WBC 2026の出場国・グループ分けと注目国の戦力分析|強豪国を徹底比較
2026年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、世界20カ国が野球世界一の座をかけて激突する最高峰の国際大会です。
前回大会で3度目の優勝を果たした日本代表は連覇を目指し、大谷翔平選手をはじめとするメジャーリーグのスター選手たちが既に出場を表明しています。
今大会の優勝候補筆頭は、前回準優勝のアメリカと、2013年大会覇者のドミニカ共和国。アメリカはアーロン・ジャッジ選手などMLBのスーパースターで構成される「ドリームチーム」を結成し、雪辱を期します。
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WBC 2026の出場国・グループ分け
第6回WBCには20の国と地域が参加します。1次ラウンドは4つのプールに分かれて総当たり戦を行い、各プールの上位2チームが準々決勝に進出します。
開催地は日本の東京、プエルトリコのサンフアン、アメリカのヒューストンとマイアミの4都市です。各プールの組み合わせは地域性と競技レベルを考慮して決定されました。
| プール | 開催地 | 出場国 |
|---|---|---|
| A組 | サンフアン(プエルトリコ) | プエルトリコ、キューバ、カナダ、パナマ、コロンビア |
| B組 | ヒューストン(アメリカ) | アメリカ、メキシコ、イタリア、イギリス、ブラジル |
| C組 | 東京(日本) | 日本、オーストラリア、韓国、チェコ、チャイニーズ・タイペイ |
| D組 | マイアミ(アメリカ) | ドミニカ共和国、ベネズエラ、オランダ、イスラエル、ニカラグア |
D組は「死の組」と呼ばれ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、オランダといった強豪国が集結しました。マイアミはドミニカ系移民が多く、ドミニカ共和国にとっては実質的なホームとなります。
WBCに参加する強豪国
世界各国から集まる代表チームの中でも、特に注目される強豪国の戦力を分析します。
各国の特徴や主力選手、大会での目標を詳しく見ていきましょう。
日本代表(侍ジャパン)
前回2023年大会で劇的な優勝を飾り、通算3度目の世界一に輝いた侍ジャパンは、今大会も優勝候補の筆頭に挙げられます。
WBSC世界ランキングでは長らく1位を維持しており、実力は世界的に認められています。
日本代表の第一陣発表選手(2025年12月26日発表)
| ポジション | 選手名 | 所属 | WBC出場歴 |
|---|---|---|---|
| 投手 | 大谷翔平 | ドジャース | 2大会連続 |
| 投手 | 山本由伸 | ドジャース | 2大会連続(参加有力) |
| 投手 | 松井裕樹 | パドレス | 3大会連続 |
| 投手 | 菊池雄星 | エンゼルス | 初出場 |
| 投手 | 伊藤大海 | 日本ハム | 2大会連続 |
| 投手 | 宮城大弥 | オリックス | 2大会連続(参加有力) |
| 投手 | 種市篤暉 | ロッテ | 初出場 |
| 投手 | 平良海馬 | 西武 | 初出場 |
| 投手 | 大勢 | 巨人 | 2大会連続 |
| 投手 | 石井大智 | 阪神 | 初出場 |
主な参加有力選手(野手)
| ポジション | 選手名 | 所属 | 2025年成績 |
|---|---|---|---|
| 外野手 | 鈴木誠也 | カブス | 32本塁打(自己最多) |
| 内野手 | 村上宗隆 | ホワイトソックス | メジャー移籍決定 |
| 内野手 | 岡本和真 | ブルージェイズ | 4年6000万ドルで契約 |
| 内野手 | 佐藤輝明 | 阪神 | 40本塁打100打点、二冠王 |
チームの中心は、投打の二刀流で世界の野球界を席巻する大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)です。早々に出場を表明し、チームを牽引する覚悟を示しています。2025年には二刀流復活でワールドシリーズ連覇とMVPを獲得し、MLB MVP4回(全て満票)、ハンク・アーロン賞3回という偉業を成し遂げました。
メジャーリーグ組では、松井裕樹投手(サンディエゴ・パドレス)が3大会連続の出場となります。菊池雄星投手(ロサンゼルス・エンゼルス)は待望のWBC初選出です。2025年には日本人左腕通算勝利数1位を達成し、メジャー通算1000奪三振も記録しました。
国内組も充実しています。伊藤大海投手(日本ハム)は2025年シーズンに沢村賞に輝き、14勝8敗、195奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得しました。石井大智投手(阪神)は2025年シーズンに50試合連続無失点の世界記録と49イニング連続無失点のNPB記録を樹立し、防御率0.17という驚異的な成績を残しました。
野手陣では、佐藤輝明選手(阪神タイガース)が2025年に40本塁打100打点を記録し、セ・リーグの本塁打王と打点王の二冠に輝きました。村上宗隆選手はポスティングシステムでメジャー移籍が決定し、所属球団のホワイトソックスがWBC参加を容認しています。岡本和真選手も2026年1月にブルージェイズと4年6000万ドルで契約し、メジャー移籍を果たしました。
投打ともに高いレベルでバランスが取れており、チーム総合力は非常に高いといえるでしょう。井端弘和監督の下、WBC史上初の連覇を目指します。
アメリカ代表
前回大会、決勝で日本に敗れ準優勝に終わったアメリカは、雪辱を果たすべく史上最強とも言える布陣を揃えつつあります。
マーク・デローサ監督が続投し、「打倒・日本」への執念は強いものがあります。
アメリカ代表の主な出場決定選手
| ポジション | 選手名 | 所属 | 2025年成績 |
|---|---|---|---|
| 投手 | ポール・スキーンズ | パイレーツ | 32試合 10勝10敗 防御率1.97 奪三振216 |
| 投手 | タリク・スクーバル | タイガース | 31試合 13勝6敗 防御率2.21 奪三振241 |
| 投手 | クレイトン・カーショウ | 前ドジャース | 23試合 11勝2敗 防御率3.36 奪三振84 |
| 捕手 | カル・ローリー | マリナーズ | 159試合 打率.247 60本塁打 125打点 |
| 内野手 | ボビー・ウィットJr. | ロイヤルズ | 157試合 打率.295 23本塁打 38盗塁 |
| 内野手 | ブライス・ハーパー | フィリーズ | 132試合 打率.261 27本塁打 75打点 |
| 外野手 | アーロン・ジャッジ | ヤンキース | 152試合 打率.331 53本塁打 114打点 |
| 外野手 | カイル・シュワーバー | フィリーズ | 162試合 打率.240 56本塁打 132打点 |
野手陣には、アーロン・ジャッジ選手(ニューヨーク・ヤンキース)、ブライス・ハーパー選手(フィラデルフィア・フィリーズ)といったMVP受賞経験のあるスーパースターが名を連ねます。特にジャッジ選手は2025年シーズンに53本塁打を記録し、主将として今大会初出場を果たします。
捕手のカル・ローリー選手は2025年に60本塁打を放ち、捕手として史上最多となる本塁打記録を樹立しました。攻守でMLBトップクラスの実力を誇ります。
投手陣も充実しています。若手本格派のタリク・スクーバル投手(デトロイト・タイガース)は2年連続でサイ・ヤング賞を受賞した左腕で、代表のエースとして期待されます。ポール・スキーンズ投手(ピッツバーグ・パイレーツ)も2025年にサイ・ヤング賞を獲得した新世代のスター投手です。
さらに注目は、2025年シーズン限りで現役引退を表明したクレイトン・カーショウ投手の参加です。通算223勝を挙げたレジェンド投手が、最後の舞台としてWBCを選びました。
マイケル・ヒルGMは、大谷翔平選手を抑えるための”武器”を揃えると公言しており、投手陣の選考にも注目が集まります。デローサ監督は大谷選手の対策について「できればブルペンに何人か左腕を入れたい。彼が好まない角度から投げられる左腕をね」と語り、具体的な戦略を練っています。
ブックメーカーの予想でも、最も強力な優勝候補と目されています。
ドミニカ共和国代表
2013年大会で全勝優勝を果たしたドミニカ共和国は、今大会で再び世界の頂点を目指します。MLB選手の輩出数では他国の追随を許さず、タレント力はアメリカをも凌ぐと評されます。
ドミニカ共和国代表の主な出場決定選手
| ポジション | 選手名 | 所属 | 2025年成績 |
|---|---|---|---|
| 投手 | サンディ・アルカンタラ | マーリンズ | 31試合 11勝12敗 防御率5.36 |
| 内野手 | ブラディミール・ゲレーロJr. | ブルージェイズ | 156試合 打率.292 23本塁打 84打点 |
| 内野手 | マニー・マチャド | パドレス | 159試合 打率.275 27本塁打 95打点 |
| 内野手 | ジュニオール・カミネロ | レイズ | 154試合 打率.264 45本塁打 110打点 |
| 内野手 | エリー・デラクルーズ | レッズ | 162試合 打率.264 22本塁打 37盗塁 |
| 外野手 | フアン・ソト | メッツ | 160試合 打率.263 43本塁打 105打点 |
特に野手陣は「銀河系軍団」と称されるほどの豪華さです。フアン・ソト選手(ニューヨーク・メッツ)は2024年オフにMLB史上最高額の15年総額7億6500万ドルでメッツと契約したスーパースターです。2025年シーズンは43本塁打を記録しました。
投手陣では、元サイ・ヤング賞投手のサンディ・アルカンタラ投手が2大会連続の出場となります。打線は大会随一の破壊力を誇るでしょう。
監督には、国の英雄であるアルバート・プホルス氏が就任しました。カリスマ性でスター軍団をまとめ上げると期待されます。前回大会では豪華メンバーを揃えながら1次ラウンドで敗退しており、個々の能力をチームの勝利に結びつけられるかが最大の課題となります。
1次ラウンドの開催地マイアミはドミニカ系移民が多く、実質的なホームとして戦えます。
韓国代表
かつては国際大会で日本と数々の死闘を繰り広げた韓国ですが、WBCでは2013年、2017年、2023年と3大会連続で1次ラウンド敗退を喫しており、近年は低迷が続いています。
リュ・ジヒョン監督は今大会の目標を現実的に「ベスト8」と設定しました。控えめな目標は国内メディアから「失望を通り越して衝撃的」「代表なら優勝と叫ぶのが当然」と厳しい批判を浴びました。
戦力的には、キム・ヘソン選手(ロサンゼルス・ドジャース)、イ・ジョンフ選手(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、キム・ハソン選手(アトランタ・ブレーブス)といったMLBで活躍する野手陣がチームの中心となる見込みです。彼らがチームを牽引し、投手陣が奮起できるかが、1次ラウンド突破の鍵を握ります。
日本、オーストラリア、台湾と同じプールCに属しており、予選ラウンドから厳しい戦いが予想されます。
プエルトリコ代表
2013年、2017年大会と2大会連続で準優勝に輝いたプエルトリコは、悲願の初優勝を目指す強豪国です。
プエルトリコ代表の主な出場決定選手
| ポジション | 選手名 | 所属 | 2025年成績 |
|---|---|---|---|
| 内野手 | フランシスコ・リンドーア | メッツ | 160試合 打率.267 31本塁打 86打点 |
| 内野手 | ノーラン・アレナド | カージナルス | 107試合 打率.237 12本塁打 52打点 |
| 外野手 | ライリー・グリーン | タイガース | 157試合 打率.258 36本塁打 111打点 |
| 外野手 | ジョージ・スプリンガー | ブルージェイズ | 140試合 打率.309 32本塁打 84打点 |
フランシスコ・リンドーア選手(ニューヨーク・メッツ)が主将を務めます。MLB屈指のショートとして知られ、プラチナグラブを獲得した堅守と高い打撃能力が特徴。2023年WBCでも主将として高いリーダーシップを発揮しました。
監督は前回大会に引き続きヤディアー・モリーナ氏が務めます。コーチングスタッフにはエドガー・マルティネス氏とフアン・ゴンザレス氏が就任しました。
投手陣は、セス・ルーゴ投手(カンザスシティ・ロイヤルズ)、ホセ・べリオス投手(トロント・ブルージェイズ)、マーカス・ストローマン投手(ニューヨーク・ヤンキース)といったMLBで先発ローテーションを担う実力派を揃えます。抑えには、MLBで最優秀救援投手賞を2度受賞したエドウィン・ディアス投手(ニューヨーク・メッツ)が控えますが、前回大会で負傷して以降の状態が懸念材料です。
野手陣もMLBのスター選手が中心となりますが、アメリカやドミニカ共和国と比較すると選手層の薄さが課題とされます。
チーム全体の結束力は高く、1次ラウンドの開催国として地の利を活かせるのは大きいでしょう。A組では突破の最右翼と見られています。
ベネズエラ代表
南米の野球大国ベネズエラは、WBSC世界 ランキングでも常に上位に位置する強豪です。
MLBにはドミニカ共和国に次ぐ数の選手を輩出しており、タレント力は優勝を狙えるレベルにあります。
ベネズエラ代表の主な出場決定選手
| ポジション | 選手名 | 所属 | 主な実績 |
|---|---|---|---|
| 内野手 | ホセ・アルトゥーベ | アストロズ | 2017年MVP、首位打者3回、盗塁王2回 |
| 捕手 | サルバドール・ペレス | ロイヤルズ | ゴールドグラブ賞5回、2015年WS MVP |
| 外野手 | ロナルド・アクーニャJr. | ブレーブス | 2023年MVP、40本塁打70盗塁達成 |
ホセ・アルトゥーベ選手(ヒューストン・アストロズ)は2017年のMVP受賞者で、首位打者を3度獲得したMLBを代表するヒットメーカーです。小柄ながらパワフルな打撃と高いコンタクト能力を兼ね備えます。
ロナルド・アクーニャJr.選手(アトランタ・ブレーブス)は、2023年にMLB史上初の40本塁打70盗塁を達成し、ナショナル・リーグMVPを受賞しました。2度の大きな怪我からの復活が期待されます。
しかし、今大会最大の懸念は野球以外の要素、すなわち政治情勢です。トランプ米政権による軍事攻撃とニコラス・マドゥロ大統領の拘束を受け、両国関係は極度に悪化しました。
選手の多くは米国在住でチーム編成は可能とされますが、代表チームの米国への入国可否、賞金の扱いなど、大会参加には多くの障壁が存在します。
出場が危ぶまれる状況ですが、もし参加が実現すれば、D組を勝ち抜き、上位に進出する力は十分にあります。
メキシコ代表
前回大会で準決勝に進出し、日本と歴史的な激闘を演じたメキシコは、今や優勝候補の一角と見なされるまでに成長しました。
国内には2つのプロリーグが存在し、野球熱は非常に高いものがあります。
メキシコ代表の主な出場決定選手
| ポジション | 選手名 | 所属 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 外野手 | ランディ・アロザレーナ | マリナーズ | マリナーズの主軸、アグレッシブな打撃 |
| 外野手 | ジャレン・デュラン | レッドソックス | 俊足が武器、2024年21本塁打 |
ランディ・アロザレーナ選手(マリナーズ)は「メキシコレフトの人」として日本でも有名になりました。前回大会での腕組みドヤ顔パフォーマンスは多くのファンの記憶に残っています。
MLBでプレーする選手も多く、特に投手陣に好選手が揃っているのが特徴です。アンドレス・ムニョス投手(マリナーズ)は160キロ超の直球を誇るマリナーズの絶対的守護神で、2025年に38セーブを記録しました。
打線も力強く、粘り強い戦いぶりは前回大会で証明済みです。主将にはアレハンドロ・カーク選手(トロント・ブルージェイズ)が就任し、チームをまとめます。B組でアメリカと同組となり、再びの快進撃が期待されます。
キューバ代表
かつて「赤い稲妻」と恐れられたアマチュア最強軍団も、近年は国際舞台で苦戦が続いていました。前回2023年大会から亡命したMLB選手の代表入りが解禁されたため、戦力は大幅に向上しています。
ドジャースのアンディ・パヘス外野手や中日でもプレーしたブルージェイズのジャリエル・ロドリゲス投手らが予備ロースターに入ったと報じられています。
ただし、キューバ系アメリカ人は出場できないとの報道もあり、エンゼルスのザック・ネト選手やヤンキースのカルロス・ロドン投手は参加できない見通しです。
リバン・モイネロ投手(福岡ソフトバンクホークス)など日本で活躍する選手も多く、古豪復活なるかに注目。前回大会では準決勝でアメリカに敗れましたが、今大会でもベスト4以上を目指します。A組でプエルトリコらと対戦します。
その他の注目国、注目選手
オーストラリアは前回大会で韓国を破るなど、パワーのある打線が魅力です。侮れない存在として注目されます。
チェコは前回大会、本職が電気技師の選手が佐々木朗希投手から二塁打を放つなど、アマチュア軍団として旋風を巻き起こしました。当時注目されたマレク・フルプ選手(元読売ジャイアンツ)らがプロ経験を積み、チーム力は向上しています。
台湾は2024年のプレミア12で優勝した新王者です。WBC予選では苦戦しましたが、古林睿煬投手(北海道日本ハムファイターズ)ら若手投手陣と堅守が武器となります。
オランダはヨーロッパ最強の呼び声高く、WBCでも過去にベスト4進出経験がある実力国です。D組の「死の組」で強豪相手にどのような戦いを見せるか注目されます。
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