パウンド・フォー・パウンド(PFP)とは?井上尚弥の順位は?最新ランキングを紹介!

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この記事では、「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」の最新ランキングやその意味、歴史を紹介しています。

PFPは、体重差を超えた純粋な実力を測るランキングで、「ザ・リング誌」が発表しているランキングには、日本から井上尚弥選手中谷潤人選手寺地 拳四朗選手がランクインしています。

PFPの歴史や意味、最新ランキングの詳細を見ていきましょう。

【2025年6月12日更新】リング誌パウンド・フォー・パウンド(PFP)最新ランキング

ボクシング界で最も権威ある「ザ・リング誌」が発表する世界最強ボクサーランキングを紹介します。

1922年の創刊以来、100年以上の歴史を持つメディアによる評価は、世界中のボクシング関係者から注目を集めています。

1位 オレクサンドル・ウシク

出典:ESPN

オレクサンドル・ウシクはウクライナ出身のヘビー級王者です。

2012年ロンドン五輪金メダリストとして輝かしい実績を持ち、プロ転向後も無敗の記録を継続中です。

戦績23勝0敗(14KO)で、WBA、WBC、WBOのタイトルを保持。

クルーザー級では4団体統一を達成し、ヘビー級でもアンソニー・ジョシュアを2度下すなど、圧倒的な強さを見せています。

巧みなフットワークと高度な技術で、体格で劣る相手でも圧倒的な試合運びを演出します。

2位 井上尚弥

出典:Lemino

井上尚弥は日本格闘技界の至宝として世界的な注目を集めています。

戦績30勝0敗(27KO)で、現在、ジュニアフェザー級のWBA、WBC、IBF、WBO・4団体統一王者として君臨。

バンタム級では日本人初の4団体統一を達成し、スーパーバンタム級に階級を上げても圧倒的な強さを見せていました。

驚異的なKO率は、パワーと技術を兼ね備えた実力の証明です。

両手の破壊力、精密な技術、冷静な試合運びで、多くの専門家から「完璧なボクサー」と評価されています。

3位 テレンス・クロフォード

出典:DAZN Boxing

テレンス・クロフォードはアメリカ出身の3階級制覇を成し遂げた技巧派ファイターです。

戦績41勝0敗(31KO)で、現在、ジュニアミドル級WBAタイトルを保持しています。

2023年7月には長年のライバルであるエロール・スペンスJr.を破り、ウェルター級の頂点に立ちました。スイッチヒッターとしても知られ、両スタンスから繰り出される多彩な攻撃は対戦相手を翻弄します。

4位 ディミトリー・ビボル

ディミトリー・ビボルはロシア出身のライトヘビー級選手です。

戦績24勝1敗0分(12KO)を記録しています。

現在、ライトヘビー級のWBA、WBC、IBF、WBO・4団体統一王者として君臨。

2022年にはスーパースター、サウル・アルバレスを下し、世界中の注目を集めました。

巧みなボクシングスキルとスピードを武器に、多くの強豪を打ち破ってきました。

正確なパンチワークと優れたフットワークで、試合を支配します。

5位 アルツール・ベテルビエフ

出典:DAZN Boxing

アルツール・ベテルビエフはロシア出身のライトヘビー級のボクサー選手です。

戦績22勝0敗(20KO)で、驚異的なKO率を誇ります。

プロデビューから、圧倒的なパワーと高い打撃精度で、対戦相手に立ち向かう隙を与えません。

6位 中谷潤人

中谷潤人は日本屈指のバンタム級王者です。

戦績31勝0敗(24KO)で、WBCのタイトルを保持しています。

アマチュア時代から頭角を現し、プロでも安定した強さを見せ続けています。

高いKO率は、技術と力を兼ね備えた選手としての評価を裏付けといえるでしょう。

今後は階級アップも示唆されており、井上尚弥のライバルとなり得る選手です。

7位 ジェシー・ロドリゲス

ジェシー・ロドリゲスはアメリカ出身のジュニアバンタム級王者です。

戦績21勝0敗(14KO)で、WBCのタイトルを保持しています。

23歳の時から、すでに複数の元世界王者を下しています。

素早いコンビネーションと巧みな距離感で、相手を圧倒する試合運びが持ち味です。

将来のPFPトップを期待される逸材として注目を集めています。

8位 サウル・”カネロ”・アルバレス

サウル・”カネロ”・アルバレスはメキシコが誇るスーパーミドル級の王者です。

戦績63勝2敗2分(39KO)で、現在、スーパーミドル級のWBA、WBC、IBF、WBO・4団体統一王者として君臨。

16歳でプロデビューし、スーパーウェルター級から始めて4階級制覇を達成しました。

右フックとボディブローを得意とし、堅固な防御力と組み合わせた総合力は世界トップクラスです。

2022年にはビボルに敗れましたが、その後も確かな実力を見せ続けています。

9位 寺地拳四朗

寺地 拳四朗は、日本出身のフライ級ボクサー選手です。

戦績25勝1敗(16KO)で、WBCのタイトルを保持しています。

「The Amazing Boy」のニックネームを持ち、パンチ力とジャブの正確さで対戦相手を翻弄します。

2025年2月、WBA、WBC世界同級王座統一戦でユーリ阿久井政悟選手に勝ち、王座統一に成功しました。

7月30日にはWBA3位、WBC4位のリカルド・サンドバルと対戦予定です。

サンドバル戦後はスーパーフライ級への転向を表明しています。

今後、スーパーフライ級に上げての活躍が期待されます。

10位 デビッド・ベナビデス

デビッド・ベナビデスはアメリカ合衆国のライトヘビー級のプロボクサー。

戦績30勝0敗0分(24KO)で「レッドフラッグモンスター」の異名を持ちます。

身長188cm、リーチ189cmの恵まれた体を生かして相手にプレッシャーをかけ、重量感のある左右フック、アッパーを顔面、ボディに打ち分けるファイターで、打たれ強さにも定評がある。

過去にはWBCの2階級制覇を成し遂げたことがある。

パウンド・フォー・パウンド(PFP)とは?

パウンド・フォー・パウンド(PFP)はボクシングの階級を超えた、純粋な実力を測る基準です。

ボクシングには17の階級が存在し、通常は体重が重い選手ほど有利とされます。しかし、PFPは階級の壁を取り払い、純粋な技術と実力で選手を評価します。

起源は1940年代に遡ります。中量級の名王者シュガー・レイ・ロビンソンの卓越した実力を評価する言葉として生まれました。ロビンソンは体重差を感じさせない圧倒的な強さで、歴代最高のボクサーと呼ばれています。

現代では、「ザ・リング誌」をはじめとする世界的なメディアが独自のPFPランキングを発表しています。評価基準は多面的で、戦績や対戦相手のレベル、試合内容、複数階級での活躍などを総合的に判断します。

メディアごとに特色があり、リング誌は1922年創刊の老舗として権威を持ちます。

ESPNは記者投票制による透明性の高い評価システムを採用しています。全米ボクシング記者協会(BWAA)やトランスナショナル・ボクシング・ランキング委員会(TBRB)も影響力のある評価を行なっています。

PFPランキングは月単位で更新され、常に最新の実力が反映されます。

歴代1位に名を連ねた選手には、モハメド・アリ、マイク・タイソン、フロイド・メイウェザーJr.など、ボクシング史に名を残す偉大なチャンピオンが並びます。

ランクインしたことのある日本人選手

リング誌のPFPランキングにランクインした日本人選手は以下の6名です。

  1. 山中慎介選手(2014年ランクイン)
  2. 内山高志選手(2015年ランクイン)
  3. 井岡一翔選手(2019年ランクイン)
  4. 井上尚弥選手(2019年〜現在ランクイン)
  5. 中谷潤人選手(2023年〜現在ランクイン)
  6. 寺地拳四朗選手(2025年〜現在ランクイン)

各選手の功績を詳しく見ていきましょう。

山中慎介選手は、日本人として初めてPFPランキング入りした選手です。WBCバンタム級王座を12度防衛し、長期政権を築きました。鋭い左ボディブローと正確なパンチワークで、世界中のファンを魅了しました。

内山高志選手は、WBCライトフライ級王者として11度の防衛を達成しました。精密な技術と冷静な試合運びを武器に、世界最高峰の舞台で活躍を見せました。

井岡一翔選手は、日本人初の4階級制覇を達成した選手です。スピードと技術を武器に、軽量級で圧倒的な強さを発揮し続けました。

井上尚弥選手は、2022年6月に日本人初となるPFPランキング1位を獲得しました。バンタム級4団体統一を達成し、現在はスーパーバンタム級でも4団体統一王者として君臨しています。驚異的なKO率で、世界最高峰の実力を証明し続けています。

中谷潤人選手は、WBCバンタム級王者として無敗の記録を継続中です。高いKO率と安定した試合運びで、次世代のエースとしての期待を集めています。

寺地拳四朗選手は、現WBA・WBC世界フライ級統一王者で元WBAスーパー・WBC世界ライトフライ級統一王者。世界2階級制覇を成し遂げています。

現在は井上尚弥選手(2位)と中谷潤人選手(8位)、寺地拳四朗(10位)の3名がランクインしており、日本ボクシング界の黄金期を象徴しています。

特に軽量級での活躍は目覚ましく、世界のボクシング界に大きな影響を与え続けています。

まとめ

パウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングは、体重差を超えた真の実力を映し出す指標です。

1940年代から現在まで、世界最高峰の選手たちが名を連ねてきました。

日本からも山中慎介選手を皮切りに5名の選手がランクインを果たし、現在も井上尚弥選手と中谷潤人選手が世界のトップ10に名を連ねています。

月単位で更新される世界最強ボクサーランキングは、今後も新たな歴史を刻んでいくことでしょう。

リング誌パウンド・フォー・パウンド(PFP)関連情報

中谷潤人が自己最高のPFP6位に浮上 評価に「うれしく思います」 井上尚弥は2位、寺地拳四朗は9位をキープ

米国で最も伝統のあるボクシング専門メディア「ザ・リング(THE RING)」は11日(日本時間12日)、パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)の最新ランキング(6月11日付)を発表。WBC&IBF世界バンタム級(53・5キロ以下)統一王者・中谷潤人(M・T)が7位から自己最高の6位に浮上した。

中谷は8日に前IBF王者・西田凌佑(六島)と王座統一戦で対戦。初回から積極的に攻撃を仕掛けると、西田が3回に右肩脱臼するなどした影響もあり、6回終了時点で西田が棄権。中谷がTKO勝ちし、WBC王座は4度目の防衛に成功。IBF王座も奪取して、念願の統一王者となった。

中谷は「試合を見ていただいて評価をしてもらったことにうれしく思います」と喜びを示した。

5月4日に米ラスベガスでラモン・カルデナス(米国)に8回TKO勝ちした世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は2位をキープ。7月30日に横浜BUNTAIでリカルド・ラファエル・サンドバル(米国)の挑戦を受けることが発表されたWBA&WBC世界フライ級(50・8キロ以下)統一王者・寺地拳四朗(BMB)も9位と変わらなかった。

中谷はかねてから希望していたリング誌のバンタム級チャンピオンにも認定された。近く認定ベルトが贈呈される予定。中谷は試合後の記者会見などでは今後について明言しなかったが、来年5月にも予定される東京ドームでの井上尚戦を見据えて、スーパーバンタム級に階級を上げることが濃厚。中谷は自身のインスタグラムで「これからはワクワクする方に突き進んでいきます!」などと投稿している。

“精密機械”ロマチェンコが現役引退 リング誌報道、3階級制覇の37歳 五輪金メダルなどアマ396勝1敗の伝説

ボクシングの3階級制覇王者で、現IBF世界ライト級王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が現役を引退すると、日本時間5日に世界で最も権威ある米専門誌「ザ・リング」が報じた。ロマチェンコは自身のインスタグラムで「リング上においても、人生においても、全ての勝利と敗北に感謝している」とコメント。ファンへの感謝を伝えている。

ロマチェンコはインスタグラムで「私の愛する世界中のボクシングファンにも感謝しないわけにはいかない。君たちは常に情熱をもって私をサポートし、10年以上も共に戦ってくれた」と語った。

同誌は公式Xで「ワシル・ロマチェンコが37歳でボクシング界からの引退を正式に発表した。ウクライナの伝説は、アマチュア時代に396勝1敗の成績を収め、オリンピックで2つの金メダルを獲得した後、プロに転向。3階級制覇を成し遂げ、パウンド・フォー・パウンドのスター選手となった」と伝えた。

“精密機械”の異名をとるロマチェンコは、2008年北京五輪ではフェザー級で、12年ロンドン五輪ではライト級で金メダルを獲得。アマチュア戦績は396勝1敗という驚異的な成績を誇り、13年のプロ転向後はWBOフェザー級、同スーパーフェザー級で王座を獲得。その後、ライト級でもチャンピオンとなり、プロ12戦目で世界最速タイの3階級制覇を達成した。

ライト級3団体王者だった20年10月、ロペスとの4団体王座統一戦に臨んだが、判定負けで王座陥落。21年の再起戦で中谷正義と対戦し、9回TKO勝ち。24年5月にジョージ・カンボソス・ジュニアを11回TKOで下し、IBF世界同級王座を獲得していた。パウンド・フォー・パウンド(PFP)でも1位に長く君臨した名手だった。