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NBAの2way契約とは?年俸や出場制限、エグジビット10契約との違いを解説

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NBAのニュースを見ていると、「2way契約を結んだ」「エグジビット10契約で合意」といった言葉をよく目にします。

最近ではNBAに挑戦している河村勇輝選手に関する報道で、これらの用語を目にした人も多いかもしれません。

2way契約は、NBAのチームと下部リーグのGリーグを行き来しながらプレーする契約です。通常の契約とは年俸も出場できる試合数も違い、NBAで活躍を目指す若手にとっての入り口になっています。

この記事では、2way契約の仕組みや年俸、出場制限、エグジビット10契約との違いをわかりやすく解説します。

2way契約から主力に成長した選手や、2way契約を結んだことのある日本人選手も紹介します。

2way契約とは

2way契約(ツーウェイ契約)とは、NBAのチームと、その傘下にあるGリーグのチームの両方でプレーできる契約です。「2つの道(two-way)」という名前のとおり、NBAとGリーグを行き来しながらシーズンを過ごします。

2017年に導入された制度で、チームは有望な若手を手元に置きながら育てられます。選手にとっても、NBAの練習や試合を経験しつつ、Gリーグで出場時間を確保できるのが利点です。

契約の内容

2way契約を結べるのは、NBAでのプレー年数(サービスタイム)が4年以下の選手です。ドラフト外の新人や、ドラフト2巡目で指名された選手が結ぶことが多くなっています。

契約期間は1年または2年です。シーズンの途中でも結ぶことができ、チームが評価すれば通常のNBA契約(本契約)に切り替えることもできます。

2way契約の選手の年俸は、チームのサラリーキャップ(年俸総額の上限)に含まれません。チームにとっては、年俸総額を気にせず若手を確保できる仕組みでもあります。

契約できる人数

1チームが2way契約で抱えられる選手は、最大3人です。

NBAのロースター(選手登録枠)は本契約の選手が最大15人なので、2way契約の3人を合わせると、1チームで最大18人を抱えられます。以前は2way契約の枠は2人でしたが、2023年に結ばれた新しい労使協定で3人に増えました。

出場数の制限

2way契約の選手がNBAの試合でベンチ入りできるのは、レギュラーシーズン82試合のうち最大50試合までです。シーズン途中で契約した場合は、残りの試合数に応じて上限も少なくなります。

また、2way契約のままではプレーオフに出場できません。チームがプレーオフでも戦力として使いたい場合は、レギュラーシーズン中に本契約へ切り替える必要があります。

50試合の枠を使い切りそうな選手が本契約に切り替わることも多く、2way契約の選手にとっては、枠の残り具合も昇格のタイミングを左右します。

エグジビット10契約との違い

2way契約とよく一緒に出てくるのが、エグジビット10(Exhibit 10)契約です。

エグジビット10契約は、トレーニングキャンプに参加するための1年契約です。最低年俸の契約ですが年俸の保証はなく、キャンプやプレシーズンでアピールして、開幕ロスターや2way契約の枠をつかむための足がかりになります。

エグジビット10契約には、ボーナスを設定できます。解雇されたあとにチーム傘下のGリーグのチームに入り、60日以上在籍すると、2026-27シーズンは最大9万1,000ドル(約1,365万円)のボーナスを受け取れます。

また、レギュラーシーズン開幕前であれば、エグジビット10契約を2way契約に切り替えられます。この場合、ボーナスの金額は保証された給与になります。

項目2way契約エグジビット10契約
目的NBAとGリーグを行き来してプレートレーニングキャンプへの参加
契約期間1年または2年1年
1チームの枠最大3人最大6人
年俸67万8,882ドル(約1億円)最低年俸(保証なし)
NBAの試合レギュラーシーズン最大50試合
プレーオフは出場不可
開幕ロスターに残れば本契約と同じ扱い
その他本契約への切り替えが可能開幕前なら2way契約に切り替え可能
最大9万1,000ドルのボーナス
※2026-27シーズンの金額です。円換算は1ドル=150円で計算しています。

ざっくり言うと、エグジビット10契約は「キャンプで試すための契約」、2way契約は「シーズンを通して育てるための契約」です。エグジビット10契約でキャンプに参加し、評価されて2way契約に切り替わる、という流れはよくあるパターンです。

Gリーグとは?

Gリーグは、NBAが運営する公式の下部リーグです。野球でいうマイナーリーグや二軍に近い位置づけで、NBAの全30チームがそれぞれ傘下のチームを持っています。

たとえば、クリッパーズの傘下はサンディエゴ・クリッパーズ、グリズリーズの傘下はメンフィス・ハッスルです。2way契約の選手は、NBAの試合に呼ばれないときは傘下のチームで試合に出て、実戦経験を積みます。

Gリーグでは、NBAと同じルールで試合が行われます。NBAのチームから実戦経験のために派遣される若手もいて、NBAを目指す選手が集まるリーグになっています。

2way契約の年俸はどれくらい?

2way契約の年俸は、本契約の選手と比べると低めです。ただし、Gリーグだけでプレーする選手よりはかなり高く、生活を安定させながらNBAを目指せる水準になっています。

給与

2026-27シーズンの2way契約の年俸は、67万8,882ドル(約1億円)です。これは、新人の最低年俸135万7,763ドル(約2億円)のちょうど半分にあたります。

以前は、NBAに在籍した日数とGリーグに在籍した日数で給与が分かれていましたが、2023年の労使協定で一律の金額になりました。NBAの試合に何試合出ても、Gリーグでの試合が中心でも、受け取る年俸は変わりません。

シーズンの途中で2way契約を結んだ場合は、契約した日以降の日数に応じて日割りで支払われます。

契約の種類2026-27シーズンの金額
2way契約の年俸67万8,882ドル(約1億円)
新人の最低年俸135万7,763ドル(約2億円)
エグジビット10契約のボーナス上限9万1,000ドル(約1,365万円)
サラリーキャップ(チームの年俸総額の上限)1億6,496万1,000ドル(約247億円)
※2026-27シーズンの金額です。円換算は1ドル=150円で計算しています。

途中で解雇された場合

2way契約は、シーズンの前半までは年俸の全額が保証されているわけではありません。1月上旬の期限までに解雇されなければ、そのシーズンの年俸が全額保証されます。本契約の無保証の選手と同じく、例年1月10日が保証の基準日で、チームはその数日前までに解雇の手続きを済ませる必要があります。

それより前に解雇された場合、選手が受け取れるのは、それまでの在籍日数ぶんの給与と、契約で保証されていた金額です。保証額は契約ごとに決められ、2026-27シーズンは最大9万1,000ドルです。エグジビット10契約から切り替えた場合は、ボーナスの金額がそのまま保証されます。

解雇された選手は、ウェイバー(ほかのチームが獲得を申し出られる手続き)にかけられます。どこからも獲得の申し出がなければ自由契約となり、Gリーグのチームでプレーを続けながら、次のチャンスを待つ選手も多くいます。

2way契約から主力になった選手

2way契約は「NBAの控えの控え」と見られがちですが、ここから這い上がってチームの中心になった選手もいます。代表的な3人を紹介します。

オースティン・リーブス

オースティン・リーブスは、2021年のドラフトで指名されず、サマーリーグのあとにレイカーズと2way契約を結びました。プレシーズンでの評価が高く、契約からわずか1か月ほどで、開幕前に本契約へ切り替えられています。

その後はシュート力と勝負強さで出場時間を増やし、2023年に4年5,380万ドルで再契約しました。2025-26シーズンは平均23.3得点を記録し、レイカーズの得点源として欠かせない存在になっています。

2026年のオフには、4年総額約1億8,480万ドル(約277億円)でレイカーズと再契約したと報じられました。2way契約から始まった選手としては、異例の大型契約です。

レイカーズからレブロン・ジェームズや八村塁などの主力が離脱し、リーブスとルカ・ドンチッチを中心としたチーム作りを進めています。

アレックス・カルーソ

アレックス・カルーソは、2016年のドラフトで指名されず、Gリーグでプレーしていました。2017年、2way契約が導入された最初の年にレイカーズと2way契約を結び、2シーズンをNBAとGリーグの両方で過ごしています。

2019-20シーズンから本契約に切り替わり、粘り強いディフェンスでレイカーズの2020年の優勝に貢献しました。ブルズ移籍後は2023年、2024年と2年連続でオールディフェンシブチームに選ばれています。

2024年にサンダーへ移籍し、2025年には2度目の優勝を経験しました。ディフェンスのスペシャリストとして、優勝を狙うチームに欠かせない選手です。

ルーゲンツ・ドート

ルーゲンツ・ドートは、2019年のドラフトで指名されず、同年7月にサンダーと2way契約を結びました。1年目の途中から先発に定着し、2020年に本契約へ切り替えられています。

相手のエースを抑え込むディフェンスが持ち味で、2021年には5年総額8,750万ドルの大型契約を結びました。その後オールディフェンシブチームにも選ばれ、2025年にはサンダーの優勝メンバーになっています。

カルーソとドートは、どちらもディフェンスで評価をつかんだ選手です。2way契約の選手にとって、守備で計算できることは出場時間を得るための大きな武器になります。

2way契約を結んだことのある日本人選手

日本人選手にとっても、2way契約はNBAへの重要な入り口です。ここでは、2way契約を経験した2人の日本人選手を紹介します。

渡邊雄太

渡邊雄太選手は、ジョージ・ワシントン大学を卒業した2018年に、グリズリーズと2way契約を結びました。2way契約を結んだ初めての日本人選手で、田臥勇太選手に続いて日本人2人目のNBAプレーヤーになりました。

グリズリーズでは2シーズン、2way契約でNBAとGリーグを行き来しました。その後ラプターズに移り、2020-21シーズンの途中で念願の本契約を勝ち取っています。

2022年にはネッツへ移籍し、スリーポイントシュートの成功率の高さで注目されました。

接戦のクラッチタイムでカイリー・アービングにスリーポイントシュートを任されるほどの信頼を得ており、ネッツ時代には素晴らしいハイライトを残しました。

サンズ、グリズリーズでもプレーし、2024年に日本のBリーグへ戻っています。2way契約から本契約をつかんだ日本人選手として、後に続く選手の道を開いた存在です。

河村勇輝

河村勇輝選手は、2024年にエグジビット10契約でグリズリーズのトレーニングキャンプに参加しました。プレシーズンで評価を受け、2024年10月に2way契約へ切り替えられています。日本人4人目のNBAプレーヤーとなり、1年目はNBAで22試合に出場しました。

2025年はブルズと契約しましたが、開幕直前に右下腿の血栓が見つかり、契約を解除されています。それでも回復後の2026年1月、ブルズと再び2way契約を結び、NBAのコートに戻りました。シーズン途中の契約だったため、年俸は日割りでの支払いです。

2026年8月にはクリッパーズとエグジビット10契約を結び、八村塁選手とのチームメイトとしても注目を集めました。しかし、開幕前の10月12日に解雇されています。今後は、クリッパーズ傘下のサンディエゴ・クリッパーズでプレーし、再び2way契約や本契約を目指すとみられています。

まとめ

2way契約は、NBAとGリーグを行き来しながらプレーする契約です。1チーム3人まで、NBAの試合は最大50試合までと制限はありますが、年俸は2026-27シーズンで約1億円と、NBAを目指す選手にとって大きなチャンスになっています。

リーブスやカルーソ、ドートのように、2way契約から主力へ成長した選手も少なくありません。ニュースで「2way契約」という言葉を見かけたら、その選手がこれからどう這い上がっていくのか、注目してみると観戦がもっと楽しくなります。