今シーズンのジェイテクトは補強が見事に成功している。ブルガリア出身で世界的な名選手であるカジースキ,マテイを2年ぶりに呼び戻すと、経験豊富な35歳は期待どおりに、プレーだけでなく精神的にもチームの支柱となっている。効果率1位のサーブは勝負強く、セット終盤まで少々相手にリードされていても、カジースキと効果率2位の西田有志のサーブで逆転できるという余裕をチームに与えている。また、今季アジア枠で新加入した身長210cmの中国代表ミドルブロッカー、饒書涵の存在も大きい。現在アタック決定率(バックアタック含む)1位につけており、ブロックでもフロントローで存在感を放つ。ミドルブロッカーに饒と伏見大和という2メートルを越える選手が揃ったことで、後ろで守るレシーバーはスパイクが抜けてくるコースを限定しやすくなり、ディフェンスも非常に機能し、攻守が噛み合っている。
9勝3敗で4位のサントリーサンバーズは、在籍2シーズン目を迎えた身長218センチのロシア代表ムセルスキー,ドミトリーが異次元の高さから得点を重ねている。現在アタック決定本数は1位(JT広島のエドガーと同数)だが、まだ余力を残している雰囲気がある。昨季は後半、怪我で一時期離脱したが、今季は後半戦にギアを上げてきそうだ。また、今季はアジア枠で中国代表主将の季道帥を獲得し、開幕からアウトサイドのレギュラーとして起用している。サーブレシーブの安定感には欠けるが、スパイク、ブロック、サーブはよく、特にサーブ好調時は勝利を大きく引き寄せる力がある。