NBAバスケットボール

八村塁とは?NBAでの成績・これまでの経歴・年俸を解説

日本人バスケットボール選手として、もっとも成功しているNBAプレーヤーが八村塁です。2019年に日本人初のドラフト1巡目指名を受けてNBA入りし、そこから7シーズンにわたって第一線でプレーし続けています。

2026年オフにはフリーエージェントとしてロサンゼルス・クリッパーズと契約。ウィザーズ、レイカーズに続くキャリア3球団目を迎えることになりました。

この記事では、八村塁のプロフィールと経歴、NBAでの成績、プレースタイル、クリッパーズ移籍の内容、年俸、そして日本代表での活躍までをまとめて解説します。

八村塁のプロフィール

まずは基本情報を確認しておきましょう。

名前八村塁(はちむら るい)
生年月日1998年2月8日(28歳)
出身地富山県富山市
身長203cm
ポジションフォワード
所属チームロサンゼルス・クリッパーズ(背番号28)
ドラフト2019年 1巡目全体9位
出身校明成高校(宮城)→ ゴンザガ大学
※年齢は2026年9月時点のものです。

203cmのフォワードという体格は、日本国内では突出した高さですが、NBAでは平均をやや上回る程度です。そのサイズでリーグに定着し続けている点が、八村の評価の高さを物語っています。

八村塁の経歴

NBA入りするまでの八村は、高校から大学、そしてドラフトへと段階的に評価を上げていきました。その道のりを振り返ります。

富山から宮城・明成高校へ

八村は富山県富山市の出身です。高校進学のタイミングで地元を離れ、宮城県の名門・明成高校へ入学しました。

恵まれた体格と高い技術を武器に1年生から主力として起用され、3年時にはチームのエースとしてウィンターカップ優勝を経験しています。

この時点ですでに、高校世代では敵なしといえる存在でした。

U-17世界選手権での活躍とゴンザガ大学進学

八村の名前が世界に知られるきっかけとなったのが、2014年の17歳以下(U-17)の世界選手権です。日本代表として出場し、その得点力が海外の関係者から高く評価されました。

この活躍によってアメリカの大学リーグ(NCAA)の複数校から勧誘を受け、八村が選んだのが強豪ゴンザガ大学でした。

NBAを目指す選手にとって、NCAAで評価されることはドラフト指名への最短ルートです。八村は高校卒業後にアメリカへ渡るという決断で、その王道ルートに乗ることになりました。

2019年 日本人初のNBAドラフト1巡目指名

そして2019年、八村は日本人初となるNBAドラフト1巡目指名を受け、全体9位でワシントン・ウィザーズと契約します。

NBAドラフトの1巡目は全体30位までで、上位指名の選手には即戦力としての活躍が期待されます。全体9位という順位は、八村が「将来性を買われた選手」ではなく「すぐに使える選手」として評価されていたことを意味します。

それまで日本人のNBA選手は田臥勇太と渡邊雄太の2人だけで、いずれもドラフト外からの挑戦でした。八村の1巡目指名は、日本バスケットボール界にとって大きな節目となりました。

NBAでの成績とチームの変遷

八村はNBA7シーズンで通算405試合に出場し、平均12.6得点4.6リバウンドを記録しています。フィールドゴール成功率49.9%、3ポイント成功率39.4%という数字も残しています。

ウィザーズ時代(2019-2023)

ルーキーイヤーの2019-20シーズンから、八村は主力として起用されました。48試合の出場で平均13.5得点6.1リバウンドを記録し、平均出場時間は30.1分。1巡目9位という期待にすぐ応えた形です。

2020-21シーズンには57試合で平均13.8得点。ここまでがキャリアの平均得点としては最も高い時期でした。

一方で3ポイント成功率はルーキーイヤーが28.7%と苦戦しており、この時期の八村はまだ「インサイドとミドルレンジの選手」でした。

変化が現れたのが2021-22シーズンです。出場は42試合にとどまりましたが、3ポイント成功率が44.7%まで跳ね上がりました。ここからシューターとしての側面が加わっていきます。

レイカーズ時代(2023-2026)

2022-23シーズン途中のトレードで、八村はロサンゼルス・レイカーズへ移籍しました。レブロン・ジェームズが所属する名門への移籍で、日本国内でも大きく報じられました。

移籍当初はベンチからの出場が多かったものの、J・J・レディックHC体制になってからはスターターに定着します。

2023-24シーズンは68試合で平均13.6得点、フィールドゴール成功率53.7%、3ポイント成功率42.2%。2024-25シーズンも59試合で平均13.1得点3ポイント成功率41.3%と、効率の高さが際立つようになりました。

2025-26シーズンは68試合に出場し、うち41試合で先発。平均11.5得点3.3リバウンドという数字で、3ポイント成功率44.3%はレイカーズの球団記録を更新したと報じられています

平均得点が下がっているのは、調子を落としたからではありません。当時のレイカーズはルカ・ドンチッチ、レブロン・ジェームズ、オースティン・リーブスがオフェンスの中心でボールを長く保有しており、八村へのパスがそもそも多くなかったという事情があります。

少ないチャンスで効率良く得点していたものの、シュート数が伸びなければスタッツも伸びません。

クリッパーズでは役割も変わってくるはずなので、得点効率だけではなく平均得点の増加も期待されます。

シーズンごとの成績

ここまでの流れを、シーズンごとの数字で並べると変化がよく分かります。

シーズン所属試合平均得点平均リバウンド3P成功率
2019-20ウィザーズ4813.56.128.7%
2020-21ウィザーズ5713.85.532.8%
2021-22ウィザーズ4211.33.844.7%
2022-23ウィザーズ3013.04.333.7%
2022-23レイカーズ339.64.729.6%
2023-24レイカーズ6813.64.342.2%
2024-25レイカーズ5913.15.041.3%
2025-26レイカーズ6811.53.344.3%

2022-23シーズンはシーズン途中の移籍のため、ウィザーズとレイカーズで分けて記載しています。

平均得点はどのシーズンも10得点前後で安定していますが、注目したいのは3ポイント成功率が後半に向かって上がり続けている点です。役割の変化にあわせて、八村自身がプレースタイルを作り替えてきたことが数字に表れています。

八村塁のプレースタイル

数字の内訳を見ると、八村がNBAでどう生き残ってきたのかが見えてきます。

ミドルレンジとフィジカルの強さ

八村の原点となる武器が、体格を活かした1対1とミドルレンジのシュートです。203cmという高さと厚みのある体を使い、自分より小さい相手に対しては強引にでも押し込んで得点できます。

近年のNBAは3ポイントとゴール下に得点が集中し、ミドルレンジは「効率の悪いエリア」とされてきました。しかし高確率で沈められる選手にとっては、ディフェンスが手薄になった分だけ得やすいエリアでもあります。

クリッパーズの球団幹部が獲得時に「サイズを活かしてミスマッチを突く効率的なミドルレンジのスコアラー」と評価しているとおり、この武器はいまも八村の中心にあります。

3ポイントシューターへの進化

八村のキャリアでもっとも大きな変化が、3ポイントシュートです。ルーキーイヤーの成功率は28.7%でしたが、直近3シーズンは42.2%、41.3%、44.3%と40%超えが定着しています。

NBAの3ポイント成功率は35%を超えれば十分に評価される水準です。40%を継続的に超える選手はリーグでも限られており、八村はその領域に入っています。

この変化には大きな意味があります。スター選手がボールを持つチームでは、周りの選手には「コート上のスペースを広げ、パスが回ってきたら確実に決める」役割が求められるからです。

得点数を追うのではなく、少ないシュートを高確率で決める。八村はこの役割を極めることで、強豪チームで居場所を確保してきました。

課題とされてきた点

一方で、指摘されることが多いのがアシスト数です。通算の平均アシストは1.2本で、2025-26シーズンは0.8本でした。

ただしこれは、能力よりも役割による数字という側面が強いといえます。レイカーズではドンチッチやレブロンがゲームを作る役割を担っており、八村がボールを長く持つ場面はほとんどありませんでした。

リバウンドも2025-26シーズンは平均3.3本まで下がりましたが、ルーキーイヤーには6.1本を記録しています。出場時間やチーム構成によって数字が動くタイプだと考えたほうが正確です。

つまり八村の評価を測るうえで重要なのは、平均得点やアシストの絶対値よりも、与えられた役割の中でどれだけ効率的に仕事をしているかという視点です。

2026年オフにクリッパーズへ移籍

2026年のオフシーズン、八村のキャリアに大きな転機が訪れます。

2年2,800万ドルの契約内容

レイカーズとの契約が満了してフリーエージェントとなった八村は、ロサンゼルス・クリッパーズと2年2,800万ドルで契約合意しました。ウィザーズ、レイカーズに続くNBAキャリア3球団目です。

契約の2年目はチームオプションとなっており、球団側が継続するかを判断する形になっています。

複数球団が関心を示すなかでクリッパーズに決まった背景には、八村自身がロサンゼルスに残ることを強く希望したと報じられています。レイカーズから同じ都市のライバル球団へ、という日本人選手としては初めてのキャリア選択になりました。

クリッパーズでの役割

クリッパーズが八村に何を期待しているのかは、獲得時の球団幹部のコメントに表れています。

球団バスケットボール部門社長のローレンス・フランクは、八村を「エリートな3ポイントシューターであり、サイズを活かしてミスマッチを突く効率的なミドルレンジのスコアラー」と評価。さらに「1対1のディフェンス力とフロアを広げる能力でフロントコートを強化してくれる」と述べています。

つまりレイカーズで築いてきた「高確率のシューター」「サイズで優位に立てるフォワード」という役割が、そのまま評価されて獲得に至ったということです。

2026-27シーズンの起用法はチーム編成やヘッドコーチの判断によりますが、フロントコートの主要な戦力として計算されていることは間違いありません。

河村勇輝とのチームメート

この移籍にはもう一つ、日本のファンにとって見逃せない要素があります。河村勇輝も同じクリッパーズと契約したことです。

河村が結んだのは「エグジビット10」と呼ばれる契約で、NBAの最低年俸による無保証契約です。シーズン開幕前に2WAY契約へ切り替えることが可能で、解除された場合もクリッパーズ傘下のGリーグチームと契約できる可能性があります。

ただしクリッパーズの2WAY契約枠は3人すべてが埋まっているため、河村がNBAで生き残るにはトレーニングキャンプやプレシーズンで現在の2WAY選手との競争に勝つ必要があります。

河村が契約を勝ち取れば、NBAの舞台で日本人選手2人が同じチームで戦うという初めての光景が実現します。2人は日本代表でもチームメートです。

詳しくは【八村塁・河村勇輝所属】ロサンゼルス・クリッパーズの視聴方法で紹介しています。

八村塁の年俸

八村の年俸は、日本人バスケットボール選手として歴代最高額です。

2025-26シーズンの年俸は約1,826万ドル(約27.8億円)でリーグ97位。NBA全体で500人近い選手がいるなかでの100位前後という位置は、主力級の待遇といえます。

クリッパーズとの新契約は2年2,800万ドルなので、2026-27シーズンの年俸は1,400万ドルとなります。単年の金額では前シーズンより下がる計算です。

金額だけを見れば後退に映りますが、ロサンゼルス残留を優先した選択であることを踏まえると、条件よりも環境を取った契約だと読み取れます。

NBA全体の年俸事情はNBA選手の年俸ランキングでまとめています。

日本代表での八村塁

八村はNBAでのキャリアと並行して、バスケットボール男子日本代表のエースとしても戦ってきました。

2021年の東京オリンピックでは日本選手団の旗手を務めました。試合ではチームトップの平均22.3得点を記録しましたが、スペイン・スロベニア・アルゼンチンと同組となった1次リーグで3連敗。出場12か国中11位という結果でした。

2023年のワールドカップは、NBAでのキャリアを優先する判断から欠場。日本代表はこの大会でパリ五輪の出場権を獲得しています。

2024年のパリオリンピックには出場し、グループフェーズで平均22.0得点を記録。これは大会全体の平均得点ランキング2位という数字でした。フランス戦を延長戦まで追い込むなど見せ場は作りましたが、チームは再び3連敗で1次リーグ敗退となりました。

そして2026年、八村はパリ五輪以来となる日本代表に復帰します。FIBAバスケットボールワールドカップ2027の予選に参加し、約2年ぶりの代表戦となった韓国戦では22得点を記録。国内での代表戦としては約5年ぶりのプレーとなり、大きな話題になりました。

その後の最終予選でも得点源として機能し、サウジアラビア戦では29得点、カタール戦では3ポイント6本を含む30得点でチームを牽引しています。

河村勇輝や渡邊雄太とともにコートに立つ場面も実現し、日本代表としては層の厚い布陣が組めるようになりました。

ただしNBAのシーズンと代表活動の日程は重なる部分が多く、シーズン中の招集は現実的ではありません。八村が代表に参加できるのは基本的にオフシーズンの限られた期間だけ、という制約は今後も続きます。

八村塁の試合を見る方法

八村が所属するクリッパーズの試合は、日本でも視聴できます。

中心となるのがAmazon Prime Videoです。プライムビデオは月額600円(税込)、年額5,900円(税込)で、年額プランを選ぶと年間1,300円お得になります。

プライムビデオからNBA League Passを契約した場合でも、NBA公式サイトおよびアプリに連携すれば、NBA公式サイト・アプリから視聴することも可能です。

クリッパーズ戦の具体的な視聴方法や、対応デバイス・登録手順はロサンゼルス・クリッパーズの視聴方法をまとめた記事で詳しく解説しています。

日本人初のドラフト1巡目指名から7シーズン。3球団目のクリッパーズで、八村塁がどんなシーズンを送るのか注目です。