2015年に「マスターズ」、「全米オープン」でメジャー2連勝。17年7月の「全英オープン」で3タイトル目を手に入れた。それから約8年が経過。「ロリーが成し遂げなかったら、おそらく(ことしも)話題に上がらなかっただろう」と冷静に思う。

元世界ランキング1位の実績を考えれば、メジャー3勝目を飾ってから目立った活躍は少ない。18年から勝てない時期を3シーズン過ごし、2021年と22年にPGAツアーで1勝ずつ。その後、再び空白期間が続くと、昨年8月に長年の悩みの種だった左手首を手術し、ことし1月末にツアーに復帰した。

朝、目覚めたとき、いまだに「30分くらいは左手が右手の倍くらいの大きさに感じる」毎日だ。とはいえ、痛みが日々軽減されていることがうれしい。「子どもを抱き上げるのにはまったく影響はない。それが本当に心地いい」。今年のトップ10は2週前の「ザ・CJカップ」を含めて3回。復調の小さな兆しを日々、見つけている。

「ロリーが何年も挑戦してきたことに打ち勝ったのは刺激的だった」とマキロイのオーガスタでの戦いぶりをたたえた。「彼はいつも簡単に勝つような感じがするけれど、今回の勝利は今まで以上にハードだったと分かるだろう。表情に(思いが)あふれ出ていた」

自身のグランドスラムの話題が突然、再来したようで、スピースは「でも、僕にとってはいつも(全米プロが)カレンダーの(重要な)サイクルにあった」と言い切る。「残りの人生であと一つしか勝てないとしたら、僕はこの試合を選ぶ。チャンスをつかみたい」。3つのタイトルを奪って迎えた2017年8月、残された全米プロを戦った場所は、ここクエイルホロークラブ。キャリアで9回目の挑戦が始まる。

世界トップ3がそろってダボの珍事 シャウフェレは“泥ボール”に苦言「いいショットを打っているのに残念」

<全米プロゴルフ選手権 初日◇15日◇クエイル・ホローC(ノースカロライナ州)◇7626ヤード・パー71>

通称「グリーンマイル」と呼ばれる難関の上がり3ホール。その入り口となる16番ホールで、世界ランキングトップ3の選手がそろってダブルボギーを叩くという珍事が起きた。

4月の「マスターズ」でキャリアグランドスラムを達成したローリー・マキロイ(北アイルランド)、同ランキング1位のスコッティ・シェフラー、同3位のザンダー・シャウフェレ(ともに米国)が同組でプレー。

パー4ながら535ヤードという距離を誇るこの難関ホール。マキロイはティショットを左に曲げ、土手を転がり落ちるトラブルに見舞われたこともありダブルボギー。一方、シェフラーとシャウフェレはフェアウェイを捉えていたにもかかわらず“ダボ”。その原因は“泥のボール”だった。

大雨の影響でフェアウェイもぬかるみ、ボールに泥が付着しやすい状況となっていた。そのため、ボールの行方が予測しづらくなり、両者とも“池ポチャ”とした。世界ランキングトップ3が揃ってダブルボギーを叩くというこのホールでの出来事は、まさに波乱だった。

シェフラーは、その直前の15番でイーグルを奪っていたため、ダメージは最小限にとどまった。「フェアウェイの真ん中に打っても泥だらけになり、どこに飛ぶか全く分からなくなるのはフラストレーションが溜まる」とコメント。シェフラーがメジャーの第1ラウンドでダブルボギーを叩いたのはこれが初めてだった。

プリファードライ(無罰でボールを拾い上げ、汚れを落としてプレースできるローカルルール)は、採用されない現状も「ルールを決めるのは僕じゃない。ルールに従い、結果を受け入れる必要がある」と、気持ちを切り替えた。

さらにシャウフェレも「スコッティとともにひどい泥玉を打った。フェアウェイの真ん中からスタンドの右を狙わなければならなかった(池が左サイド)。ボールは池の中に跳ねていき、スコッティのボールも同じように池に跳ねた。それが現実で、多くの選手がそれに対処している。いいショットを打っているのに残念だ」と語った。

「AIじゃないよね?」勝みなみ、吉田優利、竹田麗央が全米プロ来場 松山英樹らに熱視線

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(15日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

米女子ツアーを主戦場にする日本人選手が男子メジャーの会場を訪れた。今週はオープンウィーク。勝みなみ、吉田優利、竹田麗央が松山英樹をはじめとした男子トッププロのプレーに目を凝らした。

勝は13日(火)にミネソタ州で行われた6月「全米女子オープン」(29日開幕・ウィスコンシン州エリンヒルズ)の予選会を通過したばかり。「ショットの調子も安定して、フェアアウェイをほとんど外さなかった。(ホールアウト後)最初は通ると思っていなくて、キャディさんが『3位で通ったよ』と言ってくれました」とメジャーの出場権確保に安どし、14日(水)にシャーロットに入った。

米国で男子プロゴルフを生観戦するのは初めて。「集中して選手のプレーを見られますね。本当に皆さんうまい。粘っこいラフからも(チッピングで)普通に打って寄せる。なんで?と思うくらい。ギャラリーさんも多くて盛り上がっている感じが伝わります」と笑い、盛況ぶりにびっくり。主に松山や後続組のブライソン・デシャンボーらに注目した。

竹田も18ホールに渡って松山のプレーを観戦。吉田は他に同じナショナルチーム出身の金谷拓実、中島啓太、久常涼の組にもついて回った。

3人のうち最年長の勝が、15歳で国内女子ツアー「KKT杯バンテリンレディス」でアマチュア優勝を達成したのが2014年。ちょうど松山が米国で本格的にプレーし始めた年だった。それぞれが、実際の試合でプレーするマスターズチャンピオンの姿を見るのは初めて。「でも、まだホンモノか分からないです。“AI”じゃないよね?」と存在すら疑いながら楽しんでいた。

松山英樹は出場メジャー20試合ぶりの予選落ち 次週大会に急きょエントリー

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(16日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

ショットでもアプローチでも、パットの後も何度も天を仰いだ。「いまの何をやってもうまくいかない雰囲気が出ている」。36ホールで通算3オーバーの84位。上位70位タイに食い込めず、松山英樹が約6年ぶりにメジャーの決勝ラウンド進出を逃した。

出だしの10番(パー5)で3mを沈め、初日1オーバー60位の出遅れを取り戻すには絶好のバーディ。続く11番で2.5mを決めてボギーを回避するなど、「13番までは良いパーセーブもできて、良い形でスタート切れた」と納得の滑り出しだった。

思わぬ後退は14番、340ydと短いパー4で、アイアンで刻んだ第1打が左のラフに到達した。2打目もグリーンから左にこぼれてボギー。「その後はなかなかうまくいかなかった」と予選カットラインとの攻防が一気に激しくなった。

折り返しの18番で花道からのアプローチがピンを3mオーバーし、2つ目のボギーで予選通過圏の外に。後半3番で5mの下り、4番(パー3)は2m、6番(パー3)は2.5mと、すべてバンカーショットの後のパーパットを懸命にねじ込む。ここぞの忍耐力を見せつけながら、7番(パー5)はグリーン奥からのチップが大きくパーどまり。8番はピンに向かって飛んだ2打目がスピンでカップから手前側に離れていった。

「最後もチャンスをつけないといけないところで、なかなかバーディを獲れなかった」。最終9番は520ydと長いパー4。希望はティショットで打ち砕かれる。1Wを強振したボールは左サイドに曲がり木の裏へ。即座にレイアップし結果を悟った。

2020年の「全米プロ」から続いた出場メジャーでの連続予選通過は、4月の「マスターズ」までの19でストップ(21年全英オープンは新型コロナウイルス検査で陽性判定が出たため欠場)。継続中の選手としては最長だった記録が途切れた。今季のトップ10入りは優勝した1月の開幕戦「ザ・セントリー」だけで、春先から調子を上げるのに苦労している。ホールアウト後、エントリー締め切り当日に次週の「チャールズ・シュワブチャレンジ」(テキサス州コロニアルCC)出場を決めた。

同大会への出場は2014年以来11年ぶり。前週の「トゥルーイスト選手権」から、29日(木)開幕の「ザ・メモリアルトーナメント」(オハイオ州ミュアフィールドビレッジGC)まで4連戦となりそう。「良い状態に持っていけるように次の試合に向けて準備したいなと思います。切り替えて頑張ります」と視線を高くしたまま言った。予選落ちが濃厚になった昼下がり。ドライビングレンジで居残り練習に精を出す。このクエイルホロークラブでの全米プロで、惜敗の5位に終わってから8年。松山は33歳の今も必死でいる。

普通ができないもどかしさ 中島啓太の決心「来年、アメリカに行きます」

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(16日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

残り3ホールを迎えたところで、カットラインにあと2ストロークに迫っていた。難関のグリーンマイルが終盤に控えるインコースとは違い、アウトでの上がりなら、可能性は確かにあった。まずは2オン可能な552ydのパー5、後半7番でバーディが欲しい。中島啓太はそのチャンスホールで思わぬミスを犯した。

バンカーからの2打目をフェアウェイに刻んだ後、残り111ydからのウェッジショットがグリーンをオーバーした。「後半はパッティングの感覚がかなり良かったので、(カップの)近くではなくても(グリーンに)のってさえすれば狙えると思っていたんですけど…本当にああいうところ」と悔やむ。奥からは急激に下るアプローチを強いられることも分かっていた。4オン2パット。8番も第1打を右サイドの深いラフに落とし連続ボギーを喫した。

初日125位の出遅れから、5mを沈めた後半3番までに4バーディ(2ボギー)を奪いながら「71」。結局、スタート時の通算5オーバーからスコアを動かせず103位に終わった。本大会は初出場の昨年に続く予選落ち。メジャーはアマチュア時代の2022年に出場した3大会を含め7回出て、まだ決勝ラウンドに進めていない。

昨年から主戦場にしているDPワールドツアー(欧州ツアー)のコースよりもロングアイアンの出番が多い米国のコース。ショートゲームの確実性の重要さを改めて感じ取る。2日間のスクランブリング率(パーオン失敗ホールをパー以下で上がる確率)は42.86%で全体116位。「予選カットが1オーバー。(通算5オーバーから)4つぐらいなら普通にやれば拾えるパーがかなりある。普通を普通にできない」と、もどかしさが募る。

異国の地を巡り、成長の自負もあったはずだ。「全然、足りない。“自分の一生懸命”がこの程度なのかなと思います」と打ち砕かれる感覚がよみがえる。「挑戦というか…苦戦を続けるっていうのはいいことだと思うので、これからも続けていきたい」と必死に顔を上げた。

次週ベルギーでの「ソウダルオープン」(リンクフェンインターナショナルGC)からスケジュールには欧州本土での試合が並ぶ。「やっぱり来年はアメリカでやりたい」と1年目に逃した欧州を経由するPGAツアー入りに意欲を燃やした。年間ポイントレーストップ10(有資格者を除く)を確保し一昨年の久常涼、昨年の星野陸也に続きたい。「スポットで(米国に)来ただけだと、どうしてもイメージが違う。まずは(欧州での)今シーズンを全力で戦い抜いて、来年、アメリカに行きます」。最終目的地への強い意志を口にした。

日本勢唯一のアンダーパーも… 金谷拓実も予選落ち

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(16日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

スタートホールのイーグル、終盤の粘りのバーディも、メジャーの週末には繋がらなかった。4オーバー112位から出た金谷拓実は4人の日本勢で唯一のアンダーパー「70」をマークしながら、通算3オーバー84位で予選落ちした。

出だしの10番(パー5)で15mのイーグルパットが決まっても、金谷は表情を崩さなかった。11番をボギーとした後、インの上がりの難関3ホール、通称グリーンマイルはすべてパー。16番ではグリーン左のラフから、17番(パー3)は2打目で左足とボールはバンカー、右足は芝の上というライからピンそば1m強に寄せた。

後半8番でティショットをフェアウェイに刻んだ後、2打目をピンそば2m弱につけてバーディ。520ydと長い最終9番は3打目のバンカーショットをピンそば1mに寄せ、パーで終えたがカットラインには2打足りなかった。

昨年末の最終予選会を突破してPGAツアーの出場権を獲得。ルーキーイヤーは1月「ソニーオープンinハワイ」から欧州ツアー1試合を含めて4試合連続の予選落ちを経験し、3月「バルスパー選手権」からまた“4連敗”を喫した。4月末に久常涼と組んだペアマッチ「チューリッヒクラシック」(18位)から復調の兆しがある。

ツアー全体で5位のフェアウェイキープ率(71.13%)をベースにしたプレーができ始めたところ。得意のグリーン上、ストローク・ゲインド・パッティング(+0.499)は全体13位につける。「シーズンの最初、西海岸では100位以下だった。最近良くなってきたんです」。スクランブリング率(パーオン失敗ホールをパー以下で上がる確率)は68.31%で全体7位。世界最高のトップツアーで少しずつ持ち味を出せている。

「毎日ちょっとずつ前進する気持ちがあれば、結果も変えていけるんじゃないかって」。次週はテキサス州に飛び「チャールズ・シュワブチャレンジ」(コロニアルCC)に出場。メジャーがひとつ終わったところで、節目にはならない。

メジャー最長ホールインワン達成 キム・シウーが252ydを決める

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(16日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

PGAツアー4勝のキム・シウー(韓国)がメジャー大会史上、最長距離のホールインワンを達成した。後半6番(パー3)は252ydの設定。5Wでティショットがグリーンの手前側に着弾し、10ydほど転がってカップイン。クラブを高く放り投げて喜んだ。

2つスコアを伸ばした前半インは「泥がついたボールと格闘していた」という。予測不能の球の行方に苦労しながら、迎えたパー3の6番はその心配がなかった。ティアップした球を打つのは、距離が250ydを超えようが「泥つきボールを140yd打つのよりも簡単だ」。強いフェードボールを打ち出し、歴史の一部になった。

キムは昨年7月、ロイヤルトゥルーン「全英オープン」3日目の17番(238yd)でもエースを達成。「エキサイティングだ。思い通りの良いショットが打てたから、最高の気分。メジャーのホールイワンは素晴らしい思い出になる」と胸を張った。

「64」をマークして通算7アンダー。首位のジョナサン・ベガス(ベネズエラ)に2打差2位と、メジャー初優勝へ絶好の位置だ。

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優勝者に4億9910万円 「全米プロ」の賞金も大会史上最高額に

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 3日目(17日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)は17日、今大会の賞金を発表した。総額は前年から50万ドル増の1900万ドル(約27億7281万円)、優勝賞金は9万ドル増えて342万ドル(約4億9910万円)でいずれも大会史上最高額を更新した。

メジャーの賞金は近年、増額傾向にあり、ロリー・マキロイ(北アイルランド)が優勝した4月の「マスターズ」は総額2100万ドル(約30億6468万円)だった。4大メジャーの最高額は昨年の「全米オープン」の2150万ドル(約31億3765万円)。同年の「全英オープン」は1700万ドルで、本年度についてはそれぞれ発表されていない。

プロゴルファー世界一を決める全米プロは1916年にマッチプレー形式でスタート。当時の優勝賞金は500ドルだった。競技方式が現行のストロークプレーに変更された1958年は、ビリー・キャスパーが5500ドルを手にした。

耐えるだけじゃダメなんだ 久常涼は2年連続で日本勢トップも実力差痛感

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(18日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

シーズンのメジャー第2戦「全米プロ」を、2年続けて日本勢のトップで終えた。ことしは4人のうち唯一決勝ラウンドでプレー。2つの事実は久常涼にとってさほど重要ではない。「今週は良いプレーをしただけに、あの1ホールでぜんぶ台無しにしたようなもの」。上位進出を自ら阻んだ痛恨の一打がとにかく悔しい。

2アンダー23位で迎えた最終日も序盤からガマン強さが試されたメジャーセッティング。日に日に硬くなったグリーンで出だし2ホールで1パットパーを拾うと、3番のボギーの後、4番(パー3)で5mを沈めてバウンスバックした。

問題だったのがスコアを伸ばすべき前半唯一のパー5。7番で残り85ydの第3打が突風でピン手前に着弾し、スピンと下り傾斜で手前の池に入った。「超、簡単なウェッジショット。思ったよりもスピンが入った。さすがに池には入らないと思ったんですけど…」。1罰打を加えて5オン、さらに1m強のパットを外してダブルボギーにした。

初日9位の好発進から2日目「71」、3日目「72」、そしてこの日は「74」と後退を続けた。地面が乾いた週末は「全くチャンスにつけられなかった」と通算1オーバー37位。今週はスクランブリング率(リカバリー率/パーオン失敗ホールをパー以下で上がる確率)が77.14%で全体3位と、ショートゲームに好結果が出た一方で、リーダーボードの上位のスコアを見て思う。

「もったいないと思うようなところが全くなかったとしても、僕は優勝スコアに届いていない」。4日間のバーディ数は11で、ボギーをいっさいたたかなかったとしても、通算11アンダーで優勝したスコッティ・シェフラーに並ぶだけ。「まずは(良い)ショットが打てないと話にならない。全部が試される、超総合力が試されるコースだった」と課題を思い知らされた。

キャリアで4回目のメジャーを終え「もっとこの舞台に場慣れしないといけない」と日常的に、より強いフィールドでプレーしたいと願う。2季連続のシード確保はもちろん、PGAツアー2年目での初優勝を強く意識する。

次週の「チャールズシュワブ・チャレンジ」(テキサス州コロニアルCC)で6連戦目。6月2日(月)には「全米オープン」(ペンシルベニア州オークモントCC)への出場権をかけた36ホールの予選会に出る予定でいる。「きょうは疲れるようなゴルフはしていない。体は元気なので、来週も頑張って連戦をしていきたい」と貪欲にシーズンを戦い抜く。