Bリーグバスケットボール

NBAでプレー経験のある日本人バスケ選手を紹介!成績や経歴も解説

世界最高峰のリーグであるNBAで、日本人選手がプレーするのは簡単なことではありません。これまでNBAの公式戦に出場した日本人は、田臥勇太、渡邊雄太、八村塁、河村勇輝のわずか4人だけです。

それでも2026年オフ、八村塁と河村勇輝がそろってロサンゼルス・クリッパーズと契約し、日本人2人が同じチームで戦う可能性が出てきました。

この記事では、NBAでプレー経験のある日本人選手を、成績や経歴とあわせて紹介します。サマーリーグまで到達した選手や、なぜNBAでプレーできる日本人が少ないのかについても解説しています。

現役でNBAでプレーしている日本人選手

まずは、2026-27シーズンにNBAでのプレーが見込まれる2人を紹介します。どちらもロサンゼルス・クリッパーズに所属しています。

八村塁(クリッパーズ)

八村塁は2019年、日本人初となるNBAドラフト1巡目指名でワシントン・ウィザーズと契約しました。全体9位という高い評価で、アメリカのゴンザガ大学からNBA入りしています。

203cmのフォワードで、ウィザーズでは主力として活躍。2023年のトレードでロサンゼルス・レイカーズへ移籍しました。当初はベンチスタートが多かったものの、J・J・レディックHC体制になってからはスターターに定着しています。

2025-26シーズンは68試合に出場して平均11.5得点3.3リバウンドを記録。特筆すべきは3ポイント成功率44.3%で、キャリアハイであると同時にレイカーズの球団記録を更新する数字でした。

レイカーズではルカ・ドンチッチ、レブロン・ジェームズ、オースティン・リーブスがオフェンスの中心でボールを長く保有していたため、八村のシュート数は多くありませんでした。少ないチャンスで効率良く得点していたものの、スタッツは伸びにくい状況だったといえます。

2025-26シーズンのトレード・デッドラインでは移籍の噂も出ましたが、結果的に残留。八村の得点が多い試合は勝率が高いというデータもあり、チームの勝利に必要な選手だという評価も少なくありませんでした。

そして2026年オフ、FAとなった八村はクリッパーズと2年2,800万ドルで契約合意。ウィザーズ、レイカーズに続くNBAキャリア3球団目となります。

なお2025-26シーズンの年俸は約1,826万ドル(約27.8億円)でリーグ97位。日本人バスケットボール選手として歴代最高額です。年俸の詳細はNBA選手の年俸ランキングで紹介しています。

河村勇輝(クリッパーズ・エグジビット10契約)

身長172cmのポイントガード、河村勇輝は2024-25シーズンにメンフィス・グリズリーズと2WAY契約を結び、日本人4人目のNBAプレーヤーとなりました。ただしシーズン終了後、グリズリーズとの再契約はありませんでした。

2025年のサマーリーグではシカゴ・ブルズの一員としてアピールに成功し、ブルズと2WAY契約を締結。ところが開幕直前に右下腿の血栓が判明し、無念の契約解除となってしまいます。

それでもチーム施設でリハビリを続け、2026年1月にブルズと再び2WAY契約を締結。1月31日、敵地でのヒート戦で293日ぶりにNBAの舞台へ復帰しました。2025-26シーズンはNBAで18試合に出場し、平均3.4得点2.6アシストを記録しています。

Gリーグでは11試合で平均18.7得点11.0アシストと躍動。持ち味である高いパスセンスと創造性を発揮し、存在感を示しました。

一方、2026年夏に参加したインディアナ・ペイサーズのサマーリーグでは、5試合で平均8.2得点4.8アシスト、フィールドゴール成功率34.4%。河村自身も「正直、自分のプレーはひどかった」と振り返るなど、悔しさをにじませました。

それでもその経験を糧に新たなチャンスをつかみ、クリッパーズと「エグジビット10」契約を結ぶことで合意しています。

エグジビット10契約はNBAの最低年俸による無保証契約で、シーズン開幕前に2WAY契約へ切り替えることが可能です。さらに契約を解除された場合でも、クリッパーズ傘下のGリーグチームと契約できる可能性があります。

ただしクリッパーズの2WAY契約枠は3人すべてが埋まっているため、河村がNBAで生き残るには、トレーニングキャンプやプレシーズンで結果を残し、現在の2WAY選手との競争に勝つ必要があります。

NBA本契約を目指す河村にとって、まさに勝負の3年目です。同じクリッパーズには日本代表でもチームメートだった八村塁がいるため、NBAの舞台で日本人選手2人が共闘する可能性も出てきました。

2人が所属するクリッパーズの試合を日本で見る方法は、ロサンゼルス・クリッパーズの視聴方法をまとめた記事で解説しています。

NBAでプレー経験のある日本人選手

続いて、NBAの公式戦でプレーした経験があり、現在は日本国内でプレーしている2人を紹介します。この2人がいなければ、いまの八村や河村の挑戦もありませんでした。

田臥勇太(宇都宮ブレックス)

田臥勇太は日本人として初めてNBAでプレーした選手です。秋田県立能代工業高等学校で3年連続9冠という圧倒的な実績を残し、卒業後はブリガムヤング大学ハワイ校へ留学しました。

2004年9月6日にフェニックス・サンズと契約し、同年11月1日に開幕ロースターへ登録。日本人初のNBAプレーヤーが誕生した瞬間でした。

デビュー戦となった現地11月2日の開幕戦では、約10分間の出場で3ポイントを含む7得点を記録しています。

2004-05シーズンの出場は4試合、合計17分で7得点3アシスト。同年12月18日に解雇され、NBAでのキャリアは短いものに終わりました。当時のチームメートには、のちにシーズンMVPを2度獲得するスティーブ・ナッシュがいます。

身長173cmのポイントガードという体格でNBAのコートに立った事実は、それだけで異例のことでした。2026年9月時点では45歳になった今も宇都宮ブレックスで現役を続けています。

渡邊雄太(千葉ジェッツ)

渡邊雄太は2018年7月にメンフィス・グリズリーズと2WAY契約を結び、日本人2人目のNBAプレーヤーとなりました。206cmのフォワードで、アメリカのジョージ・ワシントン大学出身の左利きシューターです。

グリズリーズのあとはトロント・ラプターズへ移籍し、2021年4月に2WAY契約から本契約へ昇格。日本人選手として着実にNBAでの居場所を広げていきました。

キャリアハイはブルックリン・ネッツ時代の2022-23シーズンで、58試合に出場して平均5.6得点2.4リバウンド。3ポイント成功率44.4%はリーグでもトップクラスの数字でした。

ネッツ時代の1番のハイライトは、4Q残り時間が少ない中カイリー・アービングからパスをもらってスリーを決めたシーンでしょう。

このクラッチスリーに感動・興奮した方も少なくないでしょう。

その後フェニックス・サンズを経て、2024年にはグリズリーズへ復帰。NBA通算213試合に出場し、平均4.2得点2.3リバウンド、フィールドゴール成功率42.6%という数字を残しました。プレーオフにもラプターズとネッツで出場しています。

2024年7月に千葉ジェッツへの入団を発表し、活躍の場を日本へ移しました。2026年7月には契約継続が発表され、Bリーグ3年目・Bプレミア初年度となる2026-27シーズンも背番号1を背負って戦います。

サマーリーグでプレー経験のある選手

NBAサマーリーグは、毎年7月にラスベガスで開催される公式イベントです。全30チームが参加し、ドラフト直後のルーキーや契約前の選手が力を試す場になっています。

全試合がESPN系列やNBA TVで中継されるため、30チームの首脳陣に一度にアピールできる機会でもあります。ここでの評価がトレーニングキャンプへの招待や2WAY契約につながることも多く、NBAへの実質的な入口といえる存在です。

これまでにサマーリーグへ参戦した日本人選手は以下のとおりです。

選手名参戦年サマーリーグでの所属NBA公式戦
田臥勇太2003年・2004年ほかマーベリックス、サンズなど出場あり(4試合)
富樫勇樹2014年マーベリックス出場なし
渡邊雄太2018年ネッツ出場あり(213試合)
八村塁2019年ウィザーズ出場あり(現役)
比江島慎2019年ペリカンズ出場なし
馬場雄大2019年・2022年・2025年マーベリックス、ウォリアーズ、ニックス出場なし
河村勇輝2024年・2025年・2026年グリズリーズ、ブルズ、ペイサーズ出場あり(2シーズン)
富永啓生2025年ペイサーズ出場なし

このうちNBAの公式戦にたどり着けたのは4人だけです。サマーリーグに出ること自体が高いハードルであり、そこからさらに絞り込まれるという現実がよく分かります。

富樫勇樹は2014年10月にマーベリックスとNBA選手契約を結びましたが、開幕前に解雇。傘下のテキサス・レジェンズでプレーしたのち、2015年から千葉ジェッツに加入しました。契約までたどり着いても、公式戦の出場は保証されないという厳しさを示す例です。

馬場雄大は2019年・2022年・2025年と3度参戦しており、日本人では最多クラスの挑戦回数を重ねています。

なぜNBAでプレーできる日本人は少ないのか

日本のバスケットボールのレベルは年々上がっていますが、NBAでプレーできる選手はいまだにごくわずかです。その理由を3つの角度から見ていきます。

体格の問題

もっとも大きな壁が体格です。NBA選手の平均身長は約199cmで、日本人男性の平均を30cm近く上回ります。

八村塁の203cm、渡邊雄太の206cmは日本国内では突出した高さですが、NBAでは平均をやや上回る程度です。日本でトップクラスの体格が、NBAでは「標準的なウイング」になってしまいます。

田臥勇太の173cm、河村勇輝の172cmとなると、NBAでは極端に小柄な部類です。マッチアップ相手と20cm以上の差がつく場面も珍しくありません。

さらに問われるのは身長だけではありません。体重、筋力、ウィングスパンといった要素すべてで世界のトップと渡り合う必要があります。

競技人口の問題

日本のバスケットボール競技人口は、決して少ないわけではありません。日本バスケットボール協会(JBA)の2025年の競技者登録数は582,670人(3×3を除く)で、実施人口の推計では236万人という調査もあります。

ただし、アメリカと比べると話は変わります。アメリカでは高校の男子バスケットボール部員だけで約53万7,000人(2022-23年の全米高体連調査)。日本の全年代・男女を合わせた登録者数と、ほぼ同じ規模がアメリカの高校男子だけで存在している計算です。

その上にNCAA(アメリカの大学リーグ)があり、さらに世界中から選手が集まります。対してNBAのロースターは30チーム×15人で約450席しかありません。

母数が大きければ、それだけ突出した才能が現れる確率も上がります。日本の競技人口が増え、そのなかから世界レベルの選手が出てくるまでには、まだ時間が必要だといえるでしょう。

加えて日本では、身体能力に恵まれた子どもが野球やサッカーへ進むケースも多くあります。競技人口の総数だけでなく、トップクラスの運動能力を持つ選手がどれだけバスケットボールに集まるかという点も、NBA級の選手が生まれにくい理由のひとつです。

ポジションの問題

3つ目は、育成年代でのポジションの決まり方です。日本では身長2m前後の選手がいると、ほぼ自動的にセンターを任される傾向があります。チームで一番背が高い選手をゴール下に置くのが、勝つための最短ルートだからです。

ところがNBAでは事情がまったく違います。2m前後のガードやフォワードがいくらでもいるからです。得点王のルカ・ドンチッチは201cmでガードを務め、206cmのレブロン・ジェームズはフォワードとしてゲームメイクまでこなします。

この違いが、そのまま技術の差になって表れます。センターとして育った選手はゴール下のプレーが中心になり、ボールを運ぶ機会もアウトサイドから打つ機会も限られます。一方でアウトサイドの選手として育てば、10代のうちからドリブルと3ポイントを毎日磨き続けることになります。

その結果、同じ2mの選手でも、NBAに来たときのハンドリングやシュート力に大きな差がついてしまいます。日本で「大きい選手」だった選手が、NBAでは「平均的なサイズなのに、外の技術が足りない選手」になってしまうのです。

八村塁と渡邊雄太がNBAで居場所を確保できたのは、200cmを超えるサイズを持ちながら、ウイングとして外からも得点できる技術を身につけていたからです。ディフェンスで複数のポジションを守れる点も、現代のNBAでは大きな価値になります。

逆に河村勇輝のように172cmでNBAを目指す場合は、身長のハンデを補って余りある武器が求められます。河村の場合は、Gリーグで平均11.0アシストを記録したパスセンスと創造性がその武器です。

体格・競技人口・ポジションという3つの壁があるからこそ、NBAに挑む日本人選手の一歩一歩には大きな価値があります。2026-27シーズン、八村塁と河村勇輝がクリッパーズでどんな景色を見せてくれるのか注目です。

NBAの試合を日本で見る方法はNBAの視聴方法をまとめた記事で解説しています。あわせてチェックして、日本人選手の挑戦を見届けてください。